【河野外務大臣】日本の外務大臣として初めて「地中海対話」に出席をいたしました。アジアからも初の大臣出席というふうに伺いました。
対話のセッションでは,地中海地域とインド太平洋地域 との深いつながりを強調しながら,両地域の連結性の強化の重要性について話をいたしました。
「河野四箇条」に沿った取り組みについて,「ジェリコ農産加工団地(JAIP)」に焦点を当てて紹介をいたしました。このJAIPでつくられた製品をぜひ地中海地域でも輸入してほしいと,製品の実物を持ってきましたので,それをお見せしながら訴えた時には,会場から大きな拍手をいただいて,ちょっと手応えがあったかなと感じました。
先月のマナーマ対話に続いて,日本の中東の安定に向けた考え方やJAIPのような日本の息の長い取組について発信をすることができましたが,継続的な発信の重要性を再確認いたしました。
その後,イランのザリーフ外務大臣と,約1時間にわたってワーキングランチを行いました。二国間関係,特に核合意,地域情勢について率直な意見交換を行うと同時に,来年外交関係樹立90周年となりますので,それを素晴らしい年にしていこうということで確認をいたしました。
その次にアブルゲイト・アラブ連盟事務総長と会談をし,日本とアラブ連盟との協力関係の強化について意見交換を行うと同時に,今年度内にぜひアブルゲイト事務総長に訪日をしていただきたいという訪日の要請をいたしました。
ロシアのラヴロフ外務大臣との間では,平和条約締結問題を中心に,シンガポールでの首脳会談の結果を踏まえて議論を行いました。「1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」という首脳間の合意を踏まえて,外相間でも議論を深めていくことを確認いたしました。
バチカンでは,パロリン国務長官への表敬,ギャラガー外務長官との会談を通じて,日本とバチカンのさらなる関係強化を図るとともに,ローマ法王の訪日実現に向けた意見交換を行いました。
また,本日,2025年の万博,大阪開催が決定したことを,たいへん嬉しく思います。私からは以上です。

質疑応答

【記者】先ほど冒頭少しお話ありました日露の外相会談なんですけれども,先の日露首脳会談を踏まえて確認したとのことですが,もう少し具体的にどういったやりとりがあったのかを教えられる範囲で結構ですので教えてください。

【河野外務大臣】首脳間の合意を踏まえて外相間でもしっかりと議論をしていこうということにいたしました。テタテも行いながら,この平和条約締結問題について少し突っ込んだやりとりをいたしました。

【記者】今回お話をしてみて,大臣としては手応えというのはいかがお感じでしょうか。

【河野外務大臣】首脳間ですでに条約交渉の加速化をしようということで,合意をされておりますので,その合意をしっかりと形にしていきたいと思います。

【記者】最後のバチカンとの会談の件でお伺いしたいんですけれども,法王が訪日の意向ということで,その具体的な時期等についてバチカン側から何かありましたでしょうか。

【河野外務大臣】これから時期その他についてはしっかり調整をしていきたいと思っております。法王に訪日の強い希望があるということで,ぜひ日本でお迎えをしたい,歓迎したいということは申し上げました。

【記者】ロシアに戻るんですけれども,2島の引き渡しを明記した1956年の宣言をもとに,としていますが,ロシア側は2島の主権も交渉対象に入るということを公に何度も言ってますが,今日はそういった日本の立場とロシアの立場についてのやりとりはあったんでしょうか。

【河野外務大臣】内容については一切差し控えます。

【記者】万博の開催について大阪に決まりましたが,大阪開催に期待されることをもう少しお願いします。

【河野外務大臣】おかげさまで,オールジャパンの取り組みが功を奏したと言ってよろしいかと思います。ロシアとアゼルバイジャンが相手だったわけですが,両国の健闘を称えたいと思いますし,これを一つのインバウンドの起爆剤にしていきたいと思いますし,大阪を中心に近畿圏のさらなる発展の起爆剤にしていきたいと思っております。さまざまな21世紀の日本の目指している夢というようなものをですね,世界にしっかり発信できる場になるように,ぜひ関係者の皆様には,これからスタートラインに立ったわけですから,頑張っていただきたいと思います。

【記者】ロシアの関連なんですけれども,今後も外相間で首脳合意を実現するためにやっていきたいとのことだったんですけれども,具体的にまた直接会って協議されたりですとか,位置づけとしてどういう,懸案事項をやっぱり外相として話し合っていくというイメージでいいんでしょうか。

【河野外務大臣】これからしっかりとしたフォーマットについては,首脳間で合意をした上で進めることになると思いますが,外相間でもしっかり活発に議論していきたいと思います。