農林水産省・新着情報

金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年4月28日(木曜日)11時29分~11時46分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に係る農林水産分野の対応について
  • (大臣から)タイ及びシンガポール出張について
  • (大臣から)武部農林水産副大臣の出張について
  • (大臣から)「母の日」及び「母の月」の取組について
  • 牛乳の需給状況について
  • 化学肥料原料の調達支援対策について

冒頭発言

大臣

  皆さんおはようございます。
  冒頭に、私から、今日は、4点あります。
  1点目ですが、本日の閣議におきまして、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関する予備費の使用が決定されました。農林水産省としては、化学肥料原料の調達の支援や配合飼料の価格高騰対策、小麦などの食品原材料の価格高騰対策のほか、国産材への転換の支援、水産加工業の原材料の調達の支援など、総額751億円を措置しております。今後は、事業者による生産資材の安定的な調達や食品原材料等の価格高騰による国民生活への影響の緩和などの効果が速やかに発揮されるよう、事業の着実な実施に努めてまいります。
  2点目ですが、5月4日から8日まで、タイ及びシンガポールへ出張いたします。タイ及びシンガポールでは、政府高官とスマート農林水産業やアジアモンスーン地域における持続可能な食料システムの推進などについて、会談を行う予定であります。
  また、バンコク及びシンガポールにおいて、輸出事業者等を専門的かつ継続的に支援する「輸出支援プラットフォーム」の立ち上げ式に出席する予定です。詳細については、この後、プレスリリースをいたします。
  3点目ですが、5月11日から17日まで、G7農業大臣会合への出席等のため、武部副大臣をポーランド、ドイツ及びモロッコに派遣いたします。まず、13日及び14日にドイツで開催予定のG7農業大臣会合は、世界の食料安全保障の確保に関する課題について、各国と議論することとしております。
  次に、モロッコにおいては、肥料の原料である「りん安」について、中国からの輸入は停滞していることから、代わりに、モロッコからの調達を進めているため、今後も安定的に輸入できるよう、モロッコへ働きかけを行います。なお、G7農業大臣会合の出席に先立ちまして、ポーランドに立ち寄り、ウクライナ政府から要請された日本の食料品等を現地で引き渡す予定であります。具体的には、パックご飯、魚の缶詰、全粉乳及び缶詰パンの合計約15トンに加えまして、在日ウクライナ大使館に寄贈された物資も合わせて、困難な状況にあるウクライナ国民にお届けしたいと思います。
  4点目ですが、花き業界による「母の日」及び「母の月」の取組であります。
  今年の母の日は5月8日で、例年より早い母の日となりますが、この機会にお花を直接お渡しいただき、感謝の気持ちを伝えていただければと思います。また、母の日の機会を逃した方も、花き業界では、「今年も5月は「母の月」」というキャッチフレーズの下、5月を「母の月」として、企画を多数展開しております。この「母の月」をきっかけにして、“お花のある暮らし”を体感していただければと思います。
  私からは以上です。

質疑応答

  • 牛乳の需給状況について

記者

  明日からゴールデンウィークに入りますが、学校給食とかもなくなりますが、生乳の需給の状況などを教えていただきたいです。

大臣

  業界からの聞き取りによりますと、今年は現在までのところ、生乳生産が好調に推移しているため、学校給食が停止する連休期間中は例年以上に需給が緩和する可能性があるということであります。このため業界では、乳業工場における生乳処理量の最大化や消費拡大に取り組むなど、万全の対策を整えていると聞いております。農林水産省としても、引き続き、需給状況を注視するとともに、業界と連携を密にとりまして、消費拡大に向けた情報発信等に積極的に対応してまいりたいと思います。
  年末年始、それから春休み、大変報道関係も含めた皆さん方の御協力で、どうにか乗り越えることができましたので、今回も、ぜひ皆さん方の御協力を心からお願い申し上げたいと思います。また、国民の皆さん方、消費者の皆さん方も、できるだけ牛乳をもう一杯飲んでいただいて、そして牛乳が廃棄されることがないように、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。

  • 化学肥料原料の調達支援対策について(1)

記者

  本日の閣議で決定された物価高騰緊急対策に関係してお伺いします。化学肥料の原料調達の関係で、ロシア産、ベラルーシ産の塩化カリが入ってこないというような報道もありますけれども、需要の高まる秋に向けた国内に必要な需要の確保の目途についてお伺いしたいというのが1点と、もう1点、26日火曜日に決定された緊急対策の方には、調達国の多角化っていう言葉も入りましたが、一方で、原料は一部の国に偏在しているっていう状況もあってなかなか多角化っていうのも難しいという事情もあるかと思いますが、この緊急対策とは別に、もう少し長期的な視点で、政府として肥料原料をどういうふうに確保していくかという考えがあれば教えてください。よろしくお願いいたします。

大臣

  今年の秋用の肥料の原料等調達に向けた取組は、現在、鋭意進められているところであり、農林水産省としても、今般の総合緊急対策におきまして、調達国の多角化による秋用の肥料原料の安定的な確保等に向けた支援を行うこととしています。この対策を着実に実施するとともに、今後の調達状況について、十分注視してまいりたいと考えています。また、肥料の原料となる天然資源が偏在しているという課題もある中で、より中長期的な観点からも、肥料供給の安定化に向けて、特定の輸入国への依存を可能な限り減らし、調達国の多角化を図ることとしており、まずは、冒頭で申し上げたとおり、武部副大臣をモロッコに派遣しまして、「りん安」の安定的な輸入を働きかけてまいります。さらに関係事業者や関係省庁と連携をとりまして、輸入先国からの安定した調達環境を整備する、あるいはまた、堆肥等の国内資源の活用によりまして、輸入肥料原料の代替を図るなど、今後ともあらゆる方策を検討していく考えであります。

  • 化学肥料原料の調達支援対策について(2)

記者

  物価高対策について、特に肥料の対策について伺います。今回の対策では原料調達に関する支援を措置されたと思いますけれども、与党からは価格高騰時の補填制度など、一層の対策を求める声もあります。農水省としてどのように対応されるかお考えをお願いします。

大臣

  まず、今回決められた緊急総合対策で、肥料製造事業者が調達する主要な化学肥料原料について、調達国の多角化を図るため、代替国からの調達に要する輸送コスト等の掛かり増し経費を緊急的に支援することによりまして、農業現場への肥料の安定供給を図ることとしたところであります。また今後、現下の肥料原料原価の上昇が続いた場合には、農業経営に及ぼす影響を見極めながら、どのような対策が必要か検討してまいりたいと考えております。国内においても農業者が肥料コストの低減に向け、土壌診断を通じた適正施肥や、堆肥等の利用拡大等のためのこれまでの支援事業について運用改善を行いまして、化学肥料の節減に向けた取組の加速化も図ることといたしております。

  • 化学肥料原料の調達支援対策について(3)

記者

  同じく肥料についてなのですが、先ほど武部副大臣をモロッコにということでしたが、ほかの国についても、このように何か調査を、誰かを派遣するですとか、そういった考えがあるのか。また民間が調達するこの肥料についてですが、国がこのように働きかけをする意義とかを教えていただけますか。

大臣

  従来から民間が取引をやっていますので、それぞれの相手先とのつき合いもあります。そういう中でやはり調達慣れしている、商社や全農を使って、やっていかないと、なかなかこれは簡単にいくものではないと思います。やはり民間の業者の皆さん方にお願いをして、そしてある一定の経費をみることは、結果的には、ある程度価格が安定するような形になっていくわけでございます。それから、モロッコ以外については、今検討させていただいております。ただ肥料の場合、特に「りん安」と「塩化カリ」なんです。この2つについて、「りん安」は中華人民共和国が多いし、「塩化カリ」はカナダが多いんです。この2つについて、これから調達を多角化していく、そういった考え方でおります。

記者

  国としても積極的に各国に働きかけを。

大臣

  結局、国としては積極的に確保する、また、価格もある程度安定させなきゃいけないと。農業者の皆さん方にできるだけ迷惑をかけないようにしたいということで、従来から取引を持っている商社の方々や全農を使って、調達をするということです。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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