令和3年8月31日

 8月31日(現地時間同日)、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて、我が方、松田邦紀駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使と先方ズルフィカール・ハイダル・パキスタン経済省次官補(Mr. Zulfiqar Haider, Additional Secretary to the Government of the Islamic Republic of Pakistan, Ministry of Economic Affairs)との間で、無償資金協力「人材育成奨学計画」(供与限度額3.12億円)及び「シンド州における母子保健医療施設拡充計画」(供与限度額34.45億円)に関する書簡の交換が行われました。

 各案件の概要は、それぞれ以下のとおりです。

  1. 「人材育成奨学計画」
     この計画は、パキスタンの若手行政官等が、我が国で学位(修士または博士)を取得するために必要な学費等を供与するものです。
     この協力により、令和4年度に最大で修士課程20名及び博士課程2名のパキスタンの行政官等が自国の開発や発展に必要な各分野の専門的知識を習得し、帰国後、同国政府の政策立案等に貢献することが期待されます。また、日・パキスタン間の相互理解及び友好関係の強化につながることが期待されます。
  2. 「シンド州における母子保健医療施設拡充計画」
     パキスタンは、南アジア地域において母子保健・医療体制が最も脆弱な国の一つであり、特にシンド州は、パキスタンの中でも母子保健に関する整備が最も遅れている州の一つとされています。同州ハイデラバード県の中核病院であるリアクアット大学病院においても、年々増加する患者数に対し、特に新生児・小児病床が絶対的に不足しており、また、リスクを伴う出産に対する体制も十分ではなく、母子保健医療体制が特に脆弱な状況です。
     この計画は、リアクアット大学病院において、母子保健センターを新設し、医療機材の整備を行うものです。この計画により、同病院の母子保健に関する診断・治療体制が強化され、もってパキスタンにおける母子を対象とした保健・医療サービスの体制強化及び質の向上が期待されます。

 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ)、人口2.17億人(2019年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,280米ドル(2020年、世界銀行)。キルギス共和国は、面積約19.85万平方キロメートル(日本の約半分)、人口約650万人(2020年、国連人口基金)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,240米ドル(2019年、世界銀行)。