1. 1 本2日(現地時間同日),ウズベキスタン共和国の首都タシケントにおいて,我が方藤山美典駐ウズベキスタン大使と先方マチルダ・ディモフスカ駐ウズベキスタン国連開発計画(UNDP)常駐代表(H. E. Matilda Dimovska,Resident Representative, United Nations Development Programme in the Republic of Uzbekistan)との間で,「アラル海地域における健康,環境及び経済的不安に対する地域社会強靱化計画(UNDP連携)」(供与額3.46億円)に関する書簡の交換が行われました。

    2 ウズベキスタン北西部に位置するアラル海は,旧ソ連時代の「乾燥地の農地化」により,湖面積はかつての10分の1にまで減少し,周辺地域では水量の減少による塩分濃度の上昇,塩害による健康被害等が生じています。特に本件の対象となるカラカルパクスタン自治共和国は貧困率が高く,医療の整備も遅れており,がん,白血病等の血液疾患や呼吸器疾患の割合も高くなっています。さらに,貧困による海外出稼ぎ者も多く,性感染症の増加等が深刻な課題となっています。

    3 この計画は,対象となるカラカルパクスタンの中でも特に状況の厳しい9つの地域において,子宮がんウイルス検査器機等の医療器機の供与や保健施設の整備による地域の保健サービスの改善,水の浄化装置や簡易発電装置等の供与による生活環境の改善,また農業機具等の供与や技術研修等によるコミュニティの貧困改善や教育施設整備を通じた教育環境の改善を図るものです。

    4 この協力により,約5万人の女性が子宮がん検診を受けることができ,約15,000人の保健医療施設へのアクセスが改善されます。また約5,000人が水・電気へのアクセスを得ることができ,約1,200人の児童の教育環境が改善することが見込まれています。本件を通じ,対象地域の保健・医療サービスが改善され,またインフラ整備や雇用機会が創られることで,地域の社会セクターの再構築を図り,もって同国の社会・経済発展に寄与することが期待されます。

    [参考]ウズベキスタン共和国基礎データ
     ウズベキスタン共和国は,面積約45万平方キロメートル(日本の約1.2倍),人口約3,240万人(2018年,国連人口基金),人口1人当たり国民総所得(GNI)2,020ドル(2018年,世界銀行)。