厚労省・新着情報

日時

令和6年3月18日(月)15:00~17:00

場所

会議会場及び傍聴会場 厚生労働省専用第21会議室
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館17階)

議事

議事内容
○山本(眞)部会長 定刻になりましたので、ただいまから第86回「労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会」を開催いたします。
 今回から、労働者代表委員の奥山義彦委員が新たに着任されております。よろしくお願いいたします。
 本日は、労働者代表委員の長谷部委員と使用者代表委員の藤原委員が御欠席でございます。
 また、清水委員、高木委員、清田委員、須永委員、間利子委員につきましては、オンラインで出席いただいております。
 本日は、全委員の3分の2以上の御出席をいただいておりますので、労働政策審議会令第9条の規定による開催に必要な定足数を満たしております。
 本日の部会は、対面のほか、オンライン形式でも御出席いただいておりますので、開催に当たりまして、事務局から、まず御説明がございます。よろしくお願いします。
○大隈勤労者生活課長 事務局でございます。
 本日は、年度末のお忙しいところを御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 なお、事務局のほうですけれども、雇用環境・均等局長の堀井が国会用務のため、遅れて出席の予定となっております。大変恐れ入ります。
 本日は、対面のほか、Zoomによるオンライン参加をいただいております。オンラインの方は、事前にお送りしております「会議の開催・参加方法について」も併せて御参照ください。
 部会の進行中は、会場もオンラインも、皆様のマイクをオフにしていただきますようにお願いいたします。御発言される場合には、会場内の皆様におかれましては挙手を、オンライン参加の方は「手を挙げる」ボタンを押していただき、部会長からの指名があった後にマイクをオンにしていただき、お名前をお名乗りいただいた上で御発言をお願いします。御発言が終わりましたら、オフに戻していただきますようにお願いします。
 なお、本日は対面参加の方とオンライン参加の方と両方いらっしゃいますので、指名の順番については前後することがあるかと思います。なるべく挙手の順番となるように配慮させていただきたいと思いますが、その点、御了承いただきますと幸いでございます。
 それでは、本日はよろしくお願いいたします。
○山本(眞)部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。
 では、早速、議題の「令和6年度の付加退職金支給率について」に入りたいと思います。
 まず、事務局から説明をお願いし、その後、委員の皆様から御意見等いただければと思いますので、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 それでは、引き続きまして御説明申し上げます。
 まず、今日の議題ですけれども、議事次第にございますとおり、「令和6年度の付加退職金支給率について(諮問)」の1件でございます。
 本件の御説明ですが、資料1の1ページが、厚生労働大臣名、労働政策審議会長宛ての諮問文でございます。諮問の内容につきましては、「記」の後の3行の説明ですけれども、内容といたしましては、令和6年度に係る付加退職金の支給率を0.0010とするという諮問でございます。この0.0010の根拠につきまして御説明いたします。
 同じ資料1の5ページを御覧いただけますでしょうか。令和4年度の中小企業退職金共済部会におきまして審議をいただいた内容になりますけれども、付加退職金の支給ルールが記載されたものでございます。
 おさらいとして御説明申し上げますと、右下のほうに棒グラフと折れ線グラフがございますけれども、当面の中退共の累積剰余金の目標を2026年度末に5,400億円と置いて、現時点からそれに向かって累積剰余金を積み上げていくという考えでございますが、今回のケースで申し上げますと、2022年度末の棒が立っていますけれども、4,475億円が累積剰余金でございます。ここから2026年度末にかけて4年間で5,400-4,475、つまり925億円になりますが、4年間かけて925億円を達成するためには、単年度ごとに231億円という目標額が出てまいります。これが単年度目標額でございます。
 その上で、付加退職金の支給ルールは、左下の長方形の箱が書いてある部分になります。ここに縦に長く前年度利益見込額とございますが、そこの横に赤い点線が2つあります。下のほうに、先ほど御説明申し上げた単年度目標額の水準がございますので、前年度利益見込額のうち単年度目標額に達するまでは、薄い灰色で書いてあります剰余の積立てに先に充てることにするというルールです。
 単年度目標額を超えて、なお利益がある場合には、単年度目標額の2倍に達するまでは、今度は、黒い色で塗ってあるところですが、付加退職金に充てていくということでございます。
 さらに単年度目標額の2倍を超えた部分につきましては、剰余の積立てと付加退職金に半分ずつ充てていくというのが原則でございますが、昨年度御議論いただいたルールが、左側の文章でただし書きが書いてある部分でございます。このただし書きのところの3行目からですけれども、付加退職金に充てる額の上限額は剰余金×0.01とするということで、当面は財政安定化のために、付加退職金よりも剰余の積立てに回していき、付加退職金に回す額には一定の上限を設けるという考え方で、剰余金×0.01という上限を昨年度設けたということでございます。このルールにのっとって、今年度の数字を当てはめて付加退職金の率を出すことになります。
 今年度の数字ですけれども、資料1の2ページを御覧いただけますでしょうか。一般の中退共の収支状況の推移ということですけれども、こちらの令和5年度の見込額が今回出た数字になります。令和5年度は、まだ3月の途中ですので、完全に終わってはおりませんけれども、安全率を加味した見込みということで、一定の算定方法に従って見込みを出した数字でございます。
 まず、収入ですけれども、5,532億円ということで、内訳としては、掛金収入、運用収入が主なところでございますが、合わせて5,532億円です。
 それから、支出ですけれども、4,833億円ということで、内訳の大部分は退職金の支出ということになります。
 この差引きが699億円ということで、これが当期損益金になります。
 今年度の特徴としては、令和4年度と比べていただきますと運用収入が大きく違っております。昨年度は、資産運用の成績、金融市場全体が厳しい状況にありましたので、収益としては厳しい状況で、108億円でした。これは自家運用で持っている国債の利回り等に伴うものは計上できましたが、それ以外は損失として支出の運用費用のほうに計上した額となっております。令和5年度につきましては、国内・国外の株式、共に運用成績が好調だったこともありまして、この運用収入で1,222億円を上げることができる見込みとなっております。そうしたことの影響で、当期損益金699億円ということで、昨年度はマイナスでしたけれども、今年度は改善する数値が出る見通しとなっております。
 次のページに、この見込みの算定方法の説明がございます。令和5年度の収支の見込みの算定方法ですが、それ以前の年度も同じ方法で見込みを算定していますので、今年度、特に変えたものではございません。
 まず、1つ目として、毎年、多少変動し得るものとして、「1.掛金収入、退職金支出等」がございますけれども、これは令和5年度について、11月末までの掛金収入と退職金支出の実績をベースにして、その後、12月から3月分までは推計値を加算していますけれども、この推計値の出し方としては、過去3か年の平均値としております。
 あと、変動があり得る部分としては、「3.運用収入」の(2)委託運用でございますが、こちらも令和6年1月末時点までは時価額を置いて、それをベースにして2月、3月について見込みを出したということですが、基本はベンチマーク収益率の過去の統計的データからということでございます。
 2月につきましては、資産ごと、国内・国外の株式・債券のそれぞれの2月のベンチマーク収益率を用いて見込みを出しております。
 また、3月につきましては、まだ残りの期間がございまして、どう動くか分からない部分がありますので、安全率を加味した推計ということで、具体的にはそこに記載のとおり、資産ごとの過去5年間のベンチマーク収益率の「平均値」-2×「標準偏差」ということで、3月残りの期間、かなり下振れしたような場合でも大丈夫なように、振り返ってみたら、付加退職金を払うべきではなかったのに払ってしまったということがないような安全率を加味した推計ということでございます。このようにして出した当期損益金が699億円ということですが、この数字を付加退職金支給率の計算に用いることになります。
 最終的には4ページになりますが、ここも上のところに青と水色の長方形の箱がありますけれども、左側の縦のところに令和5年度利益見込額、先ほどの699億円がここに数字としてはまりまして、黒い点線2本の下のほうが最初に計算した231億円、その2倍が462億円ということですが、令和5年度の利益見込額の699億円は単年度目標額の2倍をさらに上回っていますので、ここに図示されているような関係になります。
 したがいまして、上限額を考えなければ、水色の部分が積立金、濃い青の部分が付加退職金に回るということですが、昨年度導入いたしました上限額が、この黄色に囲った斜線の網かけ部分として効いてくるということで、ここが45億円となります。前々年度末剰余金の4,475億円に0.01を掛けた額ということでございます。
 結論としては、令和6年度分として付加退職金に回せる支給額は45億円となりまして、一番下のところに書いてある支給率の計算式の分子のほうに入ります。分母のほうは、仮定退職金総額ということで、現在加入されている被共済者の方が全員、今のタイミングで退職されたときに支払う退職金額4兆4,000億円余りですが、それで割った値が付加退職金の支給率ですので、0.0010という内容でございます。
 以上、御説明申し上げたとおり、昨年度、お決めいただいたルールに今年度の実績値の数字を入力して計算したものが0.0010ということでございます。
 諮問の内容は以上でございます。御審議いただければと思いますけれども、併せて説明事項という扱いですが、これも毎年度、3月の部会で御説明している内容ですので、資料2のほうで御説明させていただければと思います。
 資料2、表題にもありますが、付加退職金の支給に関する告示を制定すると、それに伴って関連する様々な率も定める必要がありまして、それが関連告示というものでございます。
 この資料2の最初の2ページは、文章で9つの告示が書いてございますが、文章では分かりにくいので、3ページ以降にポンチ絵の形で資料をつけさせていただきました。こちらで御説明させていただきます。
 3ページですけれども、先ほどの資料2の1ページで1と書いてあった告示の概要です。これは、過去勤務期間を通算する場合の過去勤務掛金の算定についての告示でございます。中退共に新規加入される事業主は、中退共の加入の前に従業員が勤務していた過去勤務期間を中退共に加入していた期間とみなして、加入後の期間と通算することができるという仕組みになっております。
 下に例として絵が描いてありますが、この例で言えば、令和6年4月に新しく加入された事業主の方は、加入後に掛金を納めていただくのが原則ですけれども、この場合、8年前から雇っていた従業員がいるので、8年前から加入していたことにしたい場合は、令和6年度のところに書いてあるオレンジ色の部分、過去勤務掛金というのも合わせて払っていただく必要がございます。
 この過去勤務掛金を計算するときの式の中に、付加退職金に関係する率が出てまいります。それが3ページの一番下のところに書いてあるものです。過去勤務掛金を今からいくらずつ毎月納めればいいかという計算ですけれども、過去勤務通算月額、これは過去に毎月いくらずつ納めていたことにするかという額ですが、それに利回りが関係してくるので、予定運用利回りに相当する率、今で言えば1.0%と、付加退職金に相当する率を足した率を掛けて、過去勤務掛金の金額を算出するというものでございます。
 この例で見ますと過去8年間遡るということですので、付加退職金は出る年、出ない年がありますが、このケースでは平成30年度と令和3年度が支給対象になっておりましたので、事業主によって何年遡るかというケースに応じて、この率を定めることになります。具体的には、上半分の青い箱で括った部分の3つ目のポツの最後のほうに書いてありますが、これは過去勤務期間に応じて0~0.03という数字を具体的には定めることとしてございます。
 それから、2つ目、4ページでございますが、2の告示の概要でございます。分割支給率に加算する率ということですけれども、中退共の退職金は、退職時に一時金として受給する場合のほか、一定の場合には分割払いを選択することもできることになっております。年4回で5年間、又は年4回で10年間を選べるということですけれども、これも下の例で御覧いただければと思いますが、5年分割支給を選択すれば、結局、年4回なので20回に分けて受け取るということですので、1回ごとに定額いくらとして設定すればいいかという計算が必要になります。
 吹き出しのように書いていますけれども、分割退職金は「一時金×(51/1000+α)」の定額として計算することになっております。1000分の51というのは、予定運用利回り1%に相当する部分ですけれども、プラスαというのが、将来、付加退職金が出るかもしれないということで、仮の係数として置いてあるものでございます。ただ、付加退職金は制度創設当初は毎年出るものとして考えられておりましたけれども、現在は毎年の資産運用によって、出る年、出ない年があって、あらかじめ見込めないということですので、近年はずっとゼロという形で数字を置いておりますので、今回もゼロということでございます。
 それから、5ページ、3の告示の概要でございますが、今の分割支給の話と同じ内容ですけれども、この場合は、分割支給を開始された被共済者の方が途中でお亡くなりになったような場合、このときはその先に受給するはずだった残余の額は、一括して遺族等に支給するということですので、この一括して支給するときの金額を出すということですが、ここも予定運用利回りがありますので、逆に1%で割り引くという計算をいたします。これは先ほどの2の告示で、αというところに、ゼロでない、別の数字を置いていた場合には、その分を加味して割り戻す等の操作が必要になっていたところですが、今回は2の告示でαはゼロとするので、ここで戻してくる場合は、単に予定運用利回りの1%にすればいいということで、そのような内容の告示を定めるというものでございます。
 それから、あと2つございますけれども、ほとんど同じような内容のものが2つということでございます。
 まず、6ページですけれども、これは最初のページにあった9つのうちの5、6、7、8、9に相当する部分でございます。これは下の図のほうで見ていただければ分かりやすいかと思いますが、左側のほうに5、6、7、8、9とございます。適格退職年金とか解散厚生年金基金など、もともとの制度で掛金を掛けておられたような方が中退共に移ってきた場合の計算の仕方でございます。
 もともとの制度で加入期間X月納めていただいた方の資産というのは、中退共に移ってこられるときに中退共側でも移換元制度の加入期間X月を上限として、掛金月額を通算して中退共に当てはめ、その先は中退共で掛金を納めていただくという、この①で書いている退職金カーブに乗せていくという計算ですが、この①のほうに通算しきれない端数とか残余の額が出る場合がありますので、それは下に矢印が出ているほうの残余額、②ルートで計算して、従業員の方が退職されたときに①と②のルートの計算、それぞれで合わせて退職金としてお支払いするということです。
 この②ルートのほうは、予定運用利回りと付加退職金に相当する利率を加えた利率で外付けで運用することになっていまして、ここの付加退職金に相当する利率を定める必要があります。ここを今回、令和6年度の付加退職金支給率を0.0010とすることを踏まえて、0.1%と定めたいという内容でございます。
 最後、7ページでございます。これは4、6、7、9の一部と対応する部分ですが、先ほどとほとんど同じでございますが、もともとほかの制度に入っておられて、特に6、7、9の場合について、中退共にも入っておられた上で、例えば9のDB・DCに入っておられた方が、中退共側に移換してくるケースで、この場合、例えば9で言えば、DBとかDCの部分の資産というのは、もともと中退共に入ってスタートしている状態の方ということなので、そこに重ねて中退共を始めることができないということで、全額、外付けの②ルートで計算して、最後に中退共の退職金と合わせてお支払いするというルートになります。この②ルートの付加退職金に相当する利率を定める必要がありますが、先ほどと同様に、令和6年度の付加退職金支給率が0.0010ですので、0.1%と定めたいという内容です。
 いずれも非常に技術的な内容で恐縮ですが、これが付加退職金の支給率を定めるときに併せて定める関連告示の内容でございます。
 資料1が諮問の内容、資料2が関連告示ですけれども、事務局からの説明は以上です。併せて、本日御欠席の長谷部委員から御意見をお預かりしておりますので、この場で紹介させていただければと思います。
 長谷部委員の御意見です。令和6年度の付加退職金支給率につきまして、資産運用等で改善等を図っていただき、令和5年度の運用収入等見込みは1,222億円と高い伸びとなり、令和6年度は付加退職金が支給される見込みとなったことについて確認させていただきます。
 今後につきましても、付加退職金の制度そのものが形骸化しないように、中退共制度の創設目的である「中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与すること」を踏まえまして、引き続き、付加退職金の支給が可能となる運用の改善等につきまして、資産運用委員会などでの御検討、御論議をよろしくお願いいたします。
 以上の御意見を承っております。
 事務局からは以上でございます。
○山本(眞)部会長 ありがとうございました。
 今の事務局からの説明について御質問や御意見がありましたら、会場の方は挙手をお願いします。オンラインの方は「手を挙げる」ボタンを押してください。私のほうから指名させていただきますので、マイクをオンにしていただいて、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 特に皆様、御意見なくいらっしゃるようなので、そうすると、部会としては、今、説明してくださった厚生労働省案を妥当と認めて、勤労者生活分科会長宛てに報告することにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○山本(眞)部会長 ありがとうございます。
 妥当ということであれば、分科会長宛ての報告書の案文というのを事務局から配付していただいて、オンライン参加の皆様については画面の共有をお願いいたします。
 今、配っていただいたものですが、労働政策審議会令第7条第7項で、この部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、なお、同令の第6条第7項で、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるという定めがございますので、この報告案の内容で厚生労働大臣宛て答申されることになりますが、よろしいですね。
(首肯する委員あり)
○山本(眞)部会長 ありがとうございます。
 それでは、そのように手続を進めさせていただきます。
 本日の議題につきましては以上ですが、このほか、全体を通じて何か御意見あれば承りますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局から、最後、何かあれば、お願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 本日は、答申をいただき、誠にありがとうございました。
 今年度は、本日で最後の開催となりまして、来年度のこの部会の開催につきましては、現時点では日程等未定でございますけれども、また事前調整させていただいた上で、決まりましたら改めて御連絡をさせていただければと思います。
 引き続き、御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
○山本(眞)部会長 それでは、本日の部会は、ちょっと早いですけれども、終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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