(令和2年10月9日(金曜日)20時00分 於:モンゴル)

冒頭発言

【茂木外務大臣】皆さんこんばんは。モンゴルでは本年7月のフレルスフ第二次政権が発足したところでありますが、発足間もないこの時期に、重要な戦略的パートナーでありますモンゴルを今日から訪問しております。
 今日、到着後すぐにですね、フレルスフ首相への表敬を行いました。非常に和やかな中でですね、有意義な表敬になったと思っております。今月15日の統一地方選直前で首相お忙しい中でありましたが、自ら私(大臣)を歓迎してくださったことに感謝を致しております。その後、エンフタイワン外相との間で会談を行いました。エンフタイワン外相との間では、2022年の外交関係樹立50周年を見据えて、同年に「戦略的パートナーシップのための中期行動計画」を新たに策定することについて合意を致しました。
 また、地域情勢について意見交換を行い、拉致問題を含む北朝鮮への対応に関して、引き続き協力していくことを改めて確認をさせていただきました。そして、新型コロナで経済的影響を受けたモンゴルを支援するため、250億円の緊急支援円借款に関する交換公文に今、署名をしたところであります。
 この後、エンフタイワン外相とワーキングディナーを行いまして、引き続き地域情勢、国際条裡での協力等について、意見交換を行いたいと思っております。明日はバトトルガ大統領を表敬する予定であります。
 今回、新政権が発足して間もない両国の間で、「戦略的パートナーシップ」の一層の強化を改めて確認できたこと、また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を共に推進をしていくことを再確認できたことは、極めて有意義であったと考えております。今後とも、モンゴル政府と緊密に連携をし、両国の「戦略的パートナーシップ」を更に発展をさせていきたいと考えております。私の方からは以上です。

質疑応答

【記者】北朝鮮との関係についてお伺い致します。モンゴルは北朝鮮との外交関係もあって、拉致問題の観点からも重要な国だと思いますが、具体的に拉致問題についてどういったやりとりがなされたのかご紹介をお願い致します。

【茂木外務大臣】外相会談におきましては、私から、北朝鮮情勢を巡る現状についての評価、申し上げた上で、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、安保理決議の完全な履行の重要性を強調致しまして、この点の認識、エンフタイワン外相と一致を致しました。また、拉致問題、一刻の猶予もない問題であります。モンゴルにこれまでもですね、様々な形で協力をしていただいておりますが、引き続きこの問題に早期解決に対する理解、そしてまた、支持を受けたところでありまして、引き続き緊密に連携していくことを確認致しました。

【記者】「自由で開かれたインド太平洋」についてはどういった意見交換があったんでしょうか。モンゴル側からの支持はあったんでしょうか。また、南シナ海ですとか東シナ海を巡る情勢についての懸念などの表明はあったんでしょうか。

【茂木外務大臣】「自由で開かれたインド太平洋」、これはまさに自由、民主主義、人権、法の支配など、普遍的な価値観を共有するモンゴルとは、重要な戦略的パートナーとして、これまでも緊密に連携をしてきたものであります。
 「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、我が国はこの地域における法の支配の普及、そして定着において、モンゴルが果たす役割も重要と認識をし、その旨申し述べたところであります。
 今回の首相表敬、そして外務大臣との会談におきまして、「ウランバートル新国際空港」が両国間の協力の新たなシンボルとして、地域の「空」の連結性を高めていくことへの期待を共有するとともに、開港と運営に向けた協力について議論を行ったところであります。
 モンゴル側としても「自由で開かれたインド太平洋」、これにつきましては全面的に賛同をしているところでありまして、引き続きしっかりと協力していきたいと思っております。

【記者】先程お伺いしました、南シナ海、東シナ海を巡る情勢についてのモンゴル側からの懸念の表明というのはあったんでしょうか?

【茂木外務大臣】先程申し上げたようにですね、地域情勢について、きっちりと議論を行っているところであります。日本の立場もしっかり伝え、そして、モンゴルとも連携をしていきたいと考えておりますが、外交上のやり取りでありますから、詳細については控えたいと思います。

【茂木外務大臣】村上春樹さん、残念だったと思いますけれど、WFP、ノーベル平和賞受賞、本当に素晴らしいことだ、こんなふうに思っておりまして、今後も日本としてですね、WFPとの協力、さらに強化していきたい、こんなふうに思っています。