環境省・新着情報
2024年04月01日
「小島嶼開発途上国(SIDS)における脱炭素フォーラム」の開催結果について
環境省は国際再生可能エネルギー機関(IRENA)及び緑の気候基金(GCF)との共催で、2024年3月14日及び15日に「小島嶼開発途上国(SIDS)における脱炭素フォーラム」を開催しました。
本フォーラムでは、SIDS、国際機関、日本の自治体及び事業者等より、離島の脱炭素化に向けた様々な取組や利用可能な革新的技術、具体的な支援、課題等が紹介され、活発な意見交換が行われました。
1.開催概要
日程:2024年3月14日~15日
主催:日本国環境省、IRENA、GCF
開催地:オンライン
参加者: 日本国環境省、IRENA(国際再生可能エネルギー機関)、GCF(緑の気候基金)、JICA(国際協力機構)、ADB(アジア開発銀行)のほか、太平洋を中心としたSIDS(小島嶼開発途上国)の行政官、国際機関、日本の自治体及び事業者等約50名(事務局を除く)。
主催:日本国環境省、IRENA、GCF
開催地:オンライン
参加者: 日本国環境省、IRENA(国際再生可能エネルギー機関)、GCF(緑の気候基金)、JICA(国際協力機構)、ADB(アジア開発銀行)のほか、太平洋を中心としたSIDS(小島嶼開発途上国)の行政官、国際機関、日本の自治体及び事業者等約50名(事務局を除く)。
2.結果概要
(1) 本フォーラムは、環境省とIRENAによって2015年より継続して開催している太平洋を中心としたSIDS政府関係者等を対象とした再生可能エネルギー導入支援及び気候資金へのアクセス能力強化等に関するワークショップ等の後継として、脱炭素化に率先して取り組む日本の離島や企業も参画するかたちで、SIDSの脱炭素化に係る具体的な取組や技術及び課題を共有することを目的として開催しました。
(2) フォーラム開催にあたり、朝日健太郎環境大臣政務官から、本年7月に開催予定の「太平洋・島サミット」第10回会合(PALM10)にも言及し、再生可能エネルギーの更なる拡大やネットゼロ実現に向けて電力の安定化や海上交通等の脱炭素化を進める必要があり、我が国を含め各国の知見を共有しながら取り組んでいくことの重要性について述べました。それに続いて、ヘンリー・ゴンザレスGCF副事務局長、グルブズ・ゴヌルIRENAカントリーエンゲージメントパートナーシップ局長より、島嶼国における脱炭素化の重要性及び本フォーラムの成果への期待が表明されました。またツバルのマイナ・タリア内務・気候変動・環境大臣の代理としてファカソア・ティアレイ内務・気候変動・文化・環境・廃棄物省次官より、気候変動の影響を受ける島嶼国の切迫した状況とグローバルに脱炭素化を進めることへの強い要請が示されました。
(3) 初日のセッションでは、脱炭素化に向けた戦略的パートナーシップをテーマに、IRENA、GCF、JICA、ADBから、SIDSを対象とした脱炭素関連の協力プログラム、支援ツール、海洋温度差発電等の再生可能エネルギー技術、資金プログラム等について、具体的なプロジェクト等を交えて紹介されました。
また、日本国環境省から、「離島における再エネ自給率向上ガイド」をもとに、離島における再生可能エネルギーの導入について、取り組む意義や導入を促進するため政策・経験、計画、設計・施工、運用段階それぞれで考慮すべきポイント等を紹介すると共に、久米島での海洋温度差発電や隠岐諸島での再生可能エネルギーと蓄電池(NAS電池及びリチウムイオン電池)を組み合わせた自然災害に対して強靭なプロジェクトについて共有しました。またオーストラリア外務貿易省から「太平洋気候インフラ・ファイナンス・パートナーシップ」について紹介されました。
(4) 2日目は、SIDSにおける脱炭素化に向けた成功事例と課題の共有セッションにて、フィジー共和国、ツバル、バヌアツ共和国、モルディブ共和国より、脱炭素化に向けた目標やロードマップ、目標達成に向けた取組状況や今後の展望と共に直面している課題が共有され、特に資金、土地の制約、技術的専門性を有する人的リソース及び能力開発等が共通の課題であることが認識されました。日本の離島の脱炭素化の取組に関するセッションでは、壱岐市・沖縄電力株式会社・東北電力ネットワーク株式会社・ヤンマーホールディングス株式会社から様々な脱炭素化に関連する技術等について発表されました。
(5) フォーラムの最後には、小川眞佐子環境省特別国際交渉官より、登壇者及び参加者に対して本フォーラムへの貢献について感謝を述べると共に、PALM10の開催を通じた更なる気候変動協力への期待を述べました。
(6) このほか、資金アクセス、障壁を克服するための工夫、NGOの役割、民間セクターの巻き込み方法等についても、活発な議論が行われました。
【参考】
・ 国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency: IRENA)
再生可能エネルギーの普及・促進を目的とした国際機関。平成22年に設立。我が国は、設立当初から理事国に選出され、特に再生可能エネルギーの開発途上国における展開を支援している。現在169の国・地域が加盟し、本部をアラブ首長国連邦・アブダビに置く。
・ 緑の気候基金(Green Climate Fund:GCF)
開発途上国がGHG排出抑制・削減・吸収(緩和)と気候変動による影響への対処(適応)を実施するための努力を支援する国際基金(ファンド)。
・ 「離島における再エネ自給率向上ガイド」
離島で再生可能エネルギーを導入するにあたり、企画構想、調査・計画、設計・施工、事業運営の各段階で考慮すべきポイントを解説し、離島における再生可能エネルギー自給率の向上に役立てていただくことを目的とした資料。
連絡先
環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8248
- 参事官
- 水谷 好洋
- 推進官
- 須賀 義徳
- 参事官補佐
- 工藤 俊祐
- 参事官補佐
- 松原 弘行
関連情報
関連Webページ
- 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)との共催による「小島嶼開発途上国(SIDS)における再生可能エネルギー導入のためのワークショップ」の開催結果について(令和元年12月2日報道発表)
- 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)及びモルディブ環境省との共催による「小島嶼開発途上国(SIDS)における再生可能エネルギー導入のためのワークショップ」の開催結果について(平成31年2月5日報道発表)
- 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)等との共催による「小島嶼開発途上国(SIDS)における再生可能エネルギー導入のためのワークショップ」の開催結果について(平成29年12月21日報道発表)
- 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)等との共催による「小島嶼開発途上国(SIDS)における再生可能エネルギー導入のためのファイナンスワークショップ」の開催結果について(平成28年12月8日報道発表)