2019年12月17日(火曜日)
10時3分~10時18分
於:記者会見室

質疑応答

韓国向け輸出管理措置

Q: おはようございます。よろしくお願いします。

今日は、大きく2点お伺いします。

1つは、昨日の貿易管理の関係です。日本の対韓輸出規制強化をめぐり、日韓の局長級協議が16日、昨日行われました。協議終了後、両国ともに、相互の理解が進んだと評価をしましたが、これは3年半ぶりに対話が行われたことのみを指す評価なのか、それとも韓国側の輸出管理体制が改善されているという具体的なデータがあり、輸出規制強化の撤回に向けた展望が開けたことを指しているのか、この点お伺いします。

A: 従前から申し上げているとおり、輸出管理につきましては国際的な責務として、輸出国の責務として適切に実施する観点から、我が国として国内企業や輸出相手国の輸出管理も含め、総合的に評価し、運用していく方針でありまして、そもそも相手国と協議して決定するような性質のものではないということであります。

政策対話前に申し上げましたように、状況の確認、そして運用等の確認、そういったことを主に昨日は対話をされたものでありますので、昨日そういうことについて、こういうことを重ねていけば、いずれそうなる可能性はありますけれども、昨日の時点でまだそういう状況にはなっていないということだと思います。

Q: 関連で。22日の日曜日に中国・北京で日中韓、3カ国の大臣会合が予定されています。梶山大臣も行かれるというふうに聞いております。ここで日韓、二国間での大臣の会合というのは現時点では予定されていますか。

A: 今の時点では予定されておりません。

執務室の施錠

Q: 大きく2点目をお伺いします。これは庁内の施錠管理の関係です。

世耕元大臣在任時の2017年2月に始まった庁内管理の強化について、経済産業記者会は13日、執務室の施錠措置の撤回を求める通算5回目の申入れを行いました。経産省は2017年の施錠措置の導入後、コミュニケーションが後退することはないようにする、というふうに説明をしていましたが、今回の申入書にも明記されておりますが、報道各社からは、頻繁に居留守が使われる、経産省にとって都合のよいときだけ話をする、取材内容により、取材を受けるかどうかの選別が行われているなど、コミュニケーションが後退していることを指摘する意見が出ています。経産省の報道対応が悪化しているという指摘が多くあることについて、御所見をお伺いします。

A: 経済産業省では、企業などからの訪問者も非常に多いんです。ですから、機微な情報を扱うことから、平成29年2月に庁舎のセキュリティを強化したと承知をしております。

施錠の結果、取材対応を含む外部とのコミュニケーションは後退することがあってはならないと考えております。

これまでも取材対応については、取材申込みに丁寧に対応し、政策の背景や狙いなど適切な説明を心掛けているところであります。

ただ、13日(注)、この申入れを頂きました。申入れに書いてあることもよく読ませていただきましたけれども、皆様からの対応が不十分ではないかという内容というものもありますので、改めて私から事務次官に取材対応を含め、丁寧に外部とのコミュニケーションを行うように指示をし、次官からそれぞれの部局にしっかりともう一度促すようにという対応をさせていただいたということであります。

引き続き丁寧な対応を心掛けたいと思っております。

Q: 施錠措置自体は、やっぱり必要なものだというふうに大臣はお感じになりますか。経済産業省そのものが、まあ、我々メディアであるし、国民に背を向けているという疑念を持たれるのではというふうにはお感じにはなりませんか。

A: これはですね、執務室に入っていって隣で話すというのは、今まではそれで可能だったんでしょうけれども、先ほど申しましたように企業の方もおいでになる、そして機微な情報もあるという中でこういう措置を執らせていただいたということで、できる限り皆さんの申入れに応えられるような取材体制を執るということをもう一度心掛がけてまいりますので、ぜひそれを見ていただければと思います。

施錠を外して、そしていつでも自由にということで、それが取材が自由になるということの一方で、その情報が守れるかどうかということも含めて、その他大勢の方がお見えになりますからね、そういうことも含めて機密管理という点で考えた上でのことですので、御理解いただきたいと思います。

韓国向け輸出管理措置

Q: 先ほど北京での日中韓、三国会談のときに、韓国との日韓、二国間協議は予定されていないというふうにおっしゃっておりましたが、昨日の政策対話を受けて、お話を聞かれて、大臣御自身は必要だというふうに感じていらっしゃいますでしょうか。

A: 現時点では予定されてないという事実を申し上げただけであります。予断をもってお話しすることはできないと思っております。

政策対話は政策対話でしっかりと続けていくということになっておりますので、そういった中で信頼を重ねていくということになろうかと思います。

執務室の施錠

Q: 先ほどの施錠の関連なんですけれども、大臣、機微に触れるような文書もあるとかということをおっしゃいましたけれども、そもそもそういう文書を管理できないような方々がこの庁内に揃っておられるんでしょうか。

例えば、私、今農水省も兼務していますけれども、あそこにも多分、各都道府県からの来訪者というのは多々いらっしゃる。そこでは執務室内の別の机でご対応いただけるような対応なんですが、そこについてはどうお考えですか。

A: 管理ができない人がいるというのは、ちょっと違うと思いますけれどもね。やはりお互いのためにそういう環境を設けた上で、もう一度ルールを作り直してやっていきましょうということなんですね。

機微な情報というのは、やっぱり国の機密に関することもありますし、技術情報に関するものもある。それは、企業とか産業界の利益にも関することがあるということですから、それらに関してしっかり管理をしていきましょうということでやらせていただいているということで御理解いただきたいと思います。

Q: ただ、私は4カ月、ここを担当させてもらっていますけれども、名前も名乗らないような職員もいらっしゃいますよね。そこについては。

A: 名前を名乗らないというのは、どういうシチュエーション、どういう場合にそういうことなんですか。

Q: 電話でご対応させていただいたときに。

A: それは名前を聞いてくれても、名乗らないということ。

Q: そうです。ガチャ切りになりました。

A: それは、そういう例もあるということで、私の方から。

Q: 例はあるんですね。

A: 今お話聞きましたから、そういう例もあるということで、もう一度お話をさせていただきます。

Q: そもそもの国民の知る権利、阻害されていませんか。

A: 知る権利というのは、全てに、どこにも入っていって知る権利があるのかどうなのかということと、報道陣との、マスコミの皆さんとのルールを作りましょうということですから、お互いに理解できるルールを作りましょう。今理解できないというお話だったからね。それは理解できるルールをもう一回、改善も含めて作っていきましょうということですから。皆さんの知る権利はあるけれども、それでもやはりある程度ルールの上でやることだと思います。

まあ、個人的に多分お怒りになっているんだと思うんだけれども、そういうことも含めて、お互いにマナーも守りましょうということを、それは徹底してやるつもりでおりますので、御理解いただきたいと思います。

Q: それはルールを作る上では、どこか、そういう協議の場を設けていただけるということですか、マスコミと。

A: いやいや、私どもの方から徹底して今下ろしますから。そして、今言った中で、皆さんからそれが守られていないとか、従前に比べてそれができていないというお話ですから、もう一回次官から下ろしましたということです。一人一人まで私が確認しているわけではありません。この体制で皆さんの取材もしていただきたいし、しっかりと取材に応えられるような経産省でありたいという中で、今ルール作りをしているということで、今西日本新聞さんからの御指摘は御指摘として私も承りました。

Q: よろしくお願いします。

韓国向け輸出管理措置

Q: 日韓の話なんですが、先ほど大臣は輸出管理上の措置について、相手国と協議して決めるようなものではないとおっしゃっていましたが、韓国側は、日本側に撤回を求めたと言っています。こういう二国間の隔たり、今後どういうふうに埋めていけばいいでしょうか。

A: 本来、政策対話というのはお互いの状況を知るものであって、協議の場ではないんです。これまで3年半前まで行われてきた政策対話もそういう形で、相手の貿易管理体制をどうするか、どういう形なのか。そして、1つ1つの疑問点についてお互いに答える。それを確認する。その上で信頼が成り立っているということなんです。
例えば、韓国も日本に対して、協議の場ではないと思っていると思います。ほかの国も、多分自分が輸出する責任、物を出す責任をどう果たすかということでそういう判断をしていると思います。国際的なルールの中で、ルールというか、そういうそれぞれの国が取り組んでいる中でこういう制度ができているということで、別に韓国と感情的に対立しているわけじゃなくて、輸出管理体制というのはそういうものだというお話をさせていただいたということです。

Q: 1つは質問で、1つは意見なんですが、まず質問から。

日韓は24日を目指して首脳会合、首脳会談を検討されていると思うんですが、そういう外交日程を見た上で、今回の貿易管理の対応ができたというのは追い風なのか。日韓の間には貿易管理を含めて複数の課題があると思うんですが、そういう対話を持てたことが外交日程上追い風だとお考えでしょうか。

A: 外交の部分については、私は言及は控えさせていただきますが、輸出管理については一歩前進だと思っています。ただ、こういう会話を重ねて信頼を、お互いの信頼を重ねていくということになりますので、これの中身が前進したとか何とかということではなくて、対話ができたこと自体が1つ前進であると思っております。

執務室の施錠

Q: 時間を頂いて恐縮なのですが、施錠の話で、一律原則施錠でやっていくのが本当にいいのか。もちろん、機微に触れるもの、目に触れてはいけないものがあるというのも想像できるのですが、そうでない文書も恐らくあるわけで、一律原則施錠からスタートするのか、機微に触れるところに関してはこちらも配慮するという形でスタートするのか。そのあたりを意見交換であったり、御検討いただけたらと思います。

A: 御意見ということで承っておきます。

キャッシュレス・消費者還元事業

Q: キャッシュレスのポイント還元事業の効果についてお伺いします。

A: キャッシュレス。 

Q: はい、キャッシュレスのポイント還元です。
10月の商業動態統計や家計調査では、前回の増税時を上回る消費の落ち込みが確認されています。ポイント還元制度についてキャッシュレス化の推進ですとか消費の押し上げ、中小店舗の支援にそれぞれどれぐらいの効果があると見ているか、大臣のお考えを教えてください。

A: 12月6日公表の10月の家計調査では、家計の消費支出が12月13日公表の商業動態統計では、小売業の販売がそれぞれ前年同月比でマイナスとなったと承知しております。

10月には台風19号などの影響もあり、一概には申し上げられませんけれども、消費税率引上げの影響は現時点では全体として前回ほどではないと思っております。

そして、この消費税対策ということでは、本事業だけじゃなくて軽減税率や自動車や住宅に対する減税、プレミアム付き商品券、教育の無償化、あらゆる施策を総動員して取り組むこととしておりまして、本事業のみを切り出して消費の押し上げ効果を申し上げることは適切ではないと思っています。

その上で、今回のポイント還元事業の参加店舗は12月21日時点で94万店になる見込みであります。このうち5%還元対象の中小個店が登録店舗の約9割、還元額の約8割を占めていることや、事業を実施する中で中小店舗の皆様から、両替回数や精算時間が減った、キャッシュレス利用や新規顧客が増えたといった声や、消費者の皆様からも、増税なのにポイント還元を利用すればお得であると。まあ、いろいろ調べている方もおいでになって、組み合わせで使ったりしている方もおいでになるということでありますけれども、キャッシュレスは思ったよりも、最初の抵抗感あった方も、思ったよりも便利だというような声も聞こえてきております。

キャッシュレス決済の浸透や中小企業支援という本事業の目的については、一定の効果がそういう数値から出ているものと判断をしております。今後、本事業による中小店舗への効果や消費者のキャッシュレス利用状況などについては、アンケートを通じて実態をしっかりと把握をしてまいりたいと思いますし、それぞれの都道府県単位で見ても、いろいろなところに分布もしていると思いますし、先ほど申しましたように中小の個店が8割を占めているということですから、ある程度の効果が出ているんではないかなと私は判断しております。

韓国向け輸出管理措置

Q: さっき22日の北京の予定はないとおっしゃったんですけれども。

A: 今の時点ではないということです。

 Q: はい、そうですね。今の時点で、もし、韓国のソン・ユンモ長官、産業通商資源部長官と会おうという意識がもしありますか。ちょっと伺いたいんですね。

A: それは何とも今の時点では言えませんけれども、申入れもなければ、こちらからのまだ、決定したことというのは私の口からはまだ申し上げられませんので、今の時点で、ないということで御理解いただきたいと思います。

(注)実際の発言は「昨日」でしたが、正確には「13日」ですので、上記のとおり修正いたしました。

(以上)

最終更新日:2019年12月17日