経産省・新着情報
2024年9月20日(金曜日)
11時04分~11時17分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
ペロブスカイトのグリーンイノベーション基金採択
おはようございます。
まず、私から1点申し上げます。
本日、グリーンイノベーション基金事業といたしまして、次世代型太陽電池ペロブスカイトにつきまして、世界初のメガソーラービルの壁面や、体育館など耐荷重性の低い屋根に設置する実証プロジェクトの採択を公表いたします。事業の実施者は、積水化学工業と東京電力ホールディングスであります。
このペロブスカイトを巡りましては、国際的な競争が激化しておりますが、技術開発から社会実装まで切れ目なく支援を行ってまいります。
加えて、強靱なサプライチェーンの構築、価格以外の要素を適切に評価・反映する仕組みの構築など総合的に対応いたしまして、世界に引けを取らない「規模」と「スピード」を実現して、世界をリードしていきたいと考えています。
私からは以上です。
質疑応答
中国による日本産水産物の輸入規制、燃料デブリの試験的取り出し作業
Q:1点目。日中両政府が中国による日本水産物の禁輸措置を撤廃する方向で最終調整を行っていると報じられております。事実関係について確認させてください。
もう一点目が、東京電力ホールディングスは、福島第一原子力発電所での試験的なデブリ取り出し作業を17日に再び中断しました。遠隔操作室のモニターにカメラの映像が映らなくなったことが原因ですが、作業が難航していることの受け止めをお聞かせください。また、再度中断を受け、大臣から東京電力に対して何らかの指導を行う考えはありますでしょうか。お願いいたします。
A:まず、中国ですが、報道はもちろん承知をしています。
ALPS処理水の海洋放出につきましては、IAEAや、中国を含む関係国との間で、様々なレベルで意思疎通を行っていますが、そのやり取りの詳細につきましては、相手国との関係などにも鑑みまして、お答えすることは差し控えたいと思っています。
なお、中国による日本産水産物の輸入規制につきましては、外務省など、関係省庁とも連携をいたしまして、科学的根拠に基づく正しい理解が進むよう取り組んでいくとともに、引き続き輸入規制の即時撤廃を強く求めていきたいと考えております。
それから、デブリですが、東京電力福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出し作業については、原子炉格納容器内の燃料デブリを「つかんで保持する作業」、いわゆる「把持作業」の開始に向けて、事前の確認作業、これを実施していたところでありますが、17日、燃料デブリを取り出すための装置の先端に取り付けたカメラが動作していないということを確認いたしまして、東京電力において状況の確認を行っていました。
その結果、原因はカメラ本体に起因する可能性が高いと判断されたために、今後、カメラを含めた取り出し装置を格納容器外まで引き戻す作業を行うという報告を受けています。
福島第一原発における燃料デブリの取り出しは、世界にも前例のない難易度の高い作業でもあります。高線量下の作業でもありまして、今回の事態に限らず、今後、様々な困難に直面することも想定されます。そういう難しい作業だと思います。まずは試験的取り出し作業の完了に向けまして、作業上の安全にも細心の注意を払いながら、一步一步着実に作業を進めていくことが重要なのだろうと考えています。
東京電力には、原因の調査とそれに基づく対策に万全を期してもらいたいと考えておりますが、現時点で私から改めて東京電力に対して指導をするということは考えていません。
次世代半導体支援
Q:次世代半導体の量産化支援の法案について2点お伺いいたします。
昨日、一部報道で、年内の臨時国会提出を断念し、来年の通常国会に提出する方向で調整中と報じられていますが、いつ頃法案を提出したいお考えかお聞かせください。
関連でもう一点なのですが、この法案は岸田首相の指示を受けたものですが、岸田首相は退陣します。このことが法案の提出に影響するのか、あるいは新たな内閣になっても法案を提出する方針に変わりないのか、方針をお聞かせください。よろしくお願いします。
A:まず、次世代半導体の量産化に向けた関連法案につきましては、これまで臨時国会に提出すると決定をしたことはありませんが、できるだけ早期に提出し、成立させるべく取り組んでいるところであります。
他方、現実問題として次期臨時国会に提出をするということは難しくなってきているかなとは考えています。ラピダス・プロジェクトでは、DXやGX、経済安全保障の確保の観点から不可欠であります次世代半導体を開発しておりまして、いずれにいたしましても2027年の量産開始というスケジュールに悪影響を与えないように、法案に関する必要な検討を進めていきたいと考えています。
それから、新しい政権のお話がありましたが、法案の提出につきましては、当然のことながら新たな総理・内閣において判断していくということになるわけでありますが、経済産業省としては、骨太の方針2024や総理から指示された方針を踏まえて、法案提出に向けて、引き続き、しっかりと検討を進めていくということであります。
中国深圳で日本人学校児童が襲われた事件
Q: 中国の深圳で日本人の男の子が刺殺された件について、深圳には日本企業も多く進出して動揺が広がっていますが、今後の影響や対応について、岸田総理は昨日政府としてできることは全て行っていかなくてはいけないとおっしゃっていましたが、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
A:登校中に男性に襲われて負傷し、病院で治療を受けていた深圳日本人学校の児童が19日未明にお亡くなりになられたことにつきましては、私も子を持つ親として深い悲しみを禁じ得ませんし、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
日本政府としては、本事件発生後、ただちに現地へ在広州総領事らを派遣いたしまして、御遺族の方に必要な御支援を行っているところであります。
また、中国側に対し事実関係の説明を求めるとともに、日本人の安全確保について万全を期すよう強く求めたところであります。引き続き全力で御家族の支援に当たっていきたいと思っております。
中国に進出する日本企業にとりまして、従業員やその家族の安全というものは最重要課題であります。経済産業省といたしましても、中国日本商会等と連携しつつ、中国政府に対し、あらゆる機会を通じて日本人の安全確保や再発防止、これをしっかりと求めてまいりたいと考えています。
自民党総裁選、解雇規制の見直し
Q:総裁選についてお尋ねいたします。
大臣が支持を表明されました小泉議員は、解雇規制の見直しを掲げて総裁選に出馬されております。企業や労働者の経済活動に大きな影響を与えるテーマだと思うのですが、この解雇規制の見直しについて、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか、よろしくお願いいたします。
A:どういう立場で答弁するか難しいのですが、大臣としての見解ということでありますので、まず、総裁選で議論されている解雇ルールの見直しやその影響等につきましては、政府の立場でコメントすることは適切ではないと考えるため、差し控えざるを得ないわけでありますが、その上で一般論を申し上げれば、今後、労働供給制約、これは本格化していきます。中小企業を含め日本全体での人的資本投資を拡大していくということが重要になっていきますし、さらには、GXなど成長分野等への労働移動の円滑化によって、一人一人が適材適所で活躍できる環境、これを整えていくことも重要であると考えています。
現在の解雇ルールにつきましては、無効な解雇がなされた際に迅速かつ十分な額の金銭補償を受けにくいとの御指摘や、いわゆる整理解雇の四要件のうち解雇回避の努力要件が厳しいなど、これは労使双方から指摘が従前からありまして、様々な議論が積み重ねられてきているところでございます。
今後、日本型雇用システム全体を見直す中で、バランスの取れた議論を行っていくことが重要だと考えています。
電力需給
Q:送配電事業者への電力需給の改善指示というのが9月に入って頻発するように見受けられますけれども、経済産業省としてどのように理由を捉えていらっしゃるのか、大臣として何らかコメント、メッセージなどいただけたらと思っています。
A:まず、9月も猛暑日などの厳しい暑さが全国的に続いておりまして、電力需要も引き続き高い状況にあります。
また、供給力に関しましては、一部の発電所が冬場の稼働に向けて補修・点検に入る時期になっておりまして、一時的に供給力が低下をしています。このため、電力需給は、通常よりも厳しい状況になる日がありますが、エリア間の電力融通、あるいは火力発電所の増出力運転などの供給力対策の実施、あるいは発電所の補修・点検時期の調整などによりまして、安定供給は確保できています。
今後につきましては、気象庁の発表によると、今後1か月の気温は平年よりも高くなることが見込まれています。そのため、緊張感を持って状況を注視するとともに、仮に厳しい状況が見込まれる場合には、先程申し上げたような供給力対策などを適切に実施することによりまして、電力の安定供給確保に万全を期していきたいと考えています。
なお、ご家庭を含め、電力の需要家の皆様におかれましては、熱中症予防のためにも、冷房など、これは適切に御使用いただければと思っています。
自民党総裁選、選択的夫婦別姓
Q:先ほどの総裁選の質問に絡むのですけれども、小泉氏の支持を表明されて、刷新できる候補者というのを理由に挙げられました。先ほど解雇規制のお話もありましたが、政策に関してはどういうところを期待されているか、また、選択的夫婦別姓などについても候補者の間で議論になっていますけれども、それに対する大臣のお立場を教えていただけますでしょうか。
A:ここは大臣としてお答えをするべき質問ではないと思いますので、割愛させていただきます。
以上
最終更新日:2024年9月20日