(令和3年8月3日(火曜日)10時37分 於:本省会見室)

冒頭発言

タイ及びラオスへの新型コロナ支援

【茂木外務大臣】私(大臣)の方からのまず1点。
 タイ及びラオスでは、新型コロナが急拡大し、医療体制が極めて逼迫した状況にあります。こうした状況を受けまして、日本は、タイに酸素濃縮器775台、また、ラオスに対しては、酸素濃縮機、吸引器及び患者用モニターをそれぞれ100台供与することを決定いたしました。
 なお、COVAXファシリティを通じたラオスへの60万回分のワクチンの供与につきましては、本日ラオスに向けて発送する予定であります。私(大臣)からは以上です。

タイ及びラオスへの新型コロナ支援

【NHK 渡辺記者】大臣の今のご発言の関係ですけれども、今回、タイとラオスに対して支援を行うということですけれども、この日本としての改めて狙いと、今後のこうした世界各国に対する支援の在り方はどのように考えてらっしゃるのか、その辺をもう少しお願いします。

【茂木外務大臣】今、世界的に新型コロナの拡大、これが続いていると、こういった中で、昨年来、日本として様々な医療機器であったりとか物資、特に保健・医療体制が脆弱な途上国に対する支援というものを行ってまいりました。
 その上で、本年に入りましてから、やはりワクチン、これが極めて重要になってくるという中で、ワクチンの生産から国際的な調達・分配、そして最終的には、このワクチンを接種現場まで届けていく、そういった中で、日本としてどういう貢献ができるか、特にCOVAXを通じた途上国を含めた各国への、公平なワクチンのアクセスのための枠組みを主導すると。同時に、日本で十分なワクチンの供給ができている、余剰分について現物供与の形もとりながら、東南アジア諸国を始め、感染が急拡大し、ワクチンが不足している国に届ける。更には「ラスト・ワン・マイル支援」、こういったことも続けてきているわけであります。
 ここにきて、感染が急拡大してきている国において、酸素濃縮機等々も不足をしているということで、インドであったり様々な国に対して、こういった支援をしているところであります。
 もちろんASEANであったり、東南アジアに限るものではありませんけれど、日本として戦略的に、また、同時にできるだけ多くの、そういったニーズの高い国に対して必要な支援、こういったことは継続していきたいと思っております。

ベラルーシ五輪陸上選手の亡命希望

【ロイター通信 竹中記者】ベラルーシの短距離選手、チマノウスカヤさんのことで、お伺いいたします。
 まず、現在の本人の心身の健康状態などを把握されていれば、教えていただきたいということと、それから明日、ワルシャワ直行便で向かうというふうに、支援団体の方は述べていらっしゃいますが、日本政府の現状認識を教えていただけますでしょうか。
 それと、ポーランド、それからベラルーシ政府から、日本政府への何らかのメッセージがあれば、どういったもの、どういったメッセージが来ているのか。最後に…。

【茂木外務大臣】ごめんなさい、ちょっと今の部分は分からなかったのですけど。

【ロイター通信 竹中記者】今回のことで。

【茂木外務大臣】ちょっと長いんで、一つか二つにしてもらって、また次以降に。四つも五つも、大学の試験問題じゃないんで、一つか二つをまず言ってください。

【ロイター通信 竹中記者】失礼しました。

【司会】いったんお席にお戻りください。

【ロイター通信 竹中記者】繰り返さなくて大丈夫ですか。

【茂木外務大臣】繰り返してください。

【ロイター通信 竹中記者】分かりました。まず、ご本人の心身の健康状態のこと、それから、明日、ワルシャワに直行便でということを、支援団体の方は述べられていますが、政府のご認識を教えていただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】まず本件につきましては、8月1日、ご指摘がありましたベラルーシの陸上選手、亡命希望とこれを自ら公表しまして、8月1日の夜から、組織委員会やIOCなど関係機関にて、本人の意向確認などの対応を行ったと承知をしております。
 同氏は第三国への亡命を希望していると聞いておりまして、関係機関の協力を得て、同人の身柄の安全確保に努めているところであります。政府として、引き続き、関係機関と連携しつつ、適切に対応していく考えであります。
 現在、同氏は安全な状況に置かれておりますが、事柄の性質上、これ以上の詳細については申し上げられません。

北方領土問題(共同経済活動に関するロシア側の提案)

【NHK 渡辺記者】度々すみません、日露関係でお伺いしたいと思います。先月下旬に、ロシアの首相が北方領土の択捉島を訪問しました。その際に、関税の特区を設置するような話をしていましたけれども、その後の日露のやり取り、情報収集の中で、日本側としてロシア側の提案、どういったものが把握されているのかということと、そうした状況の中での大臣としまして、今後の平和条約交渉、どういった形で進めていきたいのか、その辺の今後の方針、考え方をお願いいたします。

【茂木外務大臣】7月23日にプーチン大統領が言及しました共同経済活動に関する提案について、その後ロシア側から詳細な説明というのがあったわけでありませんが、北方四島における経済活動については、政府として、プーチン大統領の発言について、留意をいたしております。
 共同経済活動を更に具体化すべく、我が国の法的立場を害さないことを前提として、引き続き、様々なレベルで協議を進めていきたいと考えております。それ以上のことにつきましては、北方領土へ訪問があった後の質問でお答えしたとおりです。

東京オリンピック(韓国独自の食事センター)

【テレビ朝日 澤井記者】話は変わりますが、韓国の東京オリンピック選手団が独自の給食センターを設置していることについてお伺いします。復興五輪という理念の中で、福島県産の食材やお花の風評被害払拭、安全性の発信というのが一つの目的であったと思うんですが、こうした韓国選手団の行いによって風評被害が助長されているという見方もあって、福島県知事も苦言を呈されています。このことへの大臣の受けとめと、また一部の報道で、政府側から韓国側に対応の是正を求めたというものがありますが、その事実関係について教えてください。

【茂木外務大臣】韓国選手団に限らず、今回のオリンピックに関して、各国選手団の東京五輪参加をめぐって様々な報道というのはあるわけであります。外に出てどうしていたとか、いろいろなことも含めて、その一つひとつについて、外務大臣としてコメントすることは控えたいと思いますが、この東京オリンピック・パラリンピック決定をした際に、復興五輪と位置づけ、まさにちょうど復興から10年が経ち、各国からも様々な支援をいただきながら、しっかりと復興した東北・福島の姿を見てもらう。そしてまた、被災地の農林水産品、これが安全であると、こういったことを世界に向けてもアピールする機会、こんなふうにしていきたい、こういう趣旨をこの大会において貫いているわけでありまして、韓国側には、今述べたような政府の立場、お伝えいたしております。

ベラルーシ五輪陸上選手の亡命希望

【ロイター通信 竹中記者】追加で、先ほど同じ件なんですが、2問質問をさせていただきます。選手ご本人、これ日本滞在中に起こった事案ですが、日本政府、日本国民などへ、何かメッセージというものが伝えられるものがあれば、お聞きになっていらっしゃれば教えていただけますでしょうか、これが一つ。もう一つが、当事国であるベラルーシ、それから、ポーランド政府から日本政府へ何らかのメッセージというのは来ておりますでしょうか。

【茂木外務大臣】先ほど全体像について申し上げました。その上で、事柄の性質上、これ以上の詳細については申し上げられないというふうにお話ししていると思います。