令和2年12月24日
農林水産省

農村地域や農業に人材を呼び込み、地域や農業を発展させていくためには、女性が活躍できる状況が必要です。 農林水産省は、女性農業者が活躍できる環境を整えるための具体的方策を検討するため、本年7月に、女性農業者、学識経験者、ジャーナリスト等で構成される、「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」を立ち上げました。 今般、本検討会において、報告書が取りまとめられましたので、公表いたします。
女性農業者対策に関する検討会において報告書がとりまとめられたのは、平成4年の「農山漁村の女性に関する中長期ビジョン懇談会」以来28年ぶりです。

1.検討会の経緯

農村地域や農業に人材を呼び込み、地域や農業を発展させていく上で、女性の農業経営への参画と地域農業に関する方針策定への参画の推進が重要です。
しかし、経営参画や地域農業の方針決定への参画に必要なスキルの向上、活動時間の確保について、女性の場合は、周囲の理解が得られず、 スキルアップや様々な地域の集まりの機会へのアクセスがしにくいといった特有の課題があります。
こうした課題を解決するため、 本年12月に第5次男女共同参画基本計画が策定されることも見据え、本年7月に、榊田みどり氏(農業ジャーナリスト・明治大学客員教授) を座長に「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」を立ち上げ、農村における意識改革や、女性が体系的に農業経営、 組織マネジメント等を学ぶことができる環境づくりを進め、地域をリードする女性農業者を育成していくための具体的な方策について、 幅広い視点から検討してきました。
今般、本検討会において、農業における女性の活躍推進ために取り組むべき対策を提言する報告書が取りまとめられましたので、公表いたします。

2.ポイント

1992年に策定された農山漁村の女性に関する中長期ビジョンでは、 「自分の生き方を自由に選択し、自分の人生を自身で設計し、その結果、自信と充実感を持って暮らしている」 女性を「めざそうとする女性の姿」としていました。 本報告書では、農業において、めざそうとする姿をまさに実現している女性農業者が増加している一方で、 現在も依然として様々な課題が残っており、リーダー層以外では女性農業者の能力発揮を妨げる状況が続いていると指摘しました。 また、中長期ビジョン策定以降、何が達成され、何が達成されていないかを総括し、今後の女性のさらなる活躍を推進する上での課題と、 その解決に向けて取り組むべき対策について以下のとおり提言されました。
農林水産省としては、本報告書で提言された対策について、具体的な実施方法等を検討した上で、順次取り組んでまいります。

<報告書における主な提言>

1. 農村における意識改革
〇研修・会合等において、案内の宛先への夫婦両方の名前や子の名前を記載、女性農業者向け会合等における託児サービスの提供、 介護サービスを利用しやすくするための早期の案内発出
〇家族経営協定について、農業高校生や経営継承者等への周知、ライフステージに応じた協定内容の見直し等の推進

2. 女性農業者の学び合い・女性グループ活動の活性化
〇都道府県・市町村に女性農業者向けの一元的相談窓口の設置
〇女性グループの活動の発掘、グループをつなぐ横断的ネットワークづくりの推進
〇子育て、介護支援に係る情報発信

3. 地域をリードする女性農業者育成・地域農業の方針策定への女性の参画
〇女性リーダー育成研修、女性の横断的交流の推進
〇農業委員やJA役員への女性の登用について、都道府県・市町村における具体的な目標の設定
〇女性登用と組織の収益向上に係る客観的調査の実施
〇市町村・農業委員会で、地域での話合いにおける女性参画目標を設定

4. 女性農業者に係るプラットフォーム機能の強化
〇農林水産省女性活躍推進室がプラットフォームとして、他省庁、都道府県、市町村、JA、農業委員会、全国農業会議所等と連携強化
〇10年を目安にレビューを実施

3.参考資料

本検討会の資料及び議事概要は、以下のURLより御覧になれます。
https://www.maff.go.jp/j/study/women_empowerment/index.html

【添付資料】

報告書「女性農業者が輝く農業創造のための提言~見つけて、位置づけて、つなげる~」(PDF : 1,105KB)
報告書概要 (PDF : 289KB)

お問合せ先

経営局就農・女性課女性活躍推進室

担当者:担当者:植杉、藏田
代表:03-3502-8111(内線5207)
ダイヤルイン:03-3591-5831
FAX番号:03-3593-2612