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令和6年3月20日
サミットにオンラインで参加する岸田総理 サミットに出席する岸田総理(写真提供:内閣広報室)
オンラインの画面に韓国ユン大統領が発言する様子 サミットに出席する岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 3月18日から20日にかけて(日本時間)、大韓民国主催で第3回民主主義のためのサミットが開催され、岸田文雄内閣総理大臣が、20日にオンライン形式にて開催された首脳プレナリーに参加したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 第3回民主主義のためのサミットは、3月18日から3日間の日程で、閣僚会合、市民社会行事及び首脳プレナリーが行われ、世界各国・地域の代表、市民社会等から幅広く多様なリーダーが集まり、民主主義を強化するための議論が行われています。
  2. 岸田総理大臣は、首脳プレナリーのうち、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がリードする「技術、選挙及び誤・偽情報」というテーマのセッション(3月20日21:30から約1時間)に参加し、概要以下のとおり述べました(同セッションには、尹大統領の他、トルドー・カナダ首相など9名の首脳が参加)。
    1. 民主主義の制度や形態は国や時代によって様々であり、我々は今も民主主義の在り方を模索中です。それは多様であるべきです。しかしながら、その本質を見失ってはなりません。
    2. 多数派の意思尊重、並びにその中でも擁護されるべき、個人及び少数派の基本的な権利と自由、これを保障する法の下での平等、自由で公正な選挙といった、法的装置が備えられていなければなりません。日本は、民主主義の諸原則、そしてその根本的精神である寛容、協力、妥協の重要性を改めて強調します。
    3. 我々は、技術がもたらしたオンラインという情報空間での課題にも対応する必要があります。インターネットやSNSの発達は、人類に多種多様な情報と表現の場を与えました。他方で、他人への中傷や侮蔑、ヘイトスピーチも、容易に発信・拡散されるようになっています。その結果、非難の応酬や沈黙が生まれ、社会に分断が生じ、民主主義に不可欠な健全な議論や討論ができなくなる恐れがあり、対応の強化が求められます。
    4. 民主主義の根幹である自由で公平な選挙においては、表現の自由が保障された環境の下で、有権者が必要かつ十分な情報の中から自らの意思に基づいた判断をすることが重要です。しかし、生成AIによるディープフェイクや、なりすまし音声には、情報の真偽の区別を困難にさせ、人々の政治的自己決定を妨げ、社会を不安定化、混乱させるリスクがあります。
      こうした問題に対応すべく、我が国としても、AI戦略会議において、AIによる偽・誤情報対策技術に関する議論を進めています。
    5. 偽情報の拡散は、各国共通の課題であり、国際的な共通理解と連携が必要です。日本は、昨年G7議長国として広島AIプロセスを立ち上げ、生成AIに係る議論をリードし、国際指針と行動規範をとりまとめました。これは、今後、G7の外にも広げていけるイニシアティブです。
    6. 日本はまた、昨年10月、偽情報対策の知見を地域に拡げるため、インターネットガバナンスフォーラムをホスト国として初めて開催しました。その中で、偽・誤情報対策についても議論を行い、各国における偽情報対策のグッド・プラクティス集を発表しました。
    7. 引き続き、技術の恩恵を享受しつつ、民主主義を始めとする普遍的価値を擁護するため、国際社会と共に取り組んでまいります。
  3. 本サミットにおいては、全ての招待国・地域によるビデオ・メッセージの発出が呼びかけられており、日本は、岸田総理大臣による首脳プレナリーへのオンライン参加に加え、ビデオ・メッセージを発出しました。
(参考)別添PDF

 ・首脳プレナリー・セッションにおける岸田総理大臣ステートメント(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く
 ・岸田総理大臣によるビデオ・メッセージ(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く


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