令和2年10月23日
水産庁

国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所において、9月下旬より10月中旬にかけ、公海および日本EEZ内でサンマの分布量について追加調査を行いました。東経151度~154度の水域にサンマの分布が確認されたものの、その魚群の密度は低いと推測されました。これらには、今年の6月から7月に東経175度以東に分布していた魚群も含まれていると考えられますが、魚群の量は少ないことから、既報のとおり、今年の来遊量は2019年を下回るものと考えられました。

1.追加調査の趣旨

国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所は、9月26日から10月13日にかけてサンマ追加調査を実施しました。
今年夏(6月~7月)の調査は、新型コロナウイルス感染症の影響により調査海域を縮小して実施しました。このため、調査を実施できなかった海域にサンマが分布し、これらのサンマが我が国周辺海域に来遊している可能性もあることから、その来遊状況を把握することを目的として、今回追加調査を行ったものです。

2.調査結果の概要

・追加調査は、9月26日~10月13日にかけ、北海道道東沖から公海にかけてトロール調査、魚群探知機等による魚群の確認及び目視調査を行いました。トロール調査は12点で行い、そのうち東経151度から154度の7カ所でサンマが採集されました。
・採集されたサンマは合計1,847尾(213kg)で、一番多く採集された調査点は公海上の北緯43度31分、東経153度40分で、採集されたサンマは592尾(66kg)でした。
・漁獲されたサンマは1歳魚(29cm以上)が82.9%でした。

図1

図1.令和2年9~10月に実施された表層トロール漁獲試験によるサンマ調査の結果。円の大きさは、漁獲個体数、×は漁獲のなかった調査点を示す。

・これらのサンマは、6月から7月に実施した調査時に調査できなかった東経175度以東の海域に分布していた魚群も含まれていると考えられます。
・しかし、来遊している魚群は量的に少なく、7月31日に発表した予報どおり、今年の来遊量は2019年を下回るものと考えられました。
・毎日の調査結果は翌日までにサンマの漁業者に提供されました。
・なお、調査ではサンマのほか、マイワシ(16,437個体、798.5kg)、マサバ及びゴマサバ(5,817個体、446.1kg)が多く採集されました。

【参考】
〇調査期間
・9月26日~10月13日
〇使用船舶
・北海道大学水産学部附属練習船     おしょろ丸(1,598トン)
〇調査方法
・表層トロールおよびスキャニングソナーによるサンマ分布海域の把握、海洋観測、餌生物の採集、目視等。

調査結果の詳しい内容については、水産研究・教育機構のプレスリリースを御覧ください。

(参考)
水産研究・教育機構プレスリリースリンク「令和2年度サンマ追加調査の結果について」https://www2.fra.go.jp/xq/sanma_press/20201023sanma/

お問合せ先

漁場資源課国際資源班
担当者:富永、清水、屋敷
代表:03-3502-8111(内線6803)
ダイヤルイン:03-6744-2380
FAX番号:03-03-3592-0759

(追加調査の詳細についてのお問合せ先)
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
担当者:水産資源研究所水産資源研究センター広域性資源部
           巣山
電話番号:0178-33-3411
FAX番号:0178-34-1357