2019年4月16日(火曜日)
9時26分~9時36分
於:記者会見室

冒頭発言

おはようございます。私からは特にございません。

質疑応答

ジャパンディスプレイ

Q:JDIなんですが、INCJが経営再建を支援してきましたけれども、中国と台湾の企業連合の傘下に入ることになりました。また、国の政策として、支援を決めた当時の判断への評価も含めて、率直な受け止めをお願いしたいのと、あと、改めて技術流出への懸念について、御所見をお聞かせください。

A:幹事社としての御質問にお答えをいたします。

JDIが12日に、台湾・中国連合から金融支援を受けて、この連合が筆頭株主となることを発表をいたしました。

JDIが設立をされました2012年当初は、日本の高い技術力を結集をして、当時、急成長が見込まれていたモバイル向けの液晶パネルを中心に、グローバル市場で競争力を高めていく戦略が、INCJにはあったわけであります。

その後、JDIが上場した2014年以降、ディスプレイ市場で多額の投資競争が発生をして、結果として非常に激しい価格競争など環境変化が起こったわけであります。

その結果、JDIは売上高や営業利益が減少するとともに、株価も低迷するという形になりました。

こうした中、JDIとINCJは、2016年12月の中期経営計画で、単独で事業展開を図るのではなく、グローバル・パートナーを確保して量産投資に必要な資金力を確保する必要があるという戦略を明確にして、それ以来、グローバル・パートナーの確保に向けた検討を続けてきたわけであります。

今回の台湾・中国連合との提携は、こうした戦略に沿ったものだというふうに認識をしています。今後とも関係者が最大限努力をして、経営の安定を図っていくことが重要だというふうに思っています。

また、技術流出に関してでありますけれども、JDIが実用化し、販売をしている現在の技術は、今では既に他国の競合企業が保有・実用化をしている、また、主要な販売先であるモバイル市場は飽和状態になっているという状況でありまして、他国企業とパートナーを組むことも、戦略としては、あり得るのではないかというふうに思っています。

なお、安全保障に関する機微技術の流出懸念については、個別案件への回答は控えますけれども、一般論として申し上げれば、外為法上の機微技術を有する企業の買収には事前の届出が義務でありまして、国の安全等の観点から厳格な審査を行っているところであります。

「げんしりょくむら」のウェブサイト

Q:先日、日本原子力産業協会が開設したホームページ、「あつまれ!げんしりょくむら」がホームページ名や絵柄などに批判が集まって、開設から5日で閉鎖となりました。原子力エネルギーを所管し、情報発信の重要性を日頃からおっしゃっている経産大臣としての受け止めをお願いします。

A:共同通信さんには、ぜひ平成で起こったことは平成のうちに決着を付けていただきたいということを申し上げた上でお答えいたしますが、御指摘のウェブサイトについては、日本原子力産業協会によって、既にお詫びの上、閉鎖をされているというふうに承知をしています。

「げんしりょくむら」という表現など、福島事故当時に問題になった表現を使うなど、福島事故の反省を踏まえた内容だとは到底、言えない不適切なものだというふうに思っておりまして、まことに遺憾だと思っています。

原子力に関する情報発信は非常に重要でありますけれども、情報発信に当たっては、それがどのように受け取られるのか、十分注意をしながら、適切な形で行うことが重要だというふうに思っています。

韓国の輸入制限に関するWTO上級委員会の判断

Q:WTO関連でお伺いいたします。

先週、韓国が日本の水産物に対して行っている輸入制限について、WTOの上級委員会がパネルの判断を破棄しました。

日本であれば差し戻すような事案が、WTOでは、いわゆる御破算になって、そもそも内容について決着がしない。この点について、大臣の御所見がありましたら、お願いいたします。

A:上級委員会において日本の主張が認められなかったことは、これは誠に残念だというふうに思っています。

引き続き韓国や、あるいはその他の規制措置を講じている国・地域に対して、いろいろな場を使いながら、規制措置の撤廃を求めていきたいというふうに思っています。

今回の、この紛争処理の結果でありますけれども、一体どういう要因でこういうことになったのかということについては、今、関係省庁とも連携をしながら分析をしているところであります。その分析結果を踏まえて、日本として適切な対応をしていきたいというふうに思っています。

 

Q:今後、日本が行っているWTO改革に対して、何かこのことが影響になったりすることはありますでしょうか。

A:いずれにしても、まず今回、なぜこういう結果になったのかということをよく分析をしていかなければいけない。その結果、WTO改革に与える影響が出るかもしれませんけれども、現時点では予断を持って、お答えすることは控えたいと思います。

日産・ルノーのアライアンス

Q:日産・ルノーの経営統合についてお伺いいたします。

昨日大臣は、一般論として、フランス政府との間で意見交換を行うことはあり得るとおっしゃいました。政府は従来から、政府が関与するものではないというお立場ですけれども、一般論として、非公式の意見交換の場で政府が一定の方向性を持った意見を表明することはあり得るのでしょうか。また、フランス政府はルノーの筆頭株主というお立場ですけれども、日本政府は株主ではありません。そうしたことから生じる両政府間の関与可能な範囲の違いですとか、日本政府にとっては難しさというのはありますでしょうか。よろしくお願いいたします。

A:フランス政府とのやり取りについては、これはもう外交上の問題でありますので、いろいろな中身も含め、コメントすることは控えたいと思いますけれども、一般論としてフランス政府との間で、様々な意見交換や情報共有を行うことは当然のことだというふうに思っております。

いずれにせよ従来から、これは我々、一貫して申し上げているわけでありますが、日本政府としては、日産・ルノーアライアンス維持・強化に向けた具体的進め方については、これは、あくまでも当事者が十分に納得する形で、議論を進めることが重要であるという考えであります。この点は、何ら変わりはありません。

OECD対日経済審査報告書・グリア事務総長会談

Q:昨日、OECDが、対日経済審査報告書を公表しまして、経済成長は強化されたけれども、高齢化などの課題に直面しているという内容で、消費税を20から26%に上げるべきとの内容になっておりますが、今日午後、大臣も会談されますけれども、その報告書の受け止めと、会談で何をお話しになるのか。

A:OECDがそういう計算を出されたんではないかと思います。現実に26%に引き上げられるのかどうかというのは、また別の議論だというふうに思いますけれども、この消費税率の在り方については、これは経産省の所管ではありませんので、明確なお答えは控えたいと思います。

今日、グリア事務総長とは、お会いをいたしますけれども、今日、お会いする目的は消費税の議論をすることではなくて、5月下旬に開催されるOECD閣僚理事会について、このOECDの閣僚理事会と、日本が議長国を務めるG20、ここがうまく連結できるような形になるように、いろいろと意見交換を行いたいというふうに思っています。

具体的にはWTO改革など、自由貿易を推進するための取組ですとか、あるいはデジタル経済時代のガバナンスの在り方などについて、率直に議論をしたいというふうに思っています。

日米貿易協定交渉

Q:TAGの第1回交渉が始まりましたが、交渉に先立ってムニューシン財務長官が、改めて為替条項を入れるように求めていますけれども、これに対する受け止めと、日本政府としての立場、閣僚としての立場をお聞かせください。

A:まだ交渉が始まったばかりでありますから、昨年9月の日米共同声明の内容に沿って、両国間の貿易拡大を促して、双方の利益となるような建設的議論を期待したいというふうに思います。

茂木大臣も、最終的に全ての交渉が終わるまでは、まだ中身は、お話しになっていないようであります。ただ一方で、当然この共同声明に沿って行うということは、これは確認をされていると聞いております。そのことに尽きるんではないかと思っています。

以上

最終更新日:2019年4月16日