経産省・新着情報

2021年5月21日(金曜日)
9時46分~9時58分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

G7環境・気候大臣会合

Q:よろしくお願いいたします。
2点ほど質問がありまして、まず1点目が昨日からG7の気候・環境大臣会合が開かれています。G7を巡っては議長国のイギリスが石炭火力の使用を中止する方向で各国に働き掛けているという報道があります。この点について、これまでどのような議論がなされていたのかということと、日本としてどのように対応するのかということを教えてください。

A:G7気候・環境大臣会合は、昨日と今日も実は議論が継続しているということでありまして、現時点で議論の経緯や内容についてのコメントは差し控えさせていただきます。
その上で、エネルギーを巡る状況は各国千差万別であるということ。資源が乏しく周囲を海で囲まれた我が国において、3EプラスSを満たす単一の完璧なエネルギー源がない現状では多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であります。国内の石炭火力については、安定供給を大前提にその比率をできる限り引き下げていくことが基本であるということです。このため、2030年に向けて非効率石炭のフェードアウトを着実に進めていく、2050年に向けては水素、アンモニアやCCUS等を活用することで、脱炭素型の火力に置き換えていく取組を促進しているということであります。
2050年のカーボンニュートラルのゴールは同じなんですけれども、これからいろいろな議論が進んでいきます。そして、それぞれのルール決めであるとか、定義であるとか、また国際標準であるとか、いろんなカーボンプライシングなども含めて議論をしていくという中で、いろんな議論はした上で連携をしてやっていくということになろうかと思います。

半導体

Q:もう1点あるんですけれども、経済産業省の半導体・デジタル産業戦略検討が今月に取りまとめを行う方向で議論を進めています。これに関しては、自民党の半導体戦略推進議員連盟が今日発足するなど、世間の関心も高まっています。
新型コロナや米中対立を受けて、半導体の供給確保の必要性が高まっていますけれども、大臣としてはどのような点を注視して半導体戦略を打ち出していくお考えでしょうか。

A:デジタル化やグリーン化が進む中で、コンピューターから家電、自動車など、あらゆる機器に使用される半導体は、経済社会を支える極めて重要な基盤部品であります。経済安全保障や産業全体のサプライチェーン強靱化の観点から、その重要性は増しているということであります。
そのような状況を踏まえて、今年3月に半導体・デジタル産業戦略検討会議を開催し、半導体に関する新たな産業政策の議論を進めてきたところであります。
会議で有識者からは、日本の半導体産業の厳しい状況を踏まえて、日本の強みである素材や製造装置のさらなる競争力強化や日本における半導体開発、設計技術を確保する重要性など、様々な御意見があったと聞いております。
こうした様々な御意見や国際情勢などを踏まえて、半導体の国内製造基盤確保に向けて、今月末には半導体政策の今後の方向性を取りまとめて、早急に実行に移してまいりたいと思いますし、党内でも議員連盟ができたということは、半導体の重要性というものを皆さんが認識をしているということ、そしてカーボンニュートラルを実現するためにも、例えば省エネの方ですね、非常に重要な分野でありますから、電力の消費を少なくするという点でパワー半導体の開発であるとか、そういったものがデータセンターの省エネ化にもつながるということでもありますから、いろんな政策と関連をしているということ、さらにまたこれは国家安全保障の観点も含めて、製造の基地というものを各国が置きたがっているということもありますから、海外とも連携しながらも、日本としてしっかりとしたサプライチェーンを築いていくことは重要であると思っています。

経済安全保障

Q:今の質問にも関連するんですけれども、自民党のルール形成戦略議員連盟が昨日経済安全保障についての官民協議会の新設などを盛り込んだ提言をまとめました。これについて大臣の受け止めと経済産業省としての対応をお聞かせください。

A:自民党のルール形成戦略議員連盟において、サプライチェーン強化などの経済安全保障を巡る課題を話し合う官民協議会の創設等を内容とする提言が取りまとめられたものと承知をしております。米中対立の激化などの国際情勢の変化を受けて、サプライチェーンの強化など、経済安全保障の確保は、より一層その重要性を増しているものと認識をしております。
このような認識の下、これまで経済産業省では企業に対して自社のサプライチェーン上のリスクについて精緻に把握することを求めるとともに、機微技術管理に関する各国の政策動向を発信するなど、産業界との緊密なコミュニケーションを重ねてきているところであります。
ルール形成戦略議員連盟の提言も踏まえて、引き続き国家安全保障局等の関係省庁と連携しながら、経済安全保障の確保に協力、貢献をしてまいりたいと考えています。

燃料電気自動車

Q:ちょっと別件になるのですけれども、燃料電池車についてお伺いします。
今、経済産業省の方で車検と高圧ガス保安法との二重検査を見直す検討が行われていると思いますが、検討の進捗状況と改めて規制見直しの意義、普及拡大に向けた期待をお聞かせください。

A:グリーン化、デジタル化の中で従来の規制がその進展を阻害しているものもあろうかと思います。そういったものをもう一回見直していく中の一つが今あなたがおっしゃったFCVの関係であると思っています。
燃料電池車において搭載される高圧ガス容器は、経済産業省の所管する高圧ガス保安法、車両全体は国土交通省が所管する道路運送車両法によって、それぞれ規制をされているということです。産業界からは、かねてより規制の一元化が要望されているということです。
経済産業省では国土交通省とも連携をして、業界団体、有識者を交えた燃料電池自動車等の規制の在り方検討会を令和3年4月に設置をし、一元化に向けた議論を進めているところであります。本年の6月には大枠の方向性を取りまとめる予定ということにしております。
燃料電池自動車の普及加速に向けて、各種支援策と併せて安全性の確保を大前提としつつ、必要な規制改革について引き続き取組を進めてまいりたいと思っています。

IEA・2050ネットゼロに向けたロードマップ

Q:よろしくお願いします。
IEAが先日2050年のネットゼロに向けたロードマップを示しました。その中で化石燃料の新規の開発を停止するべきだというふうにしているんですが、日本政府としては、開発技術の引き上げという方向で検討していると思うのですが、大臣としての受け止めと今後の政府の方針についてお聞かせください。

A:今回策定されましたIEAのロードマップ、世界全体でのネットゼロ実現に向けたシナリオについて、一つのモデル分析に基づいてエネルギー需要やエネルギーミックスの変化についてまとめたものでもあります。
例えば、化石燃料への新規投資の停止や石炭火力の全廃といった、具体的なシナリオ内容については日本政府と一致しない部分があることも事実であります。IEA自身も、2050年ネットゼロの実現に向けては様々な不確実性があるという中でのモデル分析ということだと思っております。
ネットゼロを達成できる単一の道筋はないということは常々ビロル事務局長もおっしゃっていることでありまして、大体大筋の話でこういうことが起こるんじゃないかなということでのシナリオの内容だったと思っております。各国がそれぞれの状況を考慮して、独自の戦略を策定することが必要としているところでもあります。
また、このロードマップは各国の政策を拘束するものではないということであります。日本として2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、エネルギー安全保障の確保を含め、日本のエネルギー事情を踏まえつつ、引き続き着実に取り組んでまいりたいと思っておりますし、2050年のカーボンニュートラルは宣言をしました、それに向かって、ゴールは同じところ、ということですけども、その途中に見える景色はそれぞれの国によって違うと思います。そして、考え方もまるっきりエネルギーから電源から全て替えてしまうという考え方もありますし、大気中に地球温暖化ガスを放出しない、そのためには、それを回収をするという手もあります。さらに、化石燃料ではなくて例えば内燃機関を使うにしても、e-fuel等の開発も進んでいる。現に航空機はe-fuelやバイオ燃料を使っているということで、ヨーロッパが主体になってそういうこともやってるわけでもありますので、ルール決めの中でこれからしっかりと議論をしてまいりたいと思いますし、これは一つの指針として出ているものだと思っております。

G7環境・気候大臣会合

Q:G7関連で1点。各国それぞれ事情があるというお話を大臣がされて、各国からは何か反応とかはあったんでしょうか。一定の理解は示されたのかどうか。

A:事務方でも議論をしております。そして、昨日は大臣会合ということで私も発言をさせていただきました。私の発言にも一定の理解を得られているものだと思っております。その上で、今また事務方、今日も議論をしておりますけれども、一緒にどういった形で声明を発表できるかということを今、議論しているところだと思っております。それぞれの安全保障というのが関わってくるわけですね。日本が全て皆さんが言うように、皆さんというか、ほかの国が言うように、資源のない国がその有用な資源を幾つも放棄してしまったときに、本当に安定供給、そしてカーボンニュートラルを実現する手前の段階でしっかり日本の産業等が生き延びていけるかということも考えていかなくちゃならないということですから、ルールにのっとった上で、しっかりと議論をしていきますよという話をしていますし、私どもの考え方というのも何が何でも全てだということではなくて、限定的な意味合いも含めていろんなお話もさせていただいておりますので、そういった中で理解が得られるものだと思っております。

以上

最終更新日:2021年5月28日

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