令和2年9月7日

 9月7日、午後3時35分頃から約20分間、茂木敏充外務大臣は、プラヴィン・クマール・ジャグナット・モーリシャス首相(Honorable Pravind Kumar Jugnauth, Prime Minister of the Republic of Mauritius)と電話会談を行いました。

  1. 冒頭、茂木大臣から、困難な状況下で今回の油流出事故に対応してきたモーリシャスの政府と国民に敬意を表するとともに、日本政府としてもこの事故を重く受け止めていること、モーリシャスの要請を受け、直ちに国際緊急援助隊を派遣し、資機材を提供してきており、専門家の派遣を継続する旨述べました。
  2. その上で、茂木大臣は、モーリシャスの今後の復旧と復興のための課題は、環境の回復や経済・社会の幅広い分野に及ぶものと認識している、この観点から、今後、迅速かつ、中長期的な視点で、協力を進めたいとの考えを伝えました。
  3. 具体的には、モーリシャスの要望も踏まえ、(1)事故再発防止のための海上航行安全システム、油流出事故に関する初動体制の強化等への協力、(2)汚染された環境の回復のためのマングローブ林保全・再生の専門家派遣、サンゴ礁等の環境モニタリング、生態系の再生等への協力、(3)地域住民、特に零細漁業者の生計回復のための漁業関連資機材の提供や沿岸漁業振興協力等について迅速に協力を進めていく考えを伝えました。
  4. また、茂木大臣は、モーリシャスの経済の回復・発展を後押ししていくために必要なその他の協力についても、財政面を含めてモーリシャスに寄り添う形で検討したい、また、貿易投資セミナーの開催や、状況が許せば、観光・貿易を促進するために官民合同ミッションの派遣等、これまでにない規模で協力していきたい旨伝達しました。
  5. これに対し、ジャグナット首相から、日本のこれまでの迅速な国際緊急援助隊の派遣や資機材の供与に対する謝意が示されるとともに、コロナ対策のための日本の支援に対しても改めて謝意の表明がありました。また、ジャグナット首相からは、油流出事故により汚染された環境の回復のみならず、コロナ禍以来打撃を受けている経済の回復も喫緊の課題であり、今日の日本政府からの申し出に改めて心から感謝するとともに、引き続き日本の協力を得ていきたい旨の発言がありました。更に、ジャグナット首相から、今回の事故については日本の責任と考えておらず、そのような中でも、国際緊急援助隊の派遣や今回の支援の申し出等様々な協力に感謝している旨発言がありました。
  6. 茂木大臣とジャグナット首相は、モーリシャスの環境や経済・社会の回復・発展のため、引き続き両国で緊密に連携していくことで一致しました。