2020年3月19日(木曜日)
10時23分~10時31分
於:記者会見室

冒頭発言

電気・ガス料金の支払猶予

初めに、私から2点申し上げます。

まず1点目。昨日、政府の新型コロナウイルス対策本部において、公共料金の支払が困難な事情がある者に対する猶予等の内容を盛り込んだ生活不安に対応するための緊急措置が決定されたことを踏まえまして、電力会社・ガス会社に対しまして、需要家の置かれた状況に配慮し、支払の猶予等、迅速かつ柔軟に対応するよう本日要請をいたしました。

詳細については、後ほど行われる事務方のブリーフィングでお問合せいただければと思っております。

商工中金による機器対応業務の開始

2点目、新型コロナウイルス感染症の影響の広がりや深刻さを踏まえて、資金繰り支援を更に強化するために、本日から商工中金による危機対応業務を告示し、開始をいたします。

今後、商工中金の全国約100支店において、中小・小規模事業者に対する実質無利子貸付の相談を受け付けます。

私からは以上です。

質疑応答

電気・ガス料金の支払猶予

Q: 幹事社から2点質問させていただきます。

新型コロナウイルス対策で電気・ガス料金の支払猶予を企業側に要請されたとのことですが、具体的な猶予期間や対象者の線引きなどについて、企業側にどのような対応を期待されておりますでしょうか。

A: これは、後ほどの事務方のブリーフィングで、また詳細については確認をしていただきたいと思いますけれども、電気・ガス料金の支払が困難な事情がある方に対して、支払期日の猶予等、迅速かつ柔軟にというお願いを、対応することをお願いしているということであります。

その際に、料金の一部をなす託送料金について、支払期日を1か月繰り延べ、その後においても、その方の置かれた状況に応じて柔軟に対応することなどを要請をいたしました。まずは1か月ということですね。それで、その後についても状況に応じて柔軟に対応してくださいというお願いをしております。

詳細については、先ほど申しましたように後ほどのブリーフィングで問合せをいただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染の流行に伴う株主総会開催への影響

Q: 2点目の質問です。

新型コロナウイルスの影響で株主総会の開催が困難になっています。会場に大勢の人が集まるため、感染拡大を防ごうと、来場者の体温を測って参加の可否を判断する企業もあり、収束が見通せない中で延期の判断も難しいようです。

経産省は2月に、会場での参加に加え、遠隔地からでもネット経由で参加できるハイブリッド型バーチャル株主総会のガイドラインをまとめました。感染拡大を受けて、ネット限定の総会開催について、大臣の御所見をお聞かせください。

A: 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、株主総会に多数の株主が参集することについての懸念の声があることは承知をしております。

株主総会をインターネット上でのみ開催するということは、会社法上難しいとされております。株主総会を実在の場所で開催しつつ、インターネットを通じた参加を認めるハイブリッド型、二元的に行うということで、1か所で行うということですね、を可能とされていることから、経済産業省では本年2月に実務者向けの指針となるハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドを策定し、公表したところであります。

企業がこうした株主総会を開催できる場合には、会場に参集する株主の数を減らすことにもつながるということは、人が密集することを避けるという形で、この感染症には有効であると思いますし、ガイドも参照の上、各社で開催方法について御検討いただきたいと思います。選択肢の一つとして挙げさせていただいたということであります。

発送電分離

Q: 4月1日に、大手電力会社の発送電分離が実現すると思いますけれども、一連の電力システム改革の中でどのように位置付けるかを含めて、改めてその意義と期待される効果をお願いします。

A: 小売全面自由化以降、新規参入者による電力供給は順調に伸びてきているところであります。

2019年、令和元年12月時点で全体の販売量に占める新規参入者の割合は、約16.2%に到達をしたところであります。

こうした競争の進展により、事業者は創意工夫に富んだ様々な料金メニューやサービス、商品の品揃えですね、を提供できるようになりました。需要家はそれをニーズに応じて選択できるようになってきているということであります。

更には、地域や業種の垣根を越えた事業者の合従連衡が現れてくると思っております。

そういった変化が生まれてきているところで、4月1日には、発送電分離を予定しているところでありますけれども、これを行うことで送電・配電部門の中立性・公平性が一層向上する。そのための規制行為もあるわけですね。そういったことをしっかりと監視をしていくことによって、さらなる競争の活性化を通じて、電力システム改革の恩典がより多くの方々に行き届くことを期待をしているということであります。

新型コロナウイルス感染の流行に伴う音楽関連イベントへの影響

Q: 新型コロナウイルスの関係で、昨日音楽業界が有志議員に対して、イベントの中止による損害の補償などを要望しました。経産省として考えられる支援策ですとか、お考えがあれば、お聞かせください。

A: 音楽関連団体から御指摘のような声があることは承知をしております。

また、音楽コンサート等が中止になったにもかかわらず、業界が維持されるように出演予定者、スタッフ等に人件費を支払う例もあると承知をしております。こうした努力には敬意を表したいと思います。

他方で、様々な形で生じる費用負担や機会損失を政府が一律に補償するということは、社会全体に納得感のある公平な対応という観点からは慎重に判断をしていく必要があると、大変難しい判断だと思っております。

経産省としては、全国の中小・小規模事業者の皆さんに実質無利子・無担保の融資を行うなど、強力な資金繰り支援を行っているところでありまして、積極的に御活用をいただきたいと思っております。

前にも申し上げたと思うんですが、経済産業省の当面の対策というのは、事業を営む個人又は法人に対して事業継続が、事業の維持ができるような融資又は保証、そして雇用が維持できるような融資又は保証ということで、できる限りの対応をしているところでありますけれども、政府全体の取組として、こういう事例もあるということは十分認識をしておりますので、全体の対策本部の取組の中で今後また検討していかなければならない課題であると思っています。

 以上

最終更新日:2020年3月19日