令和3年5月14日

 外務省は、令和2年10月から令和3年1月にかけて、米国、中南米7か国、欧州5か国において対日世論調査を行ったところ、結果概要は以下のとおりです。

米国
 外務省は、ハリス社(米国)に委託して、令和2年12月から令和3年1月にかけて、米国における対日世論調査を行いました。本件調査は、18歳以上の1,013名を対象とした「一般の部」(インターネット調査)と、各界(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働組合等)で指導的立場にある200名を対象とした「有識者の部」(電話調査)に分けて実施しました。

  • (1)日米関係について「極めて良好」又は「良好」とする割合は、一般の部で74%(昨年度63%)、有識者の部で98%(昨年度67%)となりました。また、対日信頼度については、一般の部では70%(昨年度85%)、有識者の部では96%(昨年度89%)が「日本は信頼できる友邦である」と回答しました。
  • (2)アジア及びその周辺地域の中で「米国にとり最も信頼できるパートナー」を有識者に問う設問では、36%(昨年度48%)が日本と回答し、日本が各国の中で最上位となりました。
  • (3)日米安全保障条約については、「維持すべき」との回答が一般の部で70%(昨年度73%)、有識者の部で88%(昨年度93%)となりました。また、同条約が東アジアの平和と安全に「非常に貢献している」及び「ある程度貢献している」との回答(有識者の部)が、85%(昨年度88%)となり、さらに、有識者の部において、日米安全保障条約は米国自身の安全保障にとって「極めて重要である」及び「ある程度重要である」と回答した割合も94%(昨年度92%)となりました。日本は防衛力を増強すべきと考えるかとの質問については、「現状維持が良い」という回答が最も多く、一般の部で37%、有識者の部で60%でした。
  • (4)日米経済関係について、日本は米国経済に「良い影響を与えている」と回答したのは、一般の部で約50~60%(貿易63%、投資59%、雇用創出48%)となりました。また、有識者の部で、米国経済に最も貢献しているのはどの国かとの質問については、日本はいずれも上位5か国(貿易4位、投資2位、雇用創出3位)に挙げられました。

中南米
 外務省は、エーデルマン・データ・インテリジェンス社(シンガポール)に委託して、令和2年10月、中南米7か国(アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビア、トリニダード・トバゴ、ブラジル、ボリビア、メキシコ)において対日世論調査を行いました。本件調査は、18歳から64歳までの2,300名(メキシコ及びブラジルは各400人、その他は各300人)を対象にインターネット調査により実施しました。(注:前回調査は平成29年度に実施。)

  • (1)対日関係については、7か国全体で70%(前回72%)が「とても友好的な関係にある」又は「どちらかというと友好的な関係にある」と回答し、対日信頼度については、7か国全体で74%(前回70%)が「とても信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答しました。
  • (2)戦後75年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うかとの質問に対しては、82%(前回79%)が「大いに評価する」又は「ある程度評価する」と回答しました。
  • (3)日本が世界経済の安定と発展にどの程度重要な役割を果たしていると思うかという質問に対しては、82%(前回72%)が「非常に重要な役割を果たしている」又は「やや重要な役割を果たしている」と回答しました。
  • (4)世界の平和維持や国際秩序の構築に対する日本の積極的な貢献については、89%(前回78%)が「とても役立つと思う」又は「どちらかというと役立つと思う」と回答しました。
  • (5)移住して来た日本人や日系人が地域社会の発展に貢献していると思うかという質問に対しては、72%(前回73%)が「貢献している」又は「どちらかといえば貢献している」と回答しました。

欧州
 外務省は、エーデルマン・データ・インテリジェンス社(シンガポール)に委託して、令和2年10月から12月にかけて、欧州5か国(英国、フランス、ドイツ、イタリア、ハンガリー)において対日世論調査を行いました。本件調査は、各国において18歳から69歳までの500名を対象にインターネット調査により実施しました。(注:前回調査は平成30年度に実施。)

  • (1)対日関係については、5か国全体で70%(前回69%)が「とても友好的な関係にある」又は「どちらかというと友好的な関係にある」と回答し、対日信頼度については、67%(前回66%)が「とても信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答しました。
  • (2)戦後75年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うかとの質問については、77%(前回78%)が評価すると回答しました。
  • (3)世界の平和維持や国際秩序の構築に対する日本の積極的な貢献については、77%(前回74%)が「とても役に立つと思う」又は「どちらかというと役に立つと思う」と回答しました。
  • (4)インド・太平洋地域において、安全保障及び経済関係における重要なパートナーである国(地域)を選ぶ質問(複数回答)では、46%(前回40%)の回答者が日本を選択し、米国(37%)を上回り1位となりました。
  • (5)今回調査で新たに設定した、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえて、欧州が連携を強化すべき域外のパートナーを選ぶ質問(複数回答)では、47%の回答者が日本を選択し、米国(45%)を上回り1位となりました。