農林水産省・新着情報
坂本農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和6年9月20日(金曜日)10時50分~10時59分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
福島第一原発の処理水のモニタリングが拡充される方針が固まる中、中国の日本産水産物の輸入が再開する方向での調整が進んでいるとのことですが、長らく中国が輸入を規制していることを踏まえて、受け止めと今後の働きかけ、輸入再開の展望について聞かせてください。
大臣
報道については、承知しています。ALPS処理水の海洋放出に関する中国側との意思疎通は、これまでも様々なレベルで行ってきていますが、相手国との関係等にも鑑み、コメントは控えたいと思います。
農水省としては、引き続き、科学的根拠に基づかない輸入規制措置の撤廃に関して、政府一丸となって、粘り強く働きかけていきます。
記者
ロシア政府幹部が、日本産水産物の安全性を確認しながらも、輸入の規制は続ける考えを示したとされていますが、受け止めとロシア側に対する働きかけについて、考えをお願いします。
大臣
報道ベースでは承知しています。昨年8月のALPS処理水の海洋放出に伴い、原発事故に輸入規制を行う国・地域のうち、中国、ロシアが日本産水産物を全面的に輸入停止、香港、マカオが10都県の水産物等を輸入停止とする規制強化を実施しました。
これらの輸入規制を続ける中国、ロシア等に対し、日本政府はこれまで二国間での会議の場や、国際的な議論の場において、規制の即時撤廃を働きかけています。
引き続き、日本産食品に対する科学的根拠に基づかない輸入規制の即時撤廃を、政府一丸となって強く働きかけてまいります。
記者
2024年産米の等級検査について、昨年は猛暑による高温障害で一等米の比率が下がるという事態がありましたが、足元の状況と今後の見通しについて教えてください。
大臣
令和6年産米については、8月30日に公表した作柄概況(8月15日現在)では、総じて天候に恵まれ、やや良と良で12道府県となっています。他方、農産物検査の等級は収穫後に判明することから、全体の状況が明らかになるのはこれからになります。全体として良、やや良ということですが、等級についてはこれからということで、今後とも本年産米の作柄をよく注視してまいります。
記者
UAEとのEPAについて、先日交渉入りが決まりましたが、農林水産分野の交渉で力を入れたい点や、どのような姿勢で臨むのか、考えを聞かせてください。
大臣
今般、日本国政府とアラブ首長国連邦(UAE)政府は、日・UAE経済連携協定(EPA)の交渉を開始することを決定し、その旨を一昨日18日、公表しました。私自身も今年7月にUAEを訪問し、中東地域への輸出のハブとしても有望であると感じています。
我が国からUAEへの農林水産物・食品の輸出額は、2023年に88億円と過去最高額となっており、また、先月8月1日には新たに輸出支援プラットフォームも設置されました。更なる輸出拡大が期待できると考えています。
今後の貿易交渉においては、国内の農林水産業や食品産業の振興に向けて最善の結果が得られるよう、農水省として的確に対応していきます。
記者
米の価格高騰で、消費の落ち込み、(在庫の)ダブつきが懸念されますが、見通しと受け止めをお願いします。
大臣
米の価格の上昇により、消費者の需要が減少するのではないかとの懸念の声があることは承知しています。
米の取引価格は、需給バランスなど民間の取引環境の中で決まっていくものであり、農水省としてコメントすることは差し控えますが、今後、需給バランスの中で、落ち着いていくものと考えています。
農水省としては、米の需給を注視し、引き続き、丁寧な情報発信に取り組んでまいります。
記者
今朝、総務省が発表した消費者物価指数の8月分ですが、米類が前年同月と比べてかなり大幅に上昇しています。消費者にとっては打撃かと思いますが、受け止めと農水省として何か考えている対応があればお願いします。
大臣
総務省による米の消費者物価指数については、本年8月で122.1と昨年同月の95.2と比べて上昇しているところで、おっしゃる通りです。
これは、近年、新型コロナウイルスの影響により米の需給が緩和基調で推移してきた中で昨年8月の指数が低い水準にあったことに対して本年8月においては、南海トラフ地震臨時情報とその後の地震や台風等により買い込み需要が発生したことなどによって、一時的に需給がより引き締まったことなどによるものと考えています。今後とも、需給と価格の動向について注視してまいります。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上