(令和3年8月22日(日曜日)15時34分 於:イラン)

冒頭発言

【茂木外務大臣】前回の会見の後からになりますが、トルコそしてイラク、さらには、今イランを訪問しております。明日は、今回の中東訪問で最後の訪問国となりますカタールに向かう予定であります。
 
まず、現下のアフガニスタン情勢について、中東地域の大国であり、アフガニスタンと強い結びつきのあるトルコそしてイラン、さらに地政学的に重要な場所に位置するイラクとの間で、更なる不安定要因の拡大とならないように連携していくことで一致をいたしました。情勢についてもですね、様々な有意義な意見交換を行うことができたと思っております。
 個別の国の話でありますが、トルコでは、エルドアン大統領を表敬したほか、チャヴシュオール外相と会談を行いました。130年以上にわたる両国の友好関係を基礎に、「戦略的パートナー」として政治・経済・文化と多岐にわたる二国間関係の更なる強化を確認したほか、法の支配に基づく国際秩序を含みます様々な課題を議論するための日トルコ海洋協議の立上げで一致をしたところであります。
 安全対策上の事情から事前の発表は控えましたが、昨日、私自身としては18年ぶり、日本の外務大臣としては15年ぶりにイラクを訪問いたしました。イラクとの間では、イラクの平和と安定の実現に向けて、日本が支援を継続していく姿勢を改めて強調しました。また、地域の緊張緩和に向けた協力を確認するとともに、日本企業も進出をしております、日本企業の取組を後押しするため、安全確保・環境整備等に向けた働きかけを行ったところであります。
 そしてここイランでありますが、今月上旬に新大統領が就任したばかりのイランでは、対面会談を行った初めての主要先進国、さらにアジアの外国要人として、ライースィ大統領等と意見交換を行い、日本とイランの伝統的な友好関係を今後も強化していくことを確認しました。また、私から核合意の遵守への復帰を働きかけ、中東地域の緊張緩和と情勢安定化に向けて地域の大国として、貢献するようイラン側に働きかけたところであります。アミール・アブドラヒアン次期外相でありますが、ちょうど先ほど議長表敬の時もですね、同席をしておりましたが、その後ですね、外相承認の国会プロセスがあるということで国会の方に出ております。それが終わったらこの後会談する予定であります。
 これから訪問するカタールですけれど、日・カタール外交関係樹立50周年の機会を捉えて、LNG等の安定供給を含みます経済面に加えて、政治・安全保障面での関係強化を図っていきたいと考えております。
 中東情勢が大きな動きを見せる中で、いずれの国でも、長年にわたって中東の平和と繁栄に貢献し、各国・地域と強固な関係を築いてきた日本の中東地域へのコミットメントを改めて強調することができました。加えて、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、法の支配に基づく国際秩序の重要性を確認することができ、さらにアフガニスタンとの様々な関係を持つ各国とアフガニスタン情勢についても意見交換するなど、大変有意義な訪問になった、そのように考えております。

質疑応答

【記者】先ほどイラン含めてトルコ、イラクとですね、アフガニスタン情勢について不安定要因の拡大にならないように一致したとお話されてましたけれども、今後その三カ国と日本の協力のあり方、どのような話をされたのか、またどういうことが考えられるのかそのあたりを教えてください。

【茂木大臣】今お話があった三か国でありますが、アフガニスタン、タリバーンも含めですね、さまざまなルートを持っております。現下のアフガニスタン情勢について懸念をですね、それぞれ共有したところでありまして、さらなる不安定要因とならないように連携して行くことで一致をみました。ご案内の通り、今、情勢、刻々と動いているところでありまして、今後様々な連携というのが考えられると思いますが、適時適切に連携していきたい、こういったことを各国との間で確認してまいりました。