1.  本31日午後5時20分から約40分間,河野太郎外務大臣は,訪日中のチョウ・ティン・スエ・ミャンマー連邦共和国国家最高顧問府大臣(Mr. Kyaw Tint Swe, Union Minister for the Office of the State Counsellor, Republic of the Union of Myanmar)と会談したところ,概要以下のとおりです。

    1 冒頭,河野大臣から,久しぶりに再会できて嬉しい,亡くなった故小山智史外務省職員のご遺族に対し,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問及びトゥレイン・タン・ズィン駐日ミャンマー大使からそれぞれメッセージを頂き御礼申し上げる旨述べました。これに対し,チョウ・ティン・スエ大臣から,日本とミャンマーは親しい友好国である,故小山職員のご遺族に対し,心からお悔やみ申し上げたい旨述べました。

    2 続いて,河野大臣から,日本は,引き続きミャンマーの民主的な国造りを全面的に支援していく旨述べました。また,少数民族和平につき,ミャンマー北東部における軍事行動停止の継続を評価する,笹川陽平ミャンマー国民和解担当政府代表と共に,和平プロセスの進展を引き続き最大限後押しする旨述べました。更に,民主的国造りにおいて,報道の自由を含む普遍的な価値の尊重は重要であり,先般のロイター記者2名の釈放を歓迎する旨述べました。これに対し,チョウ・ティン・スエ大臣から,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問率いるミャンマー政府は,民主主義の進展と定着,そして連邦国家の建設に取り組んでいる,日本の全面的な支援に感謝申し上げる旨述べました。

    3 続いて,河野大臣から,ラカイン州情勢につき,ミャンマー政府が,独立調査団による調査の進展を確保し,その結果,適切な措置を取るよう,強く働きかけました。また,ミャンマー政府として,国連の協力の下,避難民帰還のための環境整備を早急に進展させるよう,治安,移動の自由,国籍審査への明確な道筋を含め,バングラデシュ側にいる避難民に対する説明を早期に実施するよう求めました。更に,ラカイン州北部における継続的な支援アクセスの確保,シットウェ周辺の国内避難民キャンプの適切な閉鎖及び再定住,及びASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)による活動を含めたASEANとの引き続きの協力を働きかけました。

    4 これに対し,チョウ・ティン・スエ大臣から,ミャンマー政府は人権を重視しており,罪を犯した者に対しては法律に基づいて適切な措置を取る方針である,この考えに基づき,ミャンマー政府は独立調査団を設立した,独立調査団が包括的且つ証拠に基づく報告書を作成することが重要である旨述べました。また,避難民帰還につき,ミャンマーはバングラデシュとの二国間合意に従い,バングラデシュ側にいる人々の帰還の実現に取り組んでいく,ミャンマーは,ミャンマー国内に居住歴のある人々全てを受け入れる用意がある旨述べました。

    5 続いて,河野大臣から,少数民族和平につき,国軍による軍事行動停止が,カチン独立軍等との恒久的な停戦及び避難民の帰還・再定住につながることを強く期待する等述べたところ,チョウ・ティン・スエ大臣から,ミャンマー国民全体が和平の進展を望んでいる,特に全国規模の停戦合意に未署名であるミャンマー北部の少数民族武装組織との停戦の実現のため協議を行っている,笹川政府代表をはじめとする日本の支援に感謝申し上げるとの反応がありました。

    6 最後に,河野大臣から,日本として,ミャンマー政府の取組を引き続きしっかり協力していきたい旨述べ,チョウ・ティン・スエ大臣から,引き続きの支援をお願いしたいとの反応がありました。