令和3年1月7日

核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第3回閣僚会合の開催(結果)1

核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第3回閣僚会合の開催(結果)2

1月6日、鷲尾英一郎外務副大臣は、核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第3回閣僚会合にテレビ会議形式で参加しました。概要は、以下のとおりです。

  1. 本会合は、アイマン・サファディ・ヨルダン副首相兼外務・移民大臣(H.E. Mr. Ayman SAFADI, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and Expatriates of the Hashemite Kingdom of Jordan)、アン・リンデ・スウェーデン王国外務大臣(H.E. Ms. Ann LINDE, Minister for Foreign Affairs of the Kingdom of Sweden)及びハイコ・マース・ドイツ連邦共和国外務大臣(H.E. Mr. Heiko MAAS, Federal Minister for Foreign Affairs of the Federal Republic of Germany) が共催したものです。
  2. 本会合では、アントニオ・グテーレス国連事務総長(H.E. Mr. Ant?nio Manuel de Oliveira Guterres, Secretary-General of the United Nations)から、ストックホルム・イニシアティブの取組への評価等が述べられた後、核軍縮を進展させる上での優先事項及び2021年の見通し並びに第10回NPT運用検討会議に向けた活動等について議論が行われました。
  3. 鷲尾外務副大臣からは、安全保障環境の悪化や核軍縮に関する各国の見解の相違等の厳しい状況の中、核兵器の非人道性と安全保障環境の二つの観点を考慮しながら、現実的かつ具体的な措置を地道に進めていくことの重要性を訴え、こうした措置の一つとして、我が国が昨年の国連総会に提出し、150か国の幅広い支持を得て採択された核兵器廃絶決議を紹介し、同決議で示した論点について今後議論を進めていくことを呼びかけました。 また、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する我が国の強い懸念を表明するとともに、関連する安保理決議の完全な履行の重要性を強調しました。
  4. 各国は、第10回NPT運用検討会議に向け、引き続き協力して取組を進めることで一致しました。

[参考1]核軍縮とNPTに関するストックホルム・イニシアティブ会合概要
スウェーデンは、第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に向け、各国の閣僚レベルが積極的に関与し、行動することが必要との立場から、2019年6月11日、問題意識を共有する非核兵器国16か国(注)による「核軍縮とNPTに関するストックホルム会合」を開催(我が国からは河野外務大臣(当時)が出席)。また、2020年2月には、ベルリンにて第2回会合が開催された(我が国からは小笠原軍縮代大使が出席)。さらに、同年6月には、テレビ会議形式で閣僚会合が開催された(我が国からは若宮副大臣(当時)が出席)。
(注)アルゼンチン、インドネシア、エチオピア、オランダ、カザフスタン、カナダ、韓国、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ヨルダン

[参考2]核兵器不拡散条約(NPT)
(1)概要
1968年に署名開放され、1970年に発効(25年間の時限条約)。我が国は1970年署名、1976年批准。1995年にNPTの無期限延長に合意。NPTは、核軍縮・不拡散体制の基礎となる、核兵器国を含む最も普遍的かつ重要な条約となっている。

(2)条約の目的と内容
ア 核不拡散:米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。
(参考)条約第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」
イ 核軍縮:各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。
ウ 原子力の平和的利用:原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定するとともに(第4条1)、原子力の平和的利用の軍事技術への転用を防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。

(3)NPTへの加入状況
締約国は191か国・地域(2021年1月現在)。非締約国はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダン。