1. 1 昨12日(現地時間同日),マリ共和国の首都バマコにおいて,我が方黒木大輔駐マリ大使と先方チエビレ・ドラメ外務・国際協力大臣(H.E. Mr. Tiebile DRAME, Minister for Foreign Affairs and International Cooperation)との間で,総額6億円となる2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。

    2 各案件の概要は以下のとおりです。

    (1)マリにおける司法刑事能力強化のための機材整備支援(無償資金協力「経済社会開発計画」,供与額:3億円)
     マリでは,北部及び中部地域においてイスラム過激派組織による襲撃事案が多発 するなど治安が不安定な状態が続いています。最近では南部地方においても過激派組織の犯行と見られる誘拐やテロなどが発生しており,治安の悪化に伴い強盗等の一般犯罪の発生件数も増加しています。そのため,国内の刑務所では,収容者数が収容能力を超過しており,刑事施設の管理能力強化が急務となっています。
     この協力は,マリ政府に対し,同国内の刑事施設(刑務所,少年院,刑務管理局)の能力強化に必要な機材(収監者の輸送車両,監視カメラシステム等)を供与することにより,同国における刑事司法体制の強化を図り,社会の安定化に寄与するものです。
     我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,安定的で信頼される制度の構築とガバナンスの強化に取り組むことを表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具体化するものです。

    (2)食料安全保障改善のための支援(無償資金協力「食糧援助」,供与額:3億円)
     マリでは,国民の約45%が貧困に苦しんでおり,400万人以上が食料不足に 直面しています。しかし,不安定な治安情勢が続いているため,耕作地を放棄して国内避難民になる農民が増えるなど,安定した穀物生産が難しい状況にあります。
     この協力は,マリ政府に対し,食料事情の改善を目的として,我が国政府米(約4,100トン)による食糧援助を実施するものです。
     我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,強靱かつ持続可能な社会の構築への貢献を表明しており,この協力は同表明を具体化するものです。

    [参考]マリ共和国基礎データ
     マリ共和国の面積は約124万平方キロメートル(日本の約3.3倍),人口1,854万人(2017年,世界銀行),人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約770米ドル(2017年,世界銀行)。