外務省・新着情報

令和4年6月17日

 鈴木副大臣は、6月13日から15日(現地時間、以下同)にかけてカナダ・トロントを訪問したところ、概要は以下のとおりです。

1 「鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)閣僚級会合」への出席

会合に参加するする鈴木外務副大臣 会合での様子
会合で発言するする鈴木外務副大臣 会合での様子

 6月14日、鈴木副大臣は、ホセ・フェルナンデス米国国務次官(Mr. Jose W. Fernandez, Under Secretary of State of the United States)を議長として、トロントにて開催された「鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)閣僚級会合」に出席しました。

 鉱物資源の安定供給は世界経済にとり不可欠であり、特に近年では脱炭素化社会の実現に向けた再生可能エネルギーの推進により、その需要が急速に拡大しています。本会合は、鉱山開発、精製・加工、リサイクル・リユースといった、一連のサプライチェーンにおいて、高い環境・社会・ガバナンス(ESG)基準を実現すべく、投資の促進を含む官民の連携を戦略的に促進することを目的としたMSPを立ち上げるため開催され、豪州、カナダ、EU、フィンランド、フランス、ドイツ、韓国、日本、ノルウェー、スウェーデン、英国、米国の12か国が出席しました。

 鈴木副大臣からは、我が国のMSPの立ち上げへの支持を表明するとともに、鉱物資源の供給多角化に向けた我が国の取組を紹介し、鉱物資源をめぐる現下の課題解決に向け、本枠組みにおける議論と活動に積極的に貢献したい旨述べました。

フェルナンデス米国国務次官との立ち話する鈴木外務副大臣 フェルナンデス米国国務次官との立ち話

2 各国閣僚級との会談

(1)リー・ロウリー英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省政務次官との会談

ロウリー英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省政務次官と鈴木外務副大臣
ロウリー英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省政務次官と会談する鈴木外務副大臣

 14日、鈴木副大臣は、リー・ロウリー英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省政務次官(Mr.Lee Rowley MP, Parliamentary Under Secretary of State in the Department for Business, Energy and Industrial Strategy, United Kingdom)と会談し、現下の鉱物資源のサプライチェーンをめぐる課題の解決に向け、国際的な枠組みに加えて、二国間での連携強化について意見交換しました。この中で、資源の供給多角化に向けた両国の知見の共有に向け、日英の事務レベルの協議を進めていくことで一致しました。

(2)ホセ・フェルナンデス米国国務次官との会談

ホセ・フェルナンデス米国国務次官と鈴木外務副大臣
ホセ・フェルナンデス米国国務次官との会談の様子

 14日、鈴木副大臣は、ホセ・フェルナンデス米国国務次官と会談し、同国務次官が主導する鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)の成功に向けた協力のあり方について、意見交換を実施しました。特に鉱物分野における投資の促進や、環境・社会・ガバナンス(ESG)基準の導入に加えて、資源国のニーズに即した支援に戦略的に取り組んでいくべく、日米で連携していくことで一致しました。

(3)アントワネット・ンサンバ・カランバイ・コンゴ民主共和国鉱山大臣との会談

ンサンバ・カランバイ・コンゴ民主共和国鉱山大臣と鈴木外務副大臣
ンサンバ・カランバイ・コンゴ民主共和国鉱山大臣との会談の様子

 14日、鈴木副大臣は、アントワネット・ンサンバ・カランバイ・コンゴ民主共和国鉱山大臣(H.E.Ms. Antoinette N’SAMBA KARAMBY, Minister of Mines, Democratic Republic of the Congo)と会談しました。鈴木副大臣からは、我が国として、コバルトを含む世界のエネルギー転換に不可欠な鉱物資源の主要な産出国であるコンゴ民主共和国との鉱物分野での協力関係を重視しており、同国のニーズにあった協力を進展していきたい旨述べ、両国間で鉱物資源分野における事務レベルでの協議を強化していくことで一致しました。

(4)アリフ・ヴィラーニ・カナダ国際貿易・輸出促進・小規模ビジネス・経済開発担当大臣政務官との意見交換

ヴィラーニ カナダ国際貿易・輸出促進・小規模ビジネス・経済開発担当大臣政務官と握手する鈴木外務副大臣
ヴィラーニ カナダ国際貿易・輸出促進・小規模ビジネス・経済開発担当大臣政務官との会談の様子

 14日、鈴木副大臣は、アリフ・ヴィラーニ カナダ国際貿易・輸出促進・小規模ビジネス・経済開発担当大臣政務官(Mr. Arif Virani, Parliamentary Secretary to the Minister of International Trade, Export Promotion, Small Business and Economic Development, Canada)と会談し、二国間関係に加えて、鉱物資源分野における日加間の協力強化について意見交換しました。ヴィラーニ政務官からは、カナダは採掘や精錬分野での取組拡大を志向している点が強調され、鉱物資源のサプライチェーン強靱化に向け双方の強みを活かしながら協力を深化することで一致しました。また両者は東アジアの地域情勢についても意見交換を行いました。

3 在トロント邦人及びJET経験者との懇談、文化・カナダ軍大学施設の視察

(1)若手邦人との意見交換会

意見交換参加者と鈴木外務副大臣

 14日、鈴木副大臣はトロントで活躍する若手の実業家やJETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme:語学指導等を行う外国青年招致事業)経験者の方々と面会し、日加の経済関係促進に貢献するトロントの邦人社会の活動や今後の活動推進に向けて求められる取組等について意見交換を行いました。

(2)JETプログラムの経験者等との意見交換

意見交換参加者と鈴木外務副大臣

 14日、鈴木副大臣は、JETプログラムの経験者等10名と面会しました。鈴木副大臣からは、プログラム参加者による日加の文化的な関係強化への貢献に敬意を表しつつ、参加者の経験やカナダのJETAA(JET経験者による活動組織)の取組を踏まえた意見交換を行いました。

(3)トロント日本商工会幹部との意見交換

意見交換参加者と鈴木外務副大臣

 14日、鈴木副大臣は、トロント日本商工会幹部と面会しました。鈴木副大臣からは、同団体のカナダにおける産業界への貢献に敬意を示しつつ、トロントにおける邦人企業の活動や課題について意見交換を行いました。

(4)日系文化会館の視察

館内を視察する鈴木外務副大臣
説明を受ける鈴木外務副大臣

 15日、鈴木副大臣は、トロントの日系文化会館(JCCC:Japanese Canadian Cultural Center, https://jccc.on.ca/ja)を訪問し、ゲリー・カワグチ理事長を始めとする同会館の幹部と面会しました。同会館は、日系カナダ人を中心に運営され、日系人の歴史に係る展示の他、茶道や墨絵等の文化教室、剣道や空手等の武道教室、「日本映画祭」等の大型イベントの開催、幼稚園の運営等を通じ、日系社会の歴史の継承と親睦、日本文化の発信及び日加間の相互理解の促進に大きく貢献する活動を行っています。鈴木副大臣からは同会館のこうした活動に敬意を表するとともに、今後の日加の文化交流の深化に向けた意見交換を行いました。

(5)カナダ軍大学訪問

カナダ軍大学を訪問する鈴木外務副大臣
意見交換する鈴木外務副大臣

 15日、鈴木副大臣は、カナダ軍大学を訪問し、同大学の施設及び提供プログラムについて説明を受けるとともに、インド太平洋地域を含めた日加間の安全保障協力の促進に向け意見交換を行いました。


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