1.  11月20日(現地時間同日),コモロ連合の首都モロニ市において,我が方小笠原一郎駐コモロ大使(マダガスカルにて兼轄)と先方マルセル S・ワタラ国連児童基金(UNICEF)コモロ事務所代表(Mr. Marcel S. OUATTARA, Representative of the UNICEF Comoros Office)との間で,また,同大使と先方スエフ・モハメド・エル・アミン外務・国際協力大臣(H.E. Mr. Mohamed El Amine SOUEF, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で,それぞれ無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。

    1 無償資金協力「重度急性栄養不良対策拡充計画(UNICEF連携)」(供与額1億7,600万円)
     コモロでは,貧困,栄養失調に対応するサービスの不足,啓発不足等に起因する子どもの栄養失調が深刻です(5歳未満児のうち30%が慢性的栄養失調,11%が急性栄養失調)。
     この協力は,栄養補助食品の供与,栄養不良児のための集中医療センター・教育センターの改修・機材供与及び研修等を行うことにより,母子の栄養改善・栄養不良予防のサービスへのアクセスを改善し,もってコモロの栄養不良改善を図るものです。これにより,15,000人以上の重度急性栄養失調児に対する治療が可能となります。

    2 無償資金協力「食糧援助」(供与額3億5,000万円)
     コモロは,国連開発計画(UNDP)人間開発指数(2017)で189か国中165位に位置付けられる後発開発途上国の一つであり,貧困,食料不足が深刻です。同国では,コメが主食ですが,火山島のため稲作を含む農耕に適した土地が少ないことから,食料自給率が低く(コメの自給率は0%),また,天候不順や脆弱な財政基盤もあり,食料不足に直面しています。
     この協力は,同国に対し,食料安全保障の改善及び栄養状態の改善等を目的として,我が国政府米(4,600トン程度)による食糧援助を実施するものです。
     我が国は,2016年8月に開催した第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において,食料安全保障の促進を表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具体化するものです。

    [参考]コモロ連合基礎データ
     コモロ連合の面積は2,236平方キロメートル(東京都とほぼ同じ),人口約80万人(2016年,世界銀行),一人当たり国民総所得(GNI)は760米ドル(2016年,世界銀行)。