令和3年8月23日

 イラン・イスラム共和国を訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間8月23日午前10時30分(日本時間15時)から約60分間、ホセイン・アミール・アブドラヒアン次期外相(H.E. Dr. Hossein Amir Abdollahian, Foreign Minister-designate of the Islamic Republic of Iran)との間で会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、茂木大臣から、アミール・アブドラヒアン氏の外相指名に祝意を述べつつ、ライースィ新大統領の就任直後にイランへの訪問を実現できたことは、日イランの伝統的友好関係の証である旨述べました。また、茂木大臣は、イランにおける新型コロナ対策及びワクチン接種が喫緊の課題であることを踏まえ、先月、日本で製造された約290万回分の新型コロナウイルスワクチンをイランに供与したことに触れ、イランにおける感染の抑制に資することを期待する旨述べました。
     これに対し、アミール・アブドラヒアン次期外相からは、茂木大臣のイラン訪問を歓迎し、茂木大臣をお迎えでき嬉しく思う旨述べました。また、日本からの新型コロナワクチンの供与に関し、謝意が表明されました。
  2. 茂木大臣から、核合意を一貫して支持してきた日本の立場に基づき、イランが、早期の核合意復帰に向けて建設的に取り組むよう求めました。アミール・アブドラヒアン次期外相からは、イラン政府の立場について説明があり、双方は、引き続き緊密な意見交換を継続していくことで一致しました。
  3. 茂木大臣から、海上安全保障と航行の安全を確保することの重要性及び同分野での我が国の取組について述べた上で、日本関係船舶を含む船舶の安全な航行確保のため、沿岸国としての責任を全うするよう求めました。また、茂木大臣は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた日本の考え方について述べたのに対し、アミール・アブドラヒアン次期外相からは、イランとしても航行の安全確保を重視しており、そのために取り組むとの発言がありました。
  4. また、双方は、アフガニスタン情勢についても意見交換を行いました。
  5. 双方は、二国間関係についても意見交換を行い、日本とイランは様々な分野で協力を拡大してきており、ライースィ新政権との間でも二国間関係の強化及び更なる拡大に努めていくことで一致しました。