(令和3年9月10日(金曜日)11時26分 於:本省会見室)

冒頭発言

ハイチ地震被害に対する支援

【茂木外務大臣】まず私(大臣)の方から1点。ハイチの地震被害に対する支援の関係でありますが、本日8月14日に、ハイチで発生しました地震の影響を受けた人々に対して、325万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定いたしました。
 マグニチュード7.2の地震によりまして、現在なお約65万人がハイチでは緊急人道支援を必要としていると、こういう状況にあることから、日本はWFPやUNICEFなどの国際機関を通じて、食料、水・衛生分野等の支援を行うことといたしました。
 日本としては、引き続き、ハイチの復興に向けて協力をしていく考えであります。私(大臣)からは以上です。

自衛隊の役割(9・11から20年)

【読売新聞 福田記者】明日で米国の同時多発テロ、9・11から20年となります。この間の、日本の自衛隊の役割拡大についての評価とご所見を伺えればと思います。

【茂木外務大臣】2001年9・11、起こった当日、私(大臣)は、ちょうどアフリカのブルキナファソにおりまして、非常に、CNN等々の画像で、ワールドセンタービルが倒れていくという、非常に衝撃をもって見ておりました。
 テロとの戦い、これはそれ以降、大変重要な課題になってきた、9・11以降、自衛隊は、補給の支援、人道復興支援、国連PKO、海賊対処、緊急援助、能力構築支援など、海外において様々な国際貢献を行い、それぞれの活動において求められる役割を果たし、国際社会からも非常に大きな評価を得てきたと考えております。
 PKO法が成立する当時、国会でもいろいろな意見がありました。ただ、20年以上がたった今、自衛隊のPKO活動、国内外から非常に高い評価を受けている、これも間違いない事実だと、こんなふうに考えているところでありまして、今後も自衛隊が国際社会の平和と安定のために、積極的に貢献していく、こういったことを期待いたしております。

東京電力福島第一原発ALPS処理水(国際社会からの理解)

【ラジオ・フランス 西村記者】福島第一原発の処理水について質問させていただきます。処理水を海に放出する前に、日本はどんなプロセスで、海外の国々や、NGOの理解を得るつもりでしょうか。勿論、IAEAは、安全性を確認すると言われていますが、IAEAは海への放出を数年前から推進する機関なので、一部の国やNGOは信用しない可能性があります。それでもIAEAの評価だけでも十分だと思いますか。

【茂木外務大臣】まず、ALPS処理水の取扱いについて、先日決めたのは政府としての基本方針ということでありまして、仮に海洋放出を行うとしても、それはだいたい2年後以降のことになります。それまでの間に、国際社会に対する丁寧な説明であったりとか、科学的根拠に基づいて、その安全性、しっかり確認していく、こういったことが極めて重要だと思っております。
 各国政府等に対しては、外交ルートを通じた説明であったり、プレスに対する説明はもちろんでありますが、関連ウェブサイトを通じた発信等、今後、更に強化をして、日本の方針について、広く内外の理解を得る努力を継続していきたいと思います。
 IAEAについてお話がありましたが、IAEA、これは原子力を使う国連の専門機関でありまして、ご案内のとおり173の国が加盟する、普遍性のある国際機関であると理解をいたしております。その信頼性については、定評があると、そのように考えておりまして、今般訪日しました担当の次長も今後、「客観的、科学的に評価する」としておりまして、ALPS処理水の安全性等についても、中立的かつ科学的な観点から確認をいただけると、このように考えております。

今後の外交日程(国連総会等)

【NHK 山本記者】今後の外交日程について伺いたいんですけれども、まず、今月下旬に国連総会がありますけれども、菅総理、どのように対応されるのか、また茂木大臣、ニューヨークに行かれるということも検討されているのか、お願いします。

【茂木外務大臣】日本から国連総会に誰が出席するか等について、現時点で決まっていないところであります。今、各国から首脳であったり、また外相であったり、どういうレベルが参加するか、こういったことについても確認をとっているところであります。
 一方、総理の訪米につきましては、一つにはその日米豪印、これ、3月に、日米豪印の初めてになります首脳テレビ会議においても、年内の対面での日米豪印の開催、これが合意されているところであります。日米豪印、これは我が国が提唱してきました「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を進める上でも、重要な取組であると思っております。
 また日米豪印で話し合うべき様々な課題の重要性であったり、首脳間の個人的な信頼関係の構築といった観点から、必要な感染対策を講じつつ、対面で率直に議論を行うことは、大変意義があると思っております。
 その上で、このクワッド、この具体的な日程については、現在、最終調整段階だと、このようにお考えください。