「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」に基づく措置の平成30年度における実施状況について

農林水産省及び国土交通省は、平成30年度における「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」に基づく措置の実施状況を取りまとめました。あわせて、農林水産省は、基本方針に沿って策定した「新農林水産省木材利用推進計画」の平成30年度における実施状況を取りまとめました。

1.趣旨

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」（平成22年法律第36号）に基づき、農林水産省及び国土交通省は、毎年、「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」（平成22年10月4日農林水産省、国土交通省告示第3号。以下「基本方針」という。）に基づく措置の実施状況を公表することとなっており、この度、平成30年度における実施状況を取りまとめました。また、農林水産省は、「新農林水産省木材利用推進計画」（平成22年12月策定、平成28年4月改定）に基づき、平成30年度における同計画の実施状況を取りまとめました。

2.基本方針の実施状況

（1）平成30年度の実施状況
平成30年度において、国が整備した公共建築物のうち、「基本方針において積極的に木造化を促進するとされている低層の公共建築物等」に該当するもので木造化した施設は、最高裁判所（自転車置場等）、警察庁（警備派出所）、法務省（職員宿舎等）、財務省（車庫等）、厚生労働省（自転車置場等）、農林水産省（庁舎等）、国土交通省（公園施設等）、環境省（休憩所等）、防衛省（火薬庫）の77施設(平成29年度：80施設）であり、木造化率は、90.6％となりました（平成29年度：76.9％）。
内装等の木質化を行った公共建築物は、衆議院（宿舎等）、内閣府（庁舎）、宮内庁（宿舎）、総務省（庁舎）、経済産業省（省別館）等の169施設でした（平成29年度：171施設）。
木造化・木質化による木材使用量は4,206m3となりました（平成29年度：3,139m3）。

（2）実施状況を踏まえて講ずべき措置
平成30年度の実施状況を踏まえ、公共建築物等における木材の利用のより効果的な促進に資するため、各省各庁は、各省計画に従って国が整備する公共建築物における木材の利用を確実に推進するとともに、CLT等の新たな木質部材の活用に努めます。農林水産省及び国土交通省は、公共建築物の木造化等の取組が確実に実施されるよう施設整備主体への働きかけや新たな取組事例等の情報提供などを行います。

3.農林水産省の木材利用推進計画の実施状況

（1）平成30年度の実施状況
農林水産省では、基本方針に沿って策定した「新農林水産省木材利用推進計画」（平成22年12月策定、平成28年4月改定）に基づき、木材利用の拡大に取り組んでいるところです。
同計画の対象とされている農林水産省及び関係独立行政法人の庁舎等の施設において、平成30年度に新築又は増改築された27施設のうち、約4割にあたる10施設（嶺北森林管理署庁舎等）が木造化され（注2）、新築、増改築又は模様替えされた56施設のうち、約3割に当たる18施設（森林事務所等）で内装等の木質化が行われました。
農林水産省関係公共土木工事（残存型枠、標識工、視線誘導標等）における木材利用や、農林水産省及び関係機関における間伐材を利用した備品及び消耗品（コピー用紙、業務用茶封筒、フラットファイル等）の導入が進んでいます。
（注2）農林水産省関連施設（独立行政法人を除く。）については、施設が必要とする機能等の観点から木造化が困難であると判断される施設（頻繁に消毒液を使用し衛生的に管理する必要がある動物検疫所等）について、木造率算定の対象外としています。

（2）今後の取組
林野庁から各局庁、地方組織等に対し、木材利用の意義等を改めて周知徹底するとともに、木材・木製品利用事例の積極的な情報開示、助言等を実施していきます。

＜添付資料＞
平成30年度公共建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ(PDF : 2,475KB)
農林水産省木材利用推進計画の実績について（平成30年度）(PDF : 1,059KB)