2019年1月25日

経済産業省は、各地域の経済動向を把握するために、各地方経済産業局が四半期ごとに行っている地域経済産業調査の結果を取りまとめました。
【今回の調査結果のポイント】
全体の景況判断は、前期から据え置き、「緩やかに改善している」としました。
地域別の景況判断は、北海道、中国で上方修正し、その他の地域は据え置きました。

1.地域経済産業調査について

各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資などの地域ごとの経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集約・分析しているものです。

  • 調査期間:11月21日~12月21日
  • 調査対象企業数:775社

2.全体総括

緩やかに改善している(→)
生産は、一部で米中貿易摩擦による影響がみられ、先行きに対する懸念はあるものの、汎用・生産用・業務用機械が工作機械等で堅調、電子部品・デバイスが自動車、スマートフォン向けで堅調など、概ね堅調に推移しています。設備投資は、受注増加に向けた生産能力の増強や人材不足解消のための省力化投資等で積極的な動きとなっています。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移しています。個人消費は、暖冬の影響で一部に弱い動きがみられるものの、高額品は引き続き好調です。

3.各地域の概要

【北海道】 一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している(↗)
生産は、地震や停電の影響による減産分の挽回生産などから、持ち直しの動きがみられます。個人消費は、免税売上の回復や防災関連用品需要の増加などから、持ち直しています。観光は、「北海道ふっこう割」の効果などから、国内外客ともに回復傾向です。

【東北】 一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している(→)
生産は、生産用機械が半導体関連を中心に弱含んでいるなか、輸送機械に持ち直しの動きがみられます。個人消費は、気温が高かったことで冬物衣料品等がふるわず足踏み状態です。

【関東】 改善している(→)
生産は、堅調に推移していますが国際情勢への懸念も出ています。雇用情勢は、着実に改善しています。個人消費は、暖冬の影響を受けつつも持ち直しています。

【東海】 改善している(→)
生産は、輸送機械が高水準で推移し、電子部品・デバイスは一部に弱い動きがみられるものの増加しています。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが堅調であることから、緩やかに持ち直しています。

【北陸】 改善している(→)
生産は、電子部品・デバイス、化学を中心に高水準で推移しているものの、一部で先行きに懸念も出ています。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアを中心に持ち直しています。

【近畿】 緩やかに改善している(→)
生産は、生産用機械等に牽引され、緩やかな持ち直しの動きがみられます。個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、免税品や高額品が引き続き好調で緩やかに改善しています。

【中国】 持ち直している(↗)
生産は、平成30年7月豪雨の影響からの回復の動きが継続し、緩やかな持ち直しの動きがみられます。個人消費は、各種セールやキャンペーン等の効果もあり持ち直しの動きとなっています。

【四国】 緩やかに持ち直している(→)
生産は、汎用・生産用機械、プラスチック製品などが需要堅調で緩やかな持ち直しの動きがみられます。個人消費は、気温が高めに推移し、秋冬物衣料など季節商品に影響がみられたものの持ち直しの動きとなっています。

【九州】 緩やかに改善している(→)
生産は、高い水準を維持しています。設備投資は、省力化に向けた投資、店舗の改装や設備の維持更新への投資がみられます。個人消費は、鍋物商材や冬物衣料の動きが鈍いものの、高額品及び化粧品は引き続き堅調に推移しています。

【沖縄】 改善が続いている(→)
観光客数の増加、雇用環境の改善等を背景に、個人消費は改善が続いています。また、設備投資も持ち直しています。

※前回調査時の景況判断と比較して、上方に変更の場合は「↗」、変更がない場合は「→」、下方に変更の場合は「↘」としています。

関連資料

担当

地域経済産業グループ 地域経済産業調査室長 安藤
担当者:春田、美留町、芳賀
電話:03-3501-1511(内線:2731~4)
03-3580-4987(直通)