令和2年12月23日

 12月22日(現地時間同日)、モルドバ共和国の首都キシニョフにおいて、我が方、片山芳宏駐モルドバ共和国日本国特命全権大使と先方アウレリウ・チョコイ外務・欧州統合大臣(H.E. Mr. Aureliu CIOCOI, Minister of Foreign Affairs and European Integration)との間で、供与額1億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

  1. モルドバにおいては、経済移民がイタリアから帰還した影響等により新型コロナウイルスの感染が広がっており、5月に緊急事態宣言が解除された後も感染が拡大し続けています。感染者が増加傾向にある一方、同国の医療体制は脆弱であることから、保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、モルドバに対し、移動式X線撮影装置等の保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
  2. 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
  3. 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。更に、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。
[参考]モルドバ共和国基礎データ
モルドバの面積は約3万3,843平方キロメートル(九州よりやや小さい)、人口は約268.2万人(2019年、モルドバ国家統計局)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)は3,930米ドル (2018年、世界銀行)。