令和3年8月4日

EAS外相参加者映像

発言する茂木外務大臣

オンライン会議全景

 8月4日、午後8時00分から2時間30分、オンライン形式にて、第11回東アジア首脳会議(EAS)参加国外相会議(議長:エルワン・ブルネイ第二外務大臣)が開催され、日本側から茂木敏充外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

  1. 新型コロナ対策
     茂木大臣から、日本は、COVAXワクチン・サミットの共催を含めたCOVAXファシリティへの財政的支援、日本で製造したワクチンの供与やコールドチェーン整備等の取組を実施しており、安全で有効なワクチンへの公平かつ公正なアクセスの実現に向け、国際的な取組を主導していく意図を改めて表明しました。
  2. 地域情勢
    (1)東シナ海及び南シナ海
     茂木大臣から、東シナ海及び南シナ海において、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されており、強く反対する旨述べました。また、南シナ海における法の支配や紛争の平和的解決の重要性を改めて強調し、比中仲裁判断は当事国によって遵守されるべき旨を述べました。更に、南シナ海に関する行動規範(COC)は国連海洋法条約に合致する必要があり、南シナ海を利用する全てのステークホルダーの正当な権利や利益が擁護される必要がある旨述べました。

     各国からも、南シナ海における航行・上空飛行の自由の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言がありました。

    (2)香港及び新疆ウイグル自治区
     茂木大臣から、香港情勢及び新疆ウイグル自治区の人権状況に対する深刻な懸念を表明しました。また、香港が一国二制度のもとで、自由で開かれた体制を維持し、民主的、安定的に発展することが重要であり、香港の市民・企業の自由と権利が尊重されるべき旨述べました。

     いくつかの国からも、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況を懸念する旨の発言がありました。

    (3)北朝鮮
     茂木大臣から、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、「瀬取り」対策を含め、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨述べるととともに、拉致問題に関し、各国の引き続きの理解と協力を求めました。

     各国からも、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性に関する発言がありました。

    (4)ミャンマー情勢
     茂木大臣から、ミャンマー情勢への重大な懸念を表明するとともに、「5つのコンセンサス」を暴力停止や対話開始に向けた前向きな一歩としてとらえており、本日、エルワン・ブルネイ第二外相がASEAN特使に任命されたことを歓迎し、我が国としてエルワン特使の活動を全面的に支援する旨述べるとともに、特使が早期に活動を開始し、当事者間の対話など、早期の進展を期待する旨述べました。

     また、人道支援に関し、ミャンマーの人々への食料・生活物資等の支援を実施しているほか、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)への協力を引き続き実施していく旨述べました。

     各国からも、ミャンマー情勢について、ASEAN特使の任命を歓迎するとともに「5つのコンセンサス」の迅速な実施に向けて協力していくこと及びミャンマー国民への人道支援の重要性について言及がありました。

  3. 自由で開かれたインド太平洋
     茂木大臣から、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)と「インド太平洋に関するASEANアウトルック」(AOIP)は本質的な原則を共有している旨改めて述べ、AOIPの進展につながる具体的な協力をAOIPの重点分野で進めていくことを表明しました。
  4. 結語
     最後に、茂木大臣から、開催中の東京オリンピック競技大会について、各国のアスリートの活躍にお祝いを述べるとともに、引き続き世界最高の競技を繰り広げることを期待している旨述べました。