2020年6月12日

経済産業省では、企業等における健康経営の取組をさらに促進するため、令和元年9月から「健康投資の見える化」検討委員会を開催し、健康投資やその効果の見える化に向けた検討を実施してきました。この検討に基づき、企業が健康経営を効果的に実施し、資本市場をはじめとした様々な市場と対話するための枠組みを示す「健康投資管理会計ガイドライン」を策定し、本日公開しました。

1.策定の背景

健康経営を進める上で、定期健康診断やストレスチェックといった労働安全衛生法等に基づいた、単なる義務的な健康管理を行うだけでなく、企業等が行う労働生産性の向上といった経営課題解決のために必要な健康の保持・増進に向けた取組を追加的に行い、企業等の内部でPDCAサイクルを回すこと及びその取組を外部へ発信することが重要となっています。

これまで、国は健康経営の取組の方向性について『企業の「健康経営」ガイドブック』(平成28年4月改訂第1版 経済産業省策定)等の手引きを作成するとともに、2014年度から健康経営度調査及び企業等の健康経営を顕彰する取組を実施してきましたが、今後は、民間主導の取組の更なる活発化が求められており、その一助になることを期待して「健康投資管理会計ガイドライン」(以下、「本ガイドライン」という。)を策定しました。 

2.「健康投資管理会計ガイドライン」の概要

本ガイドラインは健康経営度調査等のこれまでの取組を踏襲しつつ、企業等が従業員等のために創意工夫し、健康経営をより継続的かつ効率的・効果的に実施するために必要な内部管理手法を示すとともに、取組状況について企業等が外部と対話する際の共通の考え方を提示するものです。

本ガイドラインでは、管理会計の手法により、活動を行う費用とその活動によって得られる効果を認識するために量的・金銭的指標を用います。健康の定義は幅広いものであり、量的・金銭的指標だけでその全てを表しきることはできないものの、量的・金銭的指標によって「見える化」をすることで、個人も組織も健康をより良くするための合理的な判断や行動をとる一助となります。また、「見える化」することで、従業員・事業主・地域社会・株主等の異なる立場のステークホルダーが健康について共通の理解や認識を醸成し、対話することも可能となります。

主に健康経営に取り組み始めていて、効果分析や評価方法を模索している企業が利用することを想定しており、企業等は本ガイドラインを活用して健康投資管理会計を作成することで、以下の観点からメリットを享受できると考えられます。

  1. 内部機能:健康経営をより継続的かつ効率的・効果的に実施することができる。

  2. 外部機能:健康経営の取組状況について、外部と適切に対話することができる。

3.ガイドライン策定を策定したことによる効果

企業等が本ガイドラインを活用し自主性、積極性及び柔軟性を持って健康経営に取り組み、特に資本市場をはじめとした様々市場から適切に評価を受けることで、健康経営の考え方がさらに広まり、我が国の企業文化として定着していくことを期待しています。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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