令和2年10月12日

 10月9日(現地時間同日)、ブルキナファソの首都ワガドゥグにおいて、我が方、加藤正明駐ブルキナファソ日本国特命全権大使と先方アルファ・バリー・ブルキナファソ外務・協力大臣 (H.E. Alpha BARRY, Minister of Foreign Affairs and Cooperation of Burkina Faso)との間で、総額6億円となる2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。対象案件の概要は、次のとおりです。

1 無償資金協力「経済社会開発計画」(供与額3億円)
 ブルキナファソでは、新型コロナウイルス感染症を受け、感染の可能性がある症例者への対応にあたって、医療機器の不足が深刻な中での重症化した患者への対応等が大きな課題となっています。
 この計画は、ブルキナファソに対し患者用モニター、高濃度酸素発生器等の保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。更に、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。
 我が国は、2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、UHC拡大とアフリカ健康構想の推進を表明しており、この協力は同表明を具現化するものです。

2 無償資金協力「食糧援助」(供与額3億円)
 ブルキナファソは、2019年の世界飢餓指数で5段階中3番目に深刻な「Serious」のカテゴリーに位置づけられ、深刻な食料事情が続いています。また、2019年には一部の地方で干ばつが発生したほか、今年の4月以降は洪水による作物への被害が発生しています。さらに、昨今の治安情勢の推移により、耕作地を捨てて避難する国内避難民が増加しており、穀物生産は依然厳しい状況にあります。
 この協力は、食料不足に直面している同国に対し、食料安全保障の改善、栄養状態の改善等を目的として、我が国の政府米による食糧援助を実施するものです。
 我が国は、2019年8月に開催したTICAD7において、「強靱かつ持続可能な社会の構築への貢献」を表明しており、この協力は同表明を具現化するものです。

[参考]ブルキナファソ基礎データ
 ブルキナファソの面積は274,200平方キロメートル(日本の約70%)。人口は1,975万人(2018年、世銀)、1人当たり国民総所得(GNI)は670米ドル(2018年、世銀)。