議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 矢田わか子 君外二名
衆議院審議時会派態度
衆議院審議時賛成会派
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日 2022-06-10
公布年月日

要項または提出時法律案

第二〇八回
参第三四号
   会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律の一部を改正する法律案
 会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(平成十二年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
 題名を次のように改める。
   会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律
 題名の次に次の目次及び章名を付する。
目次
 第一章 総則(第一条)
 第二章 会社分割に伴う労働契約の承継等に関する会社法の特例等(第二条-第八条)
 第三章 会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等(第九条-第十六条)
 附則
   第一章 総則
 第一条中「関し」を「関する」に、「を定める」を「について定めるとともに、会社が事業譲渡を行う場合における労働契約の承継等について定める」に改め、同条の次に次の章名を付する。
   第二章 会社分割に伴う労働契約の承継等に関する会社法の特例等
 第八条中「この法律」を「この章」に改める。
 本則に次の一章を加える。
   第三章 会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等
 (労働者等への通知)
第九条 会社は、その事業の全部又は一部の譲渡(以下「事業譲渡」という。)をするときは、次に掲げる労働者に対し、通知期限日までに、当該事業譲渡に関し、当該会社が当該労働者との間で締結している労働契約を譲受会社等(他の会社の事業の全部又は一部を譲り受ける会社その他の者をいう。以下同じ。)が承継する旨の譲渡契約(事業譲渡に係る契約をいう。以下同じ。)における定めの有無、第十一条第三項に規定する異議申出期限日その他厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。
 一 当該会社が雇用する労働者であって、譲受会社等に承継される事業に主として従事するものとして厚生労働省令で定めるもの
 二 当該会社が雇用する労働者(前号に掲げる労働者を除く。)であって、当該譲渡契約にその者が当該会社との間で締結している労働契約を譲受会社等が承継する旨の定めがあるもの
2 前項の事業譲渡をする会社(以下「譲渡会社」という。)は、労働組合との間で労働協約を締結しているときは、当該労働組合に対し、通知期限日までに、当該事業譲渡に関し、当該労働協約を譲受会社等が承継する旨の当該譲渡契約における定めの有無その他厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。
3 前二項、第十一条第三項第一号及び第十四条の「通知期限日」とは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める日をいう。
 一 株式会社が事業譲渡をする場合であって当該事業譲渡に係る譲渡契約について株主総会の決議による承認を要するとき 当該株主総会(第十一条第三項第一号において「承認株主総会」という。)の日の二週間前の日の前日
 二 株式会社が事業譲渡をする場合であって当該事業譲渡に係る譲渡契約について株主総会の決議による承認を要しないとき又は合同会社が事業譲渡をする場合 譲渡契約が締結された日から起算して、二週間を経過する日
 (承継される事業に主として従事する労働者に係る労働契約の承継)
第十条 前条第一項第一号に掲げる労働者が譲渡会社との間で締結している労働契約であって、譲渡契約に譲受会社等が承継する旨の定めがあるものは、当該譲渡契約に係る事業譲渡の効力が生じた日に、当該譲受会社等に承継されるものとする。
第十一条 第九条第一項第一号に掲げる労働者であって、譲渡契約にその者が譲渡会社との間で締結している労働契約を譲受会社等が承継する旨の定めがないものは、同項の通知がされた日から異議申出期限日までの間に、当該譲渡会社に対し、当該労働契約が当該譲受会社等に承継されないことについて、書面により、異議を申し出ることができる。
2 譲渡会社は、異議申出期限日を定めるときは、第九条第一項の通知がされた日と異議申出期限日との間に少なくとも十三日間を置かなければならない。
3 前二項の「異議申出期限日」とは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める日をいう。
 一 第九条第三項第一号に掲げる場合 通知期限日の翌日から承認株主総会の日の前日までの期間の範囲内で譲渡会社が定める日
 二 第九条第三項第二号に掲げる場合 同号の譲渡契約に係る事業譲渡の効力が生ずる日の前日までの日で譲渡会社が定める日
4 第一項に規定する労働者が同項の異議を申し出たときは、当該譲渡契約に定めがなくても、当該労働者が譲渡会社との間で締結している労働契約は、当該譲渡契約に係る事業譲渡の効力が生じた日に、譲受会社等に承継されるものとする。
 (その他の労働者に係る労働契約の承継)
第十二条 第九条第一項第二号に掲げる労働者は、同項の通知がされた日から前条第三項に規定する異議申出期限日までの間に、譲渡会社に対し、当該労働者が当該譲渡会社との間で締結している労働契約が譲受会社等に承継されることについて、書面により、異議を申し出ることができる。
2 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
3 第一項に規定する労働者が同項の異議を申し出たときは、当該譲渡契約の定めにかかわらず、当該労働者が譲渡会社との間で締結している労働契約は、譲受会社等に承継されないものとする。
4 第一項に規定する労働者が同項の異議を申し出なかったときは、当該労働者が譲渡会社との間で締結している労働契約は、当該譲渡契約に係る事業譲渡の効力が生じた日に、譲受会社等に承継されるものとする。
 (労働協約の承継等)
第十三条 譲渡会社は、譲渡契約に、当該譲渡会社と労働組合との間で締結されている労働協約のうち譲受会社等が承継する部分を定めることができる。
2 譲渡会社と労働組合との間で締結されている労働協約に、労働組合法第十六条の基準以外の部分が定められている場合において、当該部分の全部又は一部について当該譲渡会社と当該労働組合との間で譲渡契約の定めに従い譲受会社等に承継させる旨の合意があったときは、当該合意に係る部分は、当該譲渡契約の定めに従い、当該事業譲渡の効力が生じた日に、当該譲受会社等に承継されるものとする。
3 前項に定めるもののほか、譲渡会社と労働組合との間で締結されている労働協約については、当該労働組合の組合員である労働者と当該譲渡会社との間で締結されている労働契約が譲受会社等に承継されるときは、当該事業譲渡の効力が生じた日に、当該譲受会社等と当該労働組合との間で当該労働協約(同項に規定する合意に係る部分を除く。)と同一の内容の労働協約が締結されたものとみなす。
 (労働者との協議)
第十四条 譲渡会社は、通知期限日までに、厚生労働大臣の定めるところにより、当該事業譲渡に伴う労働契約の承継について、労働者と協議をするものとする。
 (労働者の理解と協力)
第十五条 譲渡会社は、当該事業譲渡に当たり、厚生労働大臣の定めるところにより、その雇用する労働者の理解と協力を得るよう努めるものとする。
 (指針)
第十六条 厚生労働大臣は、この章に定めるもののほか、譲渡会社及び譲受会社等が講ずべき当該譲渡会社が締結している労働契約及び労働協約の承継に関する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めることができる。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 (経過措置)
第二条 この法律による改正後の会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律第三章の規定は、この法律の施行の日以後にその契約が締結される事業譲渡(株式会社又は合同会社が行うその事業の全部又は一部の譲渡をいう。)について適用する。
2 前項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
 (農業協同組合法の一部改正)
第三条 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
  第七十条の六第一項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に改め、同条第二項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律第二条から第八条まで」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律第二章」に改める。
 (医療法の一部改正)
第四条 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
  第六十二条中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に、「第二条から第八条まで」を「第二章」に改める。
 (国民年金法の一部改正)
第五条 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
  第百三十七条の三の十三中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に、「第二条から第八条まで」を「第二章」に改める。
 (森林組合法の一部改正)
第六条 森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
  第八十八条の七の見出し及び同条第一項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に改め、同条第二項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律第二条から第八条まで」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律第二章」に改める。
  第百八条の九の見出し及び同条第一項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に改め、同条第二項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律第二条から第八条まで」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律第二章」に改める。
  第百八条の十七の見出し及び同条第一項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に改め、同条第二項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律第二条から第八条まで」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律第二章」に改める。
 (商法等の一部を改正する法律の一部改正)
第七条 商法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十号)の一部を次のように改正する。
  附則第五条第一項中「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」を「会社分割又は会社の事業譲渡に伴う労働契約の承継等に関する法律」に改める。

     理 由
 近年における企業組織の再編の状況等に鑑み、労働者の保護を図るため、会社が事業譲渡を行う場合における労働契約の承継等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。