令和3年4月14日

 4月13日、経済協力開発機構(OECD)は、2020年(暦年)のOECD開発援助委員会(DAC)メンバーのODA実績(暫定値、贈与相当額計上方式)を公表しました。

  1. 我が国のODA実績は、米ドルベースで前年比4.4%増の162億6,621万ドル(円ベースでは前年比2.2%増の1兆7,366億円)となりました。
  2. DACメンバーのうち、EUを除く29か国のODA実績合計は1,612億米ドル(前年は1,517億米ドル)となり、我が国の実績は、前年と同じく、米国、ドイツ、英国に次ぐ第4位となりました。
  3. 前年に比べ実績が伸びた主な要因は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を踏まえた、アジア太平洋地域を中心とする経済活動の維持・活性化のための、新型コロナ危機対応緊急支援円借款の供与等による二国間の有償資金協力(円借款等)の増加等が挙げられます。
  4. なお、ODAの対国民総所得(GNI)比について、我が国の値は0.31%(前年は0.29%)と増加し、DACメンバー中、第12位(前年は第13位)と順位を上げました(DACメンバー全体では0.32%(前年は0.30%))。
[参考1]

DACにおいては、2018年実績から、標準のODA計上方式として贈与相当額計上方式(Grant Equivalent System:GE方式)が採用されている。GE方式は、有償資金協力について、贈与に相当する額をODA実績として計上するものであり、贈与相当額は、支出額、利率、償還期間等の供与条件を定式に当てはめて算出され、供与条件が緩やかであるほど額が大きくなる。
 日本の有償資金協力は額が大きい上に供与条件が緩やかであるため、日本の2020年実績の場合、従来使用されてきた支出純額方式に比べ、GE方式では、約2割大きく計上される。

[参考2]DAC指定為替換算レート

2019年:1米ドル=109.0459円
2020年:1米ドル=106.7624円