1.  1月23日午前11時05分頃から約30分間,中谷真一外務大臣政務官は,訪日中のイェン・ラム・トゥット南スーダン高等教育・科学技術大臣(Hon. Yien Oral Lam Tut, Minister of Higher Education, Science and Technology of the Republic of South Sudan)の表敬を受けたところ,概要は以下のとおりです。

    1 冒頭,イェン・ラム大臣から,日本が南スーダンで行っている開発,人道,和平プロセスに対する各種支援に対する謝意の表明があり,「現在南スーダンでは政府間開発機構(IGAD)が仲介する和平プロセスが進行中であり,日本には,引き続き,暫定政府が進める平和の定着と国造りを支援してほしい」と述べました。これに対し中谷政務官は,先方大臣から,南スーダン和平プロセスの現状・見通しにつき聴取した上で,「日本は南スーダン問題のすべての関係者が,対話を通じて,治安や開発等の難題を解決することを期待している。日本としては,南スーダンのニーズに合わせ,引き続き様々な支援をバランスよく実施しながら,南スーダンの開発,平和と安定の促進に協力していきたい」と述べました。

    2 さらに中谷政務官から,群馬県前橋市で長期トレーニングを実施中の南スーダンの陸上競技選手別ウィンドウで開くにつき言及したところ,イェン・ラム大臣は,「南スーダンの陸上選手に対する日本の暖かいもてなしに感謝する」と述べました。

    3 最後に中谷政務官から,新しい暫定政府の設立はこれまで2度延期されているが,「本年2月には,今度こそ,新しい暫定政府が設立されることを期待している」と述べました。

    [参考1]日本の和平プロセス支援
     R-ARCSSの履行には推定で2億8,508万ドルが必要とされるが,うち86%にあたる約2億4,525万ドルは治安部門の合意履行のために使用される予定。南スーダン政府は,和平プロセスを活性化させるため,1億ドルの予算を配分する旨決定したが,まだ公約は完全には果たされていない。日本はIGADに320万ドルを拠出しており,そのうち35万ドルが軍を除く仮宿営地(カントンメント)関連プロジェクトに使えるようになっている。現在日本は,カントンメント・支援の一環として,カントンメント・サイト付近のコミュニティーへの井戸建設の支援を検討中。

    [参考2]新しい暫定政府の設立
     2018年9月の新和平合意に従えれば,新暫定政府は昨年5月に設立される予定であったが,2019年11月,キール大統領とマシャール第一副大統領は,ムセヴェニ・ウガンダ大統領の仲介の下でエンテベ(ウガンダ)で会談し,新暫定政府設立のための準備(暫定的治安措置の実施,州の数と境界線の問題解決等)が未だ十分に整っていないことを踏まえ,暫定準備期間を更に100日間延長することを決定した。新暫定政府の設立は,現在,2020年2月22日が期限となっている。