(令和2年6月2日(火曜日)14時24分 於:本省会見室)

G7サミット(ロシア復帰の可能性)

【産経新聞 力武記者】G7サミットについてお聞きします。先日ですね,トランプ大統領がG7にロシアやオーストラリアなどを加えてですね,G11にしたいという意向を示されましたけれども,ロシア入りに関しては,すでにイギリスやカナダが反対を表明しています。こうしたそのG7の拡大について日本政府としてはどういう立場なのかということと併せて,これまでに米国側に対してどのように日本政府の考え方を伝えておられるのか,お聞かせいただけますか。

【茂木外務大臣】今年のG7首脳会議の日程,そして開催の形式については,議長国である米国側が引き続き調整中であると,そのように承知をいたしております。
 その上でですが,国際的な課題の対応に当たって,ロシアの建設的役割を引き出すために,ロシアとの対話と関与は必要であるというのが,我が国の基本的な認識であります。
 これまでのG7の首脳会議においては,アウトリーチとしてメンバー外の国や国際機関が招待されることも多々ありまして,例えば昨年のビアリッツ・サミットでは,アフリカ諸国,チリ,インド,豪州,国際機関の代表等が招待されたと承知をいたしております。
 本件については,引き続き,議長国であります米国を始め,他のG7メンバー国とも意思疎通をしていきたいと思っております。

IMFによるレバノン支援

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)

 アラブ・ニュース・ジャパンは,日本が国際通貨基金(IMF)を通じたレバノンへの緊急援助への同意とカルロス・ゴーン氏の引き渡しを関連付けているとの在レバノン日産弁護士の発言を報じています。これは日本政府の新たな立場ということでしょうか。日本は,レバノンに対するIMFを通じた緊急援助とカルロス・ゴーン氏の引き渡しを関連付けているのでしょうか。

【茂木外務大臣】
(以下は日本語にて発言)

 レバノンがシリア難民の流入や経済危機,そして新型コロナウイルスの感染拡大に直面している現状や,中東地域全体の情勢に鑑みれば,レバノンを一層不安定化させるような状況を作り出すことは,現時点では避けるべきものだと考えております。

米国のWHOからの脱退表明

【時事通信 丸橋記者】トランプ大統領の発言に関してなんですけれども,先日,WHOからの脱退意向というものが表明されました。この件に関してですね,まず日本政府としてどのように受け止めているのかということと,仮に米国が脱退した場合に,より一層中国のWHOへの影響力というのは増すのではないかと懸念されますが,この場合,米国に対して再考を促したりとかですね,そういったことを日本政府としてやるのですか。

【茂木外務大臣】我が国として,他国と国際機関の関係についてコメントする立場にありませんが,いずれにしても,新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中,今回のような世界に甚大な影響を与える感染症に対して,国際社会が一体となって対策を講じる必要があると考えております。
 同時に,今後の同様の感染症の拡大といったことを考えるときに,事態が一定程度落ち着いた段階で,WHOに関して,公平で独立した包括的な検証がなされる,このことは各国のWHOへの信認を高める上からも,必要なことだと考えております。

安倍総理の対独戦勝75周年記念式典出席の可能性

【朝日新聞 佐藤記者】今月の6月24日に,ロシアで対ドイツ戦勝75年記念式典が予定されておりますけれども,午前中の委員会でも同様の質問が出ていたかと思うんですけれども,その際,大臣は首脳会談の重要性についても,ご指摘されたと思うんですけれども,いま一度,式典への出席に関する政府のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】委員会で明確にお答えしていると思うのですが,不明確な点があったら教えてください。

【朝日新聞 佐藤記者】すみません,不明確というほどではなかったんですけれども,もう少し知りたいというふうに思ったのは,首脳会談を6月末という時期にですね,コロナ感染とかもあるかと思うんですけども,この時期に行うということについて,どれほど前向きに捉えておられるのか,その辺のニュアンスをもう一度教えていただきたかったんですけれども。

【茂木外務大臣】申し上げられることと,申し上げられないことがあります。

韓国に対する輸出管理措置

【東亜日報 キム記者】さっき,韓国側から輸出規制,輸出管理問題について,WTOに提訴するという発表がありました。もちろんこの担当は経済産業省ですけれども,外交的にも考えられると思います。これについて,外務大臣としてどう受け止めておられますか。そして,今後の対応についてもお聞きしたいです。

【茂木外務大臣】輸出管理の問題,これまで輸出管理当局間で対話が継続してきたにもかかわらず,韓国側が一方的にかかる発表を行ったことは遺憾であると考えております。輸出管理の見直し,これは輸出管理制度の整備やその運用実態に基づいて行われるべきである,この考えに変わりはありません。

G7サミット(9月開催)

【共同通信 高尾記者】先ほど質問がありましたG7サミットについて関連でお伺いします。今年の議長国であるトランプ大統領は,自身のツイッターに,当初「6月開催を検討」と書き込んだと思います。これが9月以降に延期されるということになったわけですけれども,そのこと延期自体についてはどのようにお考えでしょうか。大臣のご見解をお聞かせください。

【茂木外務大臣】先ほどお答えしたように,本年のG7首脳会議の日程については議長国である米国が引き続き調整中であると,そのように承知をしております。

全米におけるデモの激化

【NHK 山本記者】米国で続いている抗議デモについてなんですけれども,菅官房長官が午前中の会見で,一部の日本企業に被害が出ているということをおっしゃっておりましたけれど,もし,その被害の情報詳細について把握している情報あれば教えていただきたいのと,率直に,この抗議デモが続いている現状について,大臣,どのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

【茂木外務大臣】米国で続いている抗議行動に関して,邦人の被害,これは確認されておりませんが,一部の日本企業に被害が及んだと承知をいたしております。もちろん,日本企業をターゲットにした被害ということではないと思いますが,在米公館において,引き続き緊張感を持って,情報収集・発信に努め,邦人・日本企業の安全確保に万全を期してまいりたいと,このように考えております。
 海外で起こった事件とか様々な動きを,リアルタイムでテレビを通じて報道される。確か1963年のケネディ大統領の暗殺,これが最初であったと思います。それ以来自分自身,世界での様々なニュース,デモであったり,騒乱であったり,様々な動きというものを目にしてきました。それについては個人的に様々な思いを持っておりますが,今は,事態を注視していると,このことに留めたいと思います。