1 刑事参考記録とは

 刑事参考記録とは,刑事裁判の記録のうち,刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料に当たるものを,法律で定める保管期間が満了した後も保存する制度です(刑事確定訴訟記録法第9条)。

2 刑事参考記録の指定について

 刑事被告事件に係る訴訟の記録は,訴訟終結後は,当該被告事件について第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁において保管しています。
 刑事参考記録の指定は,記録を保管している検察庁の長からの上申に基づいて,法務大臣が行います。刑事参考記録として指定する記録には以下のものがあります。

 ア 死刑に処する裁判により終結した被告事件
 イ 国政を揺るがせた犯罪に係る被告事件
 ウ 犯罪史上顕著な犯罪に係る被告事件
 エ 重要な判例となった裁判がなされた被告事件など法令の解釈適用上特に参考となる被告事件
 オ 無罪の裁判により終結した被告事件のうち重要なもの
 カ 検察審査会による起訴をすべき旨の議決に基づいて公訴が提起された被告事件
 キ 全国的に社会の耳目を集めた犯罪に係る被告事件であって特に重要なもの
 ク その他当局において刑事参考記録として保存する必要がある旨通知した被告事件

 この刑事参考記録の指定について,弁護士会,裁判所,学術経験者の方など,外部の方からの要望を受けたときは,検察庁の長は,法務大臣への上申に当たり,その要望を十分にしん酌することとされています。 

3 刑事参考記録アドバイザーについて

 刑事局において,刑事参考記録アドバイザーに協力いただき,刑事参考記録の適切な指定や保存等に関し,専門的知見に基づく意見を求めることとしました。

4 要望の申出方法について

 刑事参考記録としての保存の要望は,「刑事参考記録保存要望申出書」により,当該記録を保管している検察庁にその旨を申し出てください。
 なお,要望書に具体的な理由の記載がない場合,刑事参考記録としての保存の必要性の判断ができないことから,要望を受け付けかねますので,必ず記載願います。