2019年12月27日

経済産業省は、エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(以下、「ERAB」と記載。)に参画する事業者が取り組むべきサイバーセキュリティ対策をまとめたガイドラインを改定しました。

1.「ERABに関するサイバーセキュリティガイドラインVer.2.0」について

本ガイドラインは、需要家側のエネルギーリソース(小規模電源・蓄電システム・ディマンドリスポンスなど)を活用したERAB※1において、ERABに参画する事業者が取り組むべきサイバーセキュリティ対策の指針を示したものです(平成29年4月策定、平成29年11月改定)。

2.今回の改定の経緯及び内容について

ERAB検討会※2の下部組織であるサイバーセキュリティWG(平成28年8月設置)では、ERABにおけるサイバーセキュリティの在り方等を検討しています。今般、ERAB事業者の電力システムにおける更なる事業拡大を見越して、本WGにおいて、ERABに関するサイバーセキュリティガイドラインを改定いたします。今回の主な改定事項は以下のとおりです。

主な改定事項

  • サイバー・フィジカル・システムの相互運用性の確保
    ERABシステムは、情報の保護だけでなく、物理的に電力システムが動作し続けるためのレジリエンスを確保するため、サプライチェーン全体におけるセキュリティ対策を策定する旨を追記しました。

  • 事故発生時の対応
    ERAB事業者に対して、事故発生時の被害を考慮し、当該被害を最小限にとどめるための対応及び体制を構築する旨を記載しました。

  • 勧告項目の実装の実現性の検証
    ERAB事業者に対して、第三者による監査や教育プログラム等により勧告項目の実装を検証する旨を追記しました。

  • ERAB事業者の間における連携体制の構築
    ERAB事業者に対して、セキュリティ管理責任者を任命し、当該者間で情報共有できる体制を構築する旨、また責任分界点を明確化する旨を追記しました。

※1 ERAB:バーチャル・パワープラントやディマンドリスポンスを用いて、送配電事業者、小売電気事業者・需要家、再エネ発電事業者といった取引先に対し、調整力、インバランス回避、電力料金削減、出力抑制回避等の各種サービスを提供する事業のこと。

※2 ERAB検討会:ERABの発展に向けて、多岐に渡る課題(通信規格や制度の整備等)について、産官学の実務者レベルで全体像を整理する検討会(平成28年1月設置)。

添付資料

参考URL 

「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン」を策定しました(2017年4月26日付掲載)
「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン」を改定しました(2017年11月29日付掲載)

担当

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギーシステム課長 白井
担当者:佐久間、花井

電話:03-3501-1511(内線 4558~9)
03-3580-2492(直通)
03-3501-5308(FAX)