農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年12月2日(金曜日)8時59分~9時14分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)「てまえどり」の流行語大賞の受賞について
  • 食料安全保障強化政策大綱の策定提言等について
  • 食料・農業・農村基本法の検証等について
  • 生乳の需給動向等について
  • 酪農対策について

冒頭発言

大臣

  私の方から1点だけ御報告がございます。農林水産省が提唱しております「てまえどり」の流行語大賞トップ10の受賞であります。これまで農林水産省におきましては、関係者と連携して食品ロスの削減に向けた取組の一つとして、消費者の皆様に「てまえどり」を呼びかけてまいりました。これは日頃のお買い物に際して、購入してすぐ食べる場合には、商品棚の手前にある販売期限の迫った商品を積極的に選ぶよう、ステッカーを貼って呼びかけるものです。今般この「てまえどり」の取組が流行語大賞のトップ10に選出されるに至りました。食品ロス関係の言葉としては初めての選出と聞いております。これは関係団体・事業者の努力と多くの消費者の御理解と御協力に支えられた大きな成果であると考えております。改めて御礼を申し上げる次第でございます。また農林水産省ではこの「てまえどり」に加えて、「食べきり」との言葉も広げていきたいというふうに考えていますが、年末年始には会食をする機会も増えることが予想され、その際、料理を食べきるよう呼びかける取組です。今後、関係省庁と連携し、「食べきり」全国キャンペーンを実施してまいります。食品事業者と消費者の皆様におかれましては、改めて御理解と御協力をお願いを申し上げます。私からの報告は以上でございます。

質疑応答

  • 食料安全保障強化政策大綱の策定提言等、食料・農業・農村基本法の検証等について

記者

  先日、自民党の基本法検証プロジェクトチームから提言案が出されまして、政府として食料安全保障強化政策大綱を策定することを求められました。こちらへの受け止めと今後の対応についてがまず1点と、基本法について、来年度中の改正案と関連法案の国会提出を視野にとのことでしたが、このスケジュール感についてもお考えをお聞かせください。

大臣

  今、御質問がありましたように、今般、自民党の食料安全保障に関する検討委員会、これは森山裕先生が委員長でありますが、その委員会が、食料安全保障強化政策大綱の策定と、食料・農業・農村基本法の見直しに向けた提言を取りまとめられたと承知をいたしております。近々に官邸の方に行かれるという話も伺っております。その中ではまず食料安全保障強化政策大綱を年内に策定し、そして食料安全保障強化施策を継続的かつ万全に実施することを提言いただきました。大綱の策定時期や方法、内容については、政府内で調整を行っておりますが、いただいた提言を踏まえてしっかりと対応をしてまいりたいと思っております。TPPの時がそうであったように、TPP大綱なるものについて党の方から農林水産省に提言がありまして、それを基にしながら政府の方でも大綱を作ったことがありますが、それと同じような形でこの食料安全保障についても大綱をまとめなさいと、こういったような御提言が来ているところでございます。また、農林水産省としましては現在、食料・農業・農村政策審議会で議論を進めているところですが、いただいた提言を踏まえつつ、しっかりと基本法の検証見直しの検討を進めてまいりたいと思っております。

記者

  改正案の2023年度中の国会への提出についてはいかがでしょうか。

大臣

  それは変わっておりません。今、基本法の検証部会で4回ほど部会を開いていただいて検討しておりますので、これらを基にしながらまた各界各層の皆さんの御意見をいただかなければならないと、こんなふうに思っておりますが、御提言いただいている中身では、改正案を2023年度中に国会提出することを視野に検討を加速化するよう求められております。2023年度というと、令和5年4月から令和6年3月までということですから、来年の(通常)国会というよりもその次の(通常)国会までに間に合うようにと。場合によっては臨時国会もあるだろうと思うんですが、そういうところにも間に合うのか間に合わないのかまだ検討している段階で、でき上がっておりませんので分かりませんが、そういう御提言はいただいております。

  • 生乳の需給動向等について

記者

  牛乳の消費動向についてお伺いします。乳製品の値上げからおよそ1ヶ月が経ちましたが、改めて消費に与えた影響をどう見ていらっしゃるか教えていただきたいです。また今後冬場にかけて消費が落ち込むことが予想されますが、見通しや消費拡大策について考えていることがあれば教えてください。

大臣

  牛乳はこの前、11月1日から10円、生産者からメーカーに出すときの乳価を上げていただいたというのが11月1日からでしたが、その後どういったような形で(店頭)価格が、牛乳として消費者に渡るまでの間、どのぐらい上がったのかというのも調べておりましたが、ばらつきがあります。連動した形で上げたところもあるし、あるいはまた据え置いたところもあるということでありますが、消費の動向を申し上げますと、ほとんど変わりはないということでありまして、12月1日のJミルクの公表では、値上げから4週目になる(11月)21日から27日までの牛乳の販売本数は値上げ実施前の週から大きな落ち込みはないというふうに承知いたしております。また乳業(メーカー)等から、現在のところ注文状況に大きな変化はないというふうに伺っているところでございます。ですから、あんまり大きな影響はないということです。

記者

  今後冬場にかけて消費が落ち込むかと予想されますが、それに向けて消費拡大策など、農水省の方で考えられていることはありますでしょうか。

大臣

  メーカーさんなども牛乳の消費拡大対策をやっておりますし、我が省としても取組が着実に実施されるように、業界と連携するとともに、消費拡大対策を推進し、生乳需給の安定を図ってまいりたいと、こんなふうに思っております。

事務方

  (消費拡大対策について)今年の初めは「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」という運動をやっておりました。今は「牛乳でスマイルプロジェクト」という運動をやっております。

大臣

  そういう運動をやっております。ぜひ、牛乳をあと一杯飲んでください。

  • 酪農対策について

記者

  昨日ですね、自民党の部会も開かれまして、来年度の畜酪の対策に関する議論が本格化したかと思いますが、この関係で二つ伺います。1点目、加工原料乳生産者補給金の単価の件で、出席した議員や団体の方から、飼料の高騰や生産コストの上昇を踏まえて十分な単価にするようにという、そういう声が多くありましたけれども、どのように対応していくお考えかというところ。もう一つは、この補給金っていうのは関係してくるのが主に北海道だと思うんですけれども、都府県の酪農家に対しても支援が必要なのではないかという指摘が出てまして、国会審議の中でも、予備費の緊急対策とか、あとその補正予算で設けている二つの事業だけじゃなくて一層の支援をというような声もあったと思うんですが、農水省として改めてどう対応するのか、この2点よろしくお願いします。

大臣

  昨日、(自民党の)畜酪対策委員会が開かれまして、生産者や議員から加工原料の補給金の引き上げを求める声があったというのは、承知をいたしておりますが、加工原料乳の生産者補給金等については、一定のルールが定められておりまして、例えば補給金とそれから調整金という二本立てでありますけれども、補給金単価は、加工原料乳生産地域の再生産を旨として、生産コストの変動や物価動向等を勘案すると、こうなっています。それから調整金単価につきましては、指定事業者があまねく集送乳の確保が可能となるように、これも集送乳に要するコストの変動、それから物価動向等を勘案すると、こういうような仕組みになっておりまして、一定のルールに基づきまして計算をしていくわけでありますので、もう少ししたら明らかになってくるということであります。それともう一つですね、総交付対象数量。数量はどのぐらいにするのかと。この補給金の対象にする数量ですが、飲用牛乳及び乳製品の需給事情等を勘案して、いずれもこれは食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いて決める。これは補給金単価もそうですが調整金単価、それから数量、こういったことにつきましては、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いて決めることにいたしております。これらは全てルールどおりということであります。

記者

  2点目のですね、都府県の酪農というか、予備費とか補正の対策以上の支援をという声に関してはいかがでしょうか。

大臣

  北海道に言わせれば、11月1日から(乳価が)10円上がったんだけど、都府県と違って、北海道の生乳は加工用に大体8割向けていますので、2割しか対象にならないと、今週の予算委員会でもそういう質問が実は出たわけでありますが、今、いろんな形でおっしゃったような対策を打っておりますので、少し様子を見た方がいいのかなと。ただ、厳しいという声は伺っておりまして、私も地元の酪農協からデータ等を取りながら見ておりますけれども、数年前に生乳を廃棄した状況ほどにはないというふうに思っております。ですから、まだ考えられるような対策があるのか知恵を出してくれということで、担当課に言っているところでございます。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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