厚労省・新着情報

(令和6年9月6日(金)11:15~11:34 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:

昨日公表した毎月勤労統計調査令和6年7月分の速報値において、名目賃金の対前年同月比はプラス3.6%、実質賃金はプラス0.4%となりました。実質賃金は2か月連続でプラスとなりました。賃上げの明るい動きが着実に現われてきているものと認識しています。実質賃金がプラスとなった要因としては、基本給を含む「所定内給与」が2.7%と、31年8か月ぶりの高い伸びとなっていることに加えて、前月同様、賞与を含む「特別に支払われた給与」が大きく増加したことが寄与しています。あわせて、今年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,055円、過去最高の51円の引上げ額となっており、秋以降、非正規雇用労働者や中小企業への波及に資するものになると考えています。持続的な賃上げに繋がっていくことを期待したいと思います。 
次に、先ほどの閣議で「令和6年版労働経済の分析」を報告しました。今年は「人手不足への対応」をテーマとして、近年、人手不足が広範囲にわたっていることを明らかにしたほか、介護分野と小売・サービス分野に焦点を当て、ICTの活用や機械化の対応が人手不足や業務効率化に効果的であることを示しています。引き続き、今回の分析も踏まえて、人手不足緩和に向けた取組を進めていきます。 

質疑

記者:
先日、都道府県別の男女の賃金格差が公表されました。この数字の受け止めと、特に地方での男女の賃金格差の是正に向けて、今後、厚生労働省としてどういった取組が必要と考えられるでしょうか。 
大臣:
男女間の賃金格差や女性の就業状況等は、地域ごとに違いがあります。このような実態を各地域の関係者にご認識いただき、そして地域ごとの課題分析や、対策の検討のきっかけにしていただきたいとの趣旨で、「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」において資料をお示ししたところです。同プロジェクトチームでは、地域における男女間の賃金格差の解消に向けて、車座対話の開催などの取組を進めていくことが確認されたと承知しています。厚生労働省では、女性活躍推進法に基づく、男女間賃金差異の公表や企業の行動計画の策定、それから取組等を支援しています。地域での取組を共に進め、男女間の賃金格差の是正に向けて引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えています。 
記者:
長崎の被爆体験者を巡る県・市との協議について伺います。9日に長崎地裁での判決を控えていますが、先月、岸田総理から指示のあった被爆体験者の方々に対しての合理的解決に向けた県・市との3者協議について、日程など何らかの進展はありますでしょうか。スケジュールなどわかっていることがあれば教えてください。また、具体的解決策についていつ頃までに示したいか、お考えを教えてください。 
大臣:
8月9日(金)に、総理から、早急に課題を合理的に解決できるよう、長崎県・長崎市を含め、具体的な対策を調整するようご指示がありました。長崎県、および市とは日頃から連携して担当者同士の間で緊密に連携を取り合っています。総理のご指示についてもそこで調整を進めています。現時点では、いつまでに結論を得るかということについて明言することはできませんが、「早急に」という総理のご指示を踏まえて、とにかく早めに結論が得られるように取り組んでいきたいと思います。つい先達ても、式典の御礼に担当者の方といらした時にも、実際に協議が行われましたし、また別にも実際に協議が実はいくつも行われています。したがって、日々こうした協議を進めながら、総理のご指示にしっかりと基づいて早くこうした結論を得るように努力していきたいと思っています。 
記者:
新型コロナワクチン接種による突然死について伺います。現在、予防接種健康被害救済制度において新型コロナワクチン接種による死亡と認定された事例が777名となっております。調べたところ、もっとも多い疾病名・障害名が「突然死」でした。207名が死亡認定を「突然死」でされています。それに関連して3点伺います。1つ目、新型コロナワクチンを打つとなぜ突然死をするのか、突然死が多いのか、解明されているのでしょうか。2つ目、40歳未満の突然死は23名認定されていますが、全て男性です。なぜ若い世代は男性に偏って突然死が起こるのか、解明されていますでしょうか。3つ目、突然死で認定されている方は接種から何日後が多いのでしょうか。また接種から最長で何日後の突然死が認定されているのでしょうか。教えていただければと思います。 
大臣:
ご指摘の課題等を含めて、コロナワクチンの安全性については、審議会において死亡例を含めて副反応報告全例を評価しており、その情報というのは公開されています。そして、審議会では現時点ではワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないという評価をしているところです。一方で、ご指摘のワクチンの予防接種健康被害救済制度というものは、被接種者や遺族からの申請に基づいて、予防接種と健康被害との因果関係を個別に審査会で審査した上で幅広く救済しているものであり、ワクチンに関わる安全性の評価を目的としているわけではありません。お尋ねのワクチン接種と突然死の関係についての解明は、ここでは行っているということではありません。それから、お尋ねの突然死を含めた健康被害救済の審査結果に関わる詳細については、個別の事情がそれぞれ異なります。個別の事情となってくることに関しての回答は、ここでは控えさせていただきたいと思います。 
記者:
突然死の死亡認定について、何日後は認められているか、最長のものは何日かというのは、このワクチンで突然死がいつ頃起こるかということを国民も理解しておいた方が良いと思いますが、そこはお答えいただけないでしょうか。 
大臣:
これはやはり、個別の案件というものについては慎重に取り扱う必要性が、それぞれ個別の案件についてはその背景が異なります。したがって、個別の事例ということについての回答はここでは控えさせていただきたいと思います。 
記者:
ただ、この救済制度において安全性の評価はないということですが、これだけ突然死が異常に多いという状況です。さらに、10月からコロナワクチンの定期接種がいわば再開されるわけですが、国民としては、このワクチンを打つと突然死をする、そのリスクがあるという理解をしていた方が良いかと思いますが、そういった理解でよろしいでしょうか。 
大臣:
安全性については、救済制度で検討しているわけではありません。安全性については、「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」、それから「薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」というのを合同で開催し、そこで安全性についての評価は行っているということを、最初に実は申し上げました。 
記者:
そこで2,204名の死亡事例がありますが、99.4%が評価不能になっていますので、そこを見ても評価不能にしかならないです。そのため、救済制度の死亡認定を拝見していますが、そこで突然死があまりにも多いです。これは問題だとは思いませんか。突然死をたくさんの方がされている、武見大臣はそれを認めて約4,500万円払っているわけです。これだけの方に。それは重大な懸念ではないのでしょうか。 
大臣:
突然死の定義は難しいです。報告件数について明確な数値をお示しすることは、実は非常に難しく困難です。報告された副反応に突然死を含む症例を検索したところ、おおよそ20~30例程度報告されています。新型コロナワクチン接種後の死亡疑いの症例については、個別に因果関係の評価を実施しています。これらの突然死を含む症例について、いずれも情報不足等によって因果関係が評価されていないということが、現実で、評価ができないということが実際評価されています。その上で、新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状の報告については、定期的に開催している審議会において、慎重に評価を行っています。審議会において現時点では、これまでの報告によってワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないという評価がそこで行われていることを踏まえて、私が判断しています。 
記者:
突然死の定義が難しいとおっしゃいましたが、私が最初に申し上げたのは、厚生労働省が突然死として認定している例が207名あるということです。厚生労働省が突然死ということで公表されています。異常ではないでしょうか。救済制度の話です。 
大臣:
これは今申し上げた通りです。 
記者:
mRNAワクチン接種と輸血の問題について質問します。8月30日の定例会見にて、武見大臣の「今のところmRNAワクチン接種者由来の血液製剤による副作用の報告はない」という答弁に対し、「接種者・未接種者の区別が行われていない現状で、接種者・未接種者いずれかに特定した報告は、そもそも不可能ではないか」と質問をしました。厚生労働省のウェブサイト上で「血液製剤の安全対策について」という冊子が閲覧可能となっていますが、その中に「感染症等の検査」という項目があります。そこには「問診と採血基準の検査を経て採血された血液は、血液製剤としての安全性を確保するため、感染症等のための検査が行われます。ここで不適とされた血液は、製剤として用いることはありません」とされており、その検査法として、体内に侵入した病原体(抗原)や病原体を攻撃するために作られたタンパク質(抗体)を検出する「抗原・抗体検査」というプロセスが紹介されています。厚生労働省が現在、「献血・輸血時のワクチン接種・未接種の区別を行っていない」理由は、この「抗原・抗体検査」が、接種・未接種の区別と同様の役割を果たしているからではないかと推察しますが、これは正しい認識でしょうか。ご教示ください。 
大臣:
ご指摘の血液製剤の製造工程における「抗原・抗体検査」、これは献血者が血液を介して感染する病原体に感染している可能性がないかを確認するために行うものです。この検査を経て適切とされた血液だけを血液製剤の原料として使用しています。コロナは血液を媒介とした感染ではありませんので、この対象にはなっていません。また、我が国では、審議会における新型コロナウイルス感染症に関する知見等を踏まえて、ワクチン接種後の一定の時間を経過していない方に採血制限を設けていますが、これは接種後の採血によって体調不良を引き起こすリスクなど、献血者の安全を確保することを目的としたものです。いずれにしても、厚生労働省では「「抗原・抗体検査」というものが接種・未接種の区別と同様の役割を果たしている」とは考えていません。 
記者:
mRNAワクチン接種後の輸血による健康被害というリスクが、少なからず色々な識者の方から発表されていますが、そういった現状で、接種者・未接種者を区別しないまま輸血のための血液製剤を使うということはやはりリスクがある話だと思いますが、それに基づいて、今のところ接種者の血液由来の健康被害の報告が今のところないと言われても、にわかには安心できないところがありますが、その点はいかがでしょうか。 
大臣:
血液製剤の安全性というものについては、私どもは常に極めて慎重に考えています。医薬品医療機器等法に基づいて、医師や製造販売業者から常に国内外の情報はまず収集しているところです。これまで新型コロナワクチンの接種者の献血血液由来を原因として、血液製剤の副作用が生じたという報告は、私ども承知していません。したがって、今後とも引き続き血液製剤の安全性については、しっかりと確保することに努めたいと思います。 
記者:
献血という行為は国民の善意に基づく制度です。そして、輸血は国民が人生の危機的状況において必要とするものです。この国民の福利厚生を根幹から支える制度がリスクに晒され、そのことについては少なからず国民が不安を抱いている現在、政府並びに厚労省はより主体的かつ、よりきめ細やかに国民の不安払拭に取り組むべきだと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。 
大臣:
厚生労働省は常にこうした献血等に関わる健康被害が起きないように、その安全性の確保については、その時点における科学的な根拠に基づいて万全を期するということを行ってきています。この基本姿勢は引き続き堅持されるべきもので、実際に私もその通りしっかりと指示を出し、安全性の確保に努めていきたいと思います。 

(了)

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