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令和6年3月22日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

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第4回復旧・復興支援本部会議の出席、障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)の公表、南極地域観測隊の帰国について、教員として就職した大学院修了者に奨学金の返済を免除する方針について、北極極域研究加速プロジェクト(ArCSⅡ)終了後の見通しについて、クリエイターと事業者の相互理解促進を促進する「AIと著作権に関する関係者ネットワーク(仮称)」について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年3月22日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年3月22日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年3月22日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は3件ございます。まず第1件目です。能登半島地震からの復興に向けまして、本日、政府の「令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部」が開催され、私も出席いたしました。私からは、新学年を迎える被災地の学校の状況と国の対応について説明しましたが、その後、総理から、来月から始まる新学年に向けて、安全・安心な学校生活を取り戻すことができるようデジタルを活用した子供たちの学びの改善支援や、学校施設の復旧支援にしっかり取り組むよう指示がありました。引き続き、必要な支援に努め、1日でも早く、全ての子供たちが元の学校生活を取り戻すことができるよう、被災地に寄り添いながら、全力で取組を進めてまいります。
 2件目です。この度、「障害のある学生の修学支援に関する検討会」における検討結果を「第三次まとめ」として公表することになりました。この検討会は、高等教育機関に在籍する障害のある学生の増加や、今年4月に施行される改正障害者差別解消法により、私立を含む全ての大学等において障害のある学生への合理的配慮の提供が義務付けられることなどを踏まえ、有識者の協力を得て、昨年5月より実施してまいりました。このまとめでは、全ての大学等が障害学生支援に取り組むに当たって参考となる基本的な考え方や、具体的な対応等について示しております。文部科学省としては、今後、このまとめの内容も踏まえながら、各大学等における障害学生支援の取組を一層促してまいります。
 最後、3点目です。昨日21日の木曜日です、南極地域観測隊の第64次越冬隊と第65次夏隊が、無事に帰国されました。今回の観測では、100万年以上前の南極の空気を含んだ氷の掘削を行うための拠点を完成させ、氷の掘削を開始するなど、当初の計画を遂行することができたと聞いています。引き続き、南極地域観測隊の活動に期待しているところです。来月、帰国された観測隊長や「しらせ」艦長から、直接御報告いただく予定ですので、楽しみにしています。以上です。
 
記者)
 先日の中教審の部会で、教員の奨学金の返還免除について具体的な案が示されまして、教職大学院やその他の大学院で実習などを修了した人を対象に新年度の採用試験の合格者から奨学金の返還免除を実施することになりました。この取組の狙いと、今後、学部卒の教員への対象拡大の見通しについて教えてください。
 
大臣)
 今御指摘がありましたが、教師になった者に対する奨学金の返還支援については、3月19日に、中央教育審議会の教員養成部会において議論の取りまとめがなされました。「優れた教師人材の確保」の観点から、教職大学院を修了し教師となった者を中心に返還免除を実施することにより、教師の指導の質向上と高度専門職としての社会的地位の向上を図り、ひいては、安定的な教師志願者の確保につながっていくことが期待できるものではないかと考えています。当省としては、中央教育審議会にお示しいただいた対応の方向性を踏まえ、令和6年度に実施する教員採用選考等の受験者から適用できるよう、関係方面への周知など速やかに対応してまいります。また、学部生への対応を広げることについても御質問がございましたが、今申し上げましたとおり、中教審の議論では、制度改正を伴う、学部段階も含めた幅広い支援の充実に向けて、大学院修学のために借りた奨学金の返還免除の具体化により得られた成果を生かしつつ、各教育委員会での教師人材の確保の状況や、高等教育段階の修学支援の動向なども踏まえながら、引き続き検討を行うことが必要と考えております。以上です。
 
記者)
 冒頭に南極のお話があったのですけれども、北極研究についても文科省は進めているかと思います。今進めている「北極域研究加速プロジェクトArCS II」が来年3月末で終了してしまうのですけれども、その後の北極域研究についてどのようにお考えでしょうか。
 
大臣)
 極域ということで、南極だけではなく北極の両方重要でございます。それ以外もエベレストだとかね、いろいろありますけれども、北極域は、地球温暖化等の影響が最も顕著に現れている海域になります。しかし、南極と比べまして観測や研究が十分に行われていない状況であります。そういう点で、気候変動などの地球規模課題の解決に資する北極域の研究は、極めて重要であると考えています。このため、当省では、先ほどお話がございました「北極域研究加速プロジェクトArCS II」、これを実施して、北極の環境変化の実態把握などに取り組んでいるところでございますが、令和7年度以降の見通しということについてでございますけれども、有識者会議においてArCS IIの成果も踏まえ、北極域研究船「みらいⅡ」の活用も含め次期の北極域研究プロジェクトの方向性等について検討を開始したところであります。今後、これらの検討も踏まえつつ、引き続き北極域の観測・研究の着実な推進に取り組んでまいりたいということで、今現在ということではまだ未定であります。
 
記者)
 AIと著作権の関係でお尋ねいたします。19日の著作権分科会のほうで「AIと著作権に関する関係者ネットワーク」を設ける旨の発表が文化庁のほうからありました。クリエイターとAI開発事業者などの、いわゆる当事者が意見交換をする場ということで発表があったのですが、設ける意義であったり狙いであったり、そういったところを大臣のほうからお願いいたします。
 
大臣)
 今回、いろんな方に今回のAIと著作権に関する考え方について注目をしていただいておりますが、これは公表時点におけるAIと著作権に関する考え方を示すものであって、著作権などの侵害リスクに関するクリエイターの懸念を払拭するとともに、この考え方の拡大解釈によるAI開発事業者等の萎縮を回避するという観点から、この考え方を正確に理解していただくため、関係する当事者に向けて、分かりやすい形での周知・啓発に取り組むこととしております。また、法解釈のみでは対応できない課題につきましては、民間の関係する当事者間での対話を通じて、適切な生成AIに関する著作物利用についての認識の共有がなされることが望まれているところであります。このため、文部科学省としては、生成AI及びこれに関する技術、AIの学習データにおける著作物の望ましい利用方法、海賊版を掲載しているウェブサイトなどについて、権利者、AIの開発事業者、AIのサービス提供事業者などの関係者間で情報共有する場の創設をということで今のお話になっていることでございまして、来月4月中をめどに第1回を開催できるよう、現在検討を関係団体としているというところであります。以上です。
 
記者)
 もし御発言いただければというレベルでお尋ねするのですけれども、法解釈では難しい問題について当事者同士の認識の共有において、解決・課題の解消を図っていきたいという趣旨でおっしゃられたと思うのですけれども、ここについてもう少しイメージのところがありましたらお願いいたします。
 
大臣)
 まずはやはりよくお話をしていただいて、何が論点なのか、課題なのか、どういう懸念があるのか、そういったことをよく話していただくということではないでしょうか。そして、その上で、今の解釈としてはこうですよということを示したわけですけれども、それでなお、こういう課題についてはどうなのだ、あるいはこれについてはもっと何らかの法的措置が必要ではないか、そういうようなことになれば次のステップに進むということではないでしょうか。
 
(了)

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