令和元年5月21日(火)

 今朝の閣議においては,表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律の公布が閣議決定されました。

裁判員制度導入から10年を迎えたことに関する質疑について

【記者】
 裁判員制度が2009年に導入されてから,今日で10年の節目を迎えました。これまでの取組を振り返っての御所感と,1月に開始された同制度の見直しに向けた検討会での検討状況について教えてください。

【大臣】
 裁判員制度は,国民の皆様が刑事裁判に参加し,その感覚が裁判の内容に反映されることにより国民の皆様の司法に対する信頼や支持が深まり,司法がより強固な国民的基盤を得ることができるようになるという重要な意義を有しています。私自身,制度開始前にアメリカにおり,新しい制度について説明したときに,「日本で根付くのか。」とアメリカの法律家に言われました。私はそのときに,「メイドインジャパンの素晴らしい制度を作っている。」と申し上げた記憶があります。
 そういった制度が本日10周年という節目を迎えたということは大変意義深く,また,その日に法務大臣として職責を果たしていることに感慨深く思っているところです。
 これまで,法曹三者においては,公判前整理手続において争点と証拠の整理を十分に行うなど,審理を迅速で分かりやすいものにするよう努めているところです。裁判員経験者を対象としたアンケートにおいても,9割を大きく超える方々が裁判員として裁判に参加したことについて,よい経験をしたと感じた旨の回答をされているなど,裁判員制度はおおむね順調に運営され,国民の皆様の間に定着してきているものと考えています。
 裁判員制度が我が国の司法制度の基盤として重要な役割を果たすことができるよう,私も法務大臣として引き続き努めてまいりたいと考えています。
 裁判員制度に関しては,「裁判員制度の施行状況等に関する検討会」を開催しています。裁判員法一部改正法附則3項に基づき,法制を含む現行の裁判員制度の枠組み及びその運用に関わる事項を中心に検討を行うものであり,これまで3回開催された会合では,裁判員制度の運用における法曹三者の取組について報告等がなされたものと承知しています。
 委員の方々におかれては,専門性,高い見識,広い視野をいかして,引き続き,充実した意見交換を行っていただくことを期待しているところです。

AIによる司法試験予備試験予測に関する質疑について

【記者】
 一昨日行われた司法試験の予備試験でAI,人工知能が問題の6割を事前に予測して正解したと発表した開発会社がありますが,司法試験の在り方への影響についてどうお考えですか。

【大臣】
 御指摘の報道については承知しています。
 一般に,予備校等において,試験問題の出題予測というのは,司法試験のみならず,様々なところで行われているものと考えています。
 もっとも,法務省として,個別の出題予測について内容を把握した上,その正確性等に関してコメントすることは,例えば,この出題予測は的中するなどと,誤った憶測を招くおそれがありますので,コメントは差し控えたいと思います。
 いずれにせよ,司法試験予備試験の問題作成は司法試験予備試験考査委員に委ねられており,今後も,適切に問題作成がなされるものと承知しています。

(以上)