令和3年5月12日

 5月11日(NY時間)、国連は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて科学技術イノベーション(STI)の観点から議論を行う「STIフォーラム」に対して助言等を行う「10人委員会」のメンバーを発表し、川合眞紀自然科学研究機構分子科学研究所長が選出されました。

 我が国政府は、これまで委員を務めてきた中村道治科学技術振興機構(JST)顧問に引き続き、アントニオ・グテーレス国連事務総長が日本人の委員を選出したことを歓迎すると共に、科学分野で国際的にも顕著な実績を積んでこられた川合所長の知見が、SDGs達成に向けたSTIの活用に関する議論の更なる進展に繋がることを期待します。

  • (1)2015年9月に国連で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダにより、SDGsの実施を促進するため、技術円滑化メカニズム(TFM:Technology Facilitation Mechanism:ア 持続可能な開発目標(SDGs)のための科学技術イノベーション(STI)に関する国連機関間タスクチーム(以下、IATT)、イ SDGsのためのSTIに関するマルチステークホルダーのフォーラム(以下、STIフォーラム)及びウ オンライン・プラットフォーム)が立ち上げられた。
  • (2)「10人委員会」(世界各国の市民社会、民間セクター、科学界から構成され、事務総長により任命される。任期は2年)は、同委員会はIATTに対し、STIフォーラムの準備、STIフォーラムのサマリー作成、ハイレベル政治フォーラムへのブリーフィング等において、見解、指導、助言を与える。日本からはこれまで中村科学技術振興機構顧問が2018年から2021年5月まで国連10人委員として、STI for SDGsロードマップ策定を中心に、活発に貢献してきた。

 STIフォーラムは、年1回、政府、科学者、イノベーター、起業家、市民社会等の様々なステークホルダーが、持続可能な開発の実施を巡るSTI協力について議論する場。これまで2016年から5回実施されている(2020年はコロナ感染症拡大により中止、本年はオンラインにて開催)。

 1985年に理化学研究所に入所。2004年から東京大学教授を務め、2010年から2015年まで同研究所の理事を務めた後、2016年に自然科学研究機構分子科学研究所長に就任。2020年9月から科学技術外交推進会議委員を務めている。