日時 令和3年3月12日(金曜日)9時31分~9時44分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 国家公務員倫理規程違反に関する調査について
  • 東日本大震災からの復旧・復興について

 

記者

  幹部の接待問題についてお伺いします。大臣は10日の衆院農水委員会の中で、業界からの接待に関して、職員約150人を対象に追加の調査をするというふうな方針を表明されました。具体的な調査内容ですとか、調査の手法、調査結果をまとめる時期の見通しについて教えていただけますでしょうか。

大臣

  先に行いました倫理に関する調査では、アキタフーズ関係者との会食に参加していた者が、いずれも生産局長及び畜産部の管理職であったことを踏まえまして、吉川元大臣の在任期間中の畜産関係の幹部職員等を対象に行ったところであります。他方で、吉川元大臣と秋田元代表の起訴を受けまして、様々な御指摘があることも踏まえまして、今般、養鶏・鶏卵行政の公正性に影響を及ぼした可能性のある会食がなかったか、より広い範囲で徹底的に把握する追加調査を実施することといたしました。今回の追加調査では、吉川元大臣の在任期間に限らず、歴代に遡って畜産部の室長級以上の者、特に、第三者委員会の検証対象となっているアニマルウェルフェア、公庫融資、鶏卵生産者経営安定対策事業に関係するポストにつきましては、課長補佐級以上の者につきまして、約150名を対象に調査を行うことといたしました。聴取内容につきましては、国家公務員倫理規程上問題のないものも含めて、期間を限らず、過去に遡って養鶏・鶏卵事業者との会食の機会を幅広く把握するとともに、養鶏・鶏卵事業者以外の畜産事業者との会食の機会についても、念のため把握することといたしております。また、今般の違反事例は、政治家が同席した場合における当省職員の認識の甘さに起因していたことも踏まえまして、政治家と畜産事業者が同席した会食の機会についても併せて把握することといたしております。追加調査の結果は、第三者委員会における検証に活かすとともに、調査を行っていく中で、ルール違反が疑われる事例が明らかになった際には、国家公務員倫理審査会に報告して、しかるべき対応を取っていく考えであります。調査結果、いつ出るかという話ですが、今申し上げましたとおり、調査対象約150人と多数に上ります。また、畜産関係者との会食等が確認された場合には、費用負担に関する事実関係について、これも詳細な調査を行う必要がありますので、調査には一定の期間は要するものと考えております。

記者

  調査というのは、対象の方からの聞き取りということでよろしいんですか。

大臣

  聞き取り調査を、まずはするということです。それを踏まえて、今申し上げたとおり、事実関係に必要な詳細な調査も行っていく必要があるということです。

記者

  アキタフーズの一件では、幹部の方は、当初ですね、政治家が支払っていたという認識だったというふうな御説明だったのが、一転して接待を受けたというふうな結論になったと思うんですけれども、聞き取りだけで十分だというふうな御認識なんでしょうか。

大臣

  幹部の認識は、そういう認識だったということであります。それを基にしてですね、調査を進めた結果、あのような処分になったということであります。

記者

  今回の調査も、聞き取りだけでなくて、何と言いますか、具体的に調べると。

大臣

  今申し上げたとおり、聞き取りをしまして、更に必要な調査があれば、詳細な調査を行っていくということであります。

記者

  先日、閣議決定された復興の基本方針でですね、食品の放射性物質の規制を検証するという方針が盛り込まれました。また、自民党の方ではですね、さらに踏み込んで、野生のキノコとか山菜、ジビエといったですね、摂取量が極めて少ないものについては、合理的な別の基準を検討すべきではないかというような提言もまとめましたけれども、農水省としては、この方針の党にですね、どう対応していくか、教えてください。

大臣

  農林水産省としましては、食品中のですね、放射性物質の基準値ですとか、出荷先の規制につきましては、食品衛生を所管した、制度の中心を担います厚労省に対しまして、引き続き、現場の実態についての情報ですとか、データを届けまして、適切な議論が進められるように連携して取り組んでまいりたいと思います。今、お話ありました、野生キノコ等を対象にした放射性物質の、例えば、非破壊検査機器につきましては、厚労省において実用化に向けた研究を行っておりまして、農水省でも、キノコのサンプルを提供するなど、この研究開発に協力をしているところであります。引き続き、厚労省の研究開発に協力するとともにですね、地方自治体からの要望も踏まえまして、非破壊検査機器の導入支援を図るなど、安全性の確認された野生キノコ等の出荷の促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

記者

  追加調査の関連で二つ伺います。まず1点はですね、今回、現役職員のみが対象という理解で大丈夫でしょうか、追加調査の150人というのは。

大臣

  そうですね、はい。

記者

  これはOBに、例えば聞いたりはしないんでしょうか。

大臣

  現役の職員が対象ということであります。

記者

  OBに聞かないのは、これはなぜでしょうか。

大臣

  退職したOBはですね、国家公務員倫理の審査の対象にはなりません。一方でですね、第三者検証委員会につきましては、養鶏・鶏卵行政の公正性につきまして幅広く検証いただくものでありますので、特定の第三者の働きかけという点につきましては、養鶏・鶏卵行政の公正性という観点から検証いただくものになると考えております。

記者

  OBの方でですね、クルーザーの接待を受けたとかですね、アキタフーズとの関連を指摘されてる方もいるんですけども、そういう意味では、歴史的経緯を踏まえる上で、お話を当然聞いてもいいのかなと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

大臣

  これは、今申し上げましたとおり、第三者委員会でですね、養鶏・鶏卵行政の公正性について幅広く検証いただきますので、そういう特定の第三者から働きかけがあったという点につきましても、公正性という観点から、検証いただくものになると考えております。

記者

  もう1点ですが、今回、畜産部を中心にですね、アキタフーズの話の出てきた延長線上で追加調査の対象を決めてると思うんですが、全く無関係のですね、アキタフーズ以外からの会社とかですね、そういったところからの供応接待を含めて、全省的に調べるとかですね、そういった検討は、この間されたんでしょうか。

大臣

  今回の追加調査はですね、養鶏・鶏卵行政の公正性の検証の観点から、これまでの調査等で明らかになった課題に的確に対応していると思っておりまして、幅広く十分な調査になっているものと考えます。このため、養鶏・鶏卵業者等ですね、他の畜産関係者との関わりが薄い他の職員について、現時点で調査を行う考えはありませんが、今回の追加調査で、広範に課題が見られるようであれば、更なる調査も含めて必要な対応を取っていくとともに、具体的に、国家公務員倫理審査違反に問われる事案があれば、個別に徹底した調査を行っていきたいと考えております。

記者

  総務省でも、当初の企業とは違って、NTTのような形でですね、他のものが出てきた訳ですけども、そういう意味で、幅広に最初から聞くということはされないということでしょうか。

大臣

  今、申し上げましたとおり、今回の追加調査、これ養鶏・鶏卵行政の公正性の検証の観点からですね、明らかになった課題に対して行うものでありまして、幅広く十分な調査になっているものと考えます。

記者

  2点ありまして、震災からの復興で2点。農業のですね、農林漁業の復興対策もですね、今後課題になるということで、政府共通認識あると思うんですが、福島を中心に風評対策ということもあると思います。それを今後、具体的にどう進めていかれるかという点と、あとトリチウム水を含んだ原発の処理水の問題があると思うんですけども、これについて、風評被害を助長するんじゃないかという懸念もあると思うんですけども、現状の対応と今後の考え方を教えてください。

大臣

  まず、風評払拭に向けてのお話でございますが、風評払拭に向けて、農林水産省では、平成23年4月以来ですね、「食べて応援しよう!」と、このキャッチフレーズの下で、被災地産食品の販売フェアですとか、あるいは社内食堂での積極的利用の運動を継続して展開をしております。また、福島県がですね、県内生産者等と連携して取り組んでおります第三者認証GAPですとか、水産エコラベルの取得の促進ですとか、あるいは農林水産物の放射性物質検査の推進ですとか、あるいは流通実態調査、商談会の開催といった販売促進などですね、生産から流通販売に至るまでの総合的な支援を行っておりまして、流通事業者・消費者に対して、福島県産の食品の安全性ですとか、魅力に関する情報を幅広く発信をしてまいりたいと思います。また、海外に向けましてもですね、引き続き、在外公館によります情報発信の強化ですとか、あるいはジェトロによる福島県産を含む日本産農林水産物・食品のオンライン商談会の実施等の支援を行っているところでございます。
  また、処理水の話でありますが、福島第一原発事故以来ですね、復興に懸命に取り組んでおられる皆様のですね、御労苦、今、本当に御労苦とですね、御心配をおかけしているところであります。ALPS処理水の取扱いにつきましては、これまで、昨年2月にALPS小委員会が報告書をまとめたことを踏まえて、様々な方々と意見交換を重ねてまいりました。福島県の農林水産関係者はじめですね、広く国民の皆様から貴重な意見をいただきつつ、議論を積み重ねてきていると考えております。こうした議論も踏まえまして、廃炉・汚染水対策チームの梶山チーム長から各省庁に対して、風評による影響を最大限抑制する処分方法ですとか、モニタリング、経済対策含めた具体的な風評対策、あるいは国内外への丁寧な情報発信といった論点について検討を深めるよう要請がありまして、農林水産省としても、従来から行っている風評対策の効果を見極めつつ、今、検討を深めているところであります。復興に向けた農林漁業者の努力を妨げないことを最優先にしてですね、できる限り安心いただけるような処理水の処分方法ですとか、周辺環境のモニタリング強化などの風評被害対策を検討していくべきだと考えております。

報道官

  では以上で終了します。ありがとうございました。

以上