(令和2年5月1日(金曜日)11時46分 於:本省会見室)

冒頭発言

航空機等が停止された地域における邦人の出国・帰国

【茂木外務大臣】毎回報告させていただいております出国・帰国の方の人数でありますが,これまでの出国・帰国をされた方,8,470名になります。引き続き出国・帰国を希望されている方が約30か国,ちょっと国数は減ってきたと思います,約30か国で約500名いらっしゃいます。これらの方のうちに連休明けの5月7日までに,出国・帰国を予定している,目途が立っている方が350名という形になります。
 特に5月の4日には,ペルーから現地の旅行会社によります民間チャーター便によりまして,約60名が出国をする予定であります。さらに来週には,アルジェリアから本邦企業手配のチャーター便により,約30名が出国する予定であります。
 引き続きこういった状況について,しっかりとフォローし,また必要な支援を行っていきたいと思っております。

新型コロナウイルス感染症(長崎停泊中のクルーズ船乗員の帰国)

【朝日新聞 佐藤記者】長崎に停泊中のイタリアのクルーズ船についてなんですけれども,今,その乗員の帰国に向けて,外務省と運航会社の方で協議中ということなんですけれども,何か帰国時期の目途などがありましたら教えていただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】今ですね,特に四つ五つの国については乗員の方が多いわけでありまして,そういった国を中心にしながら,旗国そして運航国でありますイタリア,さらには乗員の国籍,多い国とも調整を進めております。かなり目途が立ってきております。

初のテレビ形式による閣議

【TBS 橋口記者】閣議について伺います。本日は初めてテレビ形式による閣議が行われたかと思うんですが,大臣,出席されてよかった点,課題等あれば受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】国会の委員会ですと,顔を合わせることは各大臣あるわけですけれども,それ以外,持ち回りでしたので,顔を合わせる機会なかったので,久し振りに顔を合わせて,みんな元気そうで良かったなと思っています。

新型コロナウイルス感染症(「アビガン」供与に関する調整状況)

【産経新聞 原川記者】「アビガン」の無償供与に関してお伺いします。希望する国,またその調整済みの国については昨日の国会でも大臣,答弁なさってますけれども,今日の時点での最新の状況について教えていただきたいと思います。併せて,実際もう供与が,もう実際「アビガン」がその国に行ったという国があるのであれば,それもご紹介いただきたいのと,だいたい大まかにで結構なんですが,一つの国にどのぐらいの数の「アビガン」を供与するのか,これについても教えていただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】昨日,国会でもお答えしたのですが,各国外相との電話会談では,「アビガン」への関心,非常に高くて,これまでに80か国近くの国から外交ルートで「アビガン」の提供要請を受けておりまして,昨日は39とお答えしたと思うんですが,今日段階で43か国と,ここから具体的供与について調整済みということになっております。
 43か国調整済みでありますが,実際に輸送開始できるのは連休明け早々ということになりますので,まだ届いている国はありません。ただ,供与決定に当たっては,各国から謝意が寄せられているところでありまして,できるだけ早く,具体的な提供を行っていきたいと思っております。
 量でありますけれど,一国あたり原則,これは臨床研究ですから,原則20人分,最大100人分,これを供与すると,こういう方向で調整が進んでいるところであります。
 新型コロナと,これを沈静させていく上では,恐らく短期的にはやっぱり治療薬なんだと思います。そして,中長期的にはワクチンを開発していくと,こういうことになるわけでありますけれど,我が国として,初期患者に対して効果が期待される「アビガン」,そして重篤者向けと言われております「レムデシビル」,こういった治療薬の開発における官民,また国際的な協力をしっかり進めていきたいと思っております。

新型コロナウイルス感染症(韓国への支援・協力の要請)

【東亜日報 キム記者】日韓関係についてちょっと伺いたいんですが,今週水曜日,安倍総理が国会で,新型コロナウイルス対応について,韓国との情報とか経験を共有することは,日本側の対応にもとても役に立てられるという発言がありましたけれども,これはちょっと非常にポジティブなメッセージと聞こえていますけれども,今後,日本政府として,あるいは外交レベルで,韓国に支援とか協力を要請する可能性がありそうですか,お考えを伺いたいです。

【茂木外務大臣】韓国,本当に近隣の国でありますし,様々な対応が進む上では連携が重要だと思っております。そして,韓国に限らず,各国が培ってきた今回のコロナの経験・知見,これが国際社会で共有されるということは,新型コロナウイルス感染症の拡大を防止していく上で有意義である,そのように考えております。
 いろいろな意見交換等々を行っております。PCRの検査キットの報道なんか見るところもありますが,現時点でそういった,具体的な検査キットを提供する云々ということについて,韓国政府との間で具体的なやりとりをしているという事実はございません。