厚労省・新着情報

労働基準局安全衛生部労働衛生課

日時

令和6年1月29日(月)10:00~

場所

中央合同庁舎5号館労働基準局第1会議室

議題

(1)「じん肺標準エックス線写真集」の改定について
(2)その他

議事

議事内容
○井口主任中央じん肺診査医 厚生労働省事務局の井口でございます。加藤構成員がまだいらっしゃっていないようですけれども、定数に達しておりますので、第3回「じん肺標準エックス線写真集の改定等に関する検討会」を開催させていただこうと思います。皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、配布資料の確認をいたします。お送りした資料は、資料1と資料2、また参考資料1、参考資料2、そして参考資料3-1と参考資料3-2という形で過去の検討会の資料をお付けしてございます。構成員の先生方には事前にメールでお送りしてございますけれども、過不足等がありましたらお知らせください。
 では、ここからの議事進行につきましては大塚座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○大塚座長 よろしくお願いいたします。それでは、ただいまから議事を始めたいと思います。円滑な議事進行への御協力をよろしくお願いいたします。
まずは議事1として、前回PDFとDICOMで画像が異なっていた症例11についての検討から入ります。その後、議事2として、各構成員より御提供いただいた追加候補の提案がありました個別症例についての検討を行っていきたいと思います。それでは事務局より資料の説明をお願いします。
○井口主任中央じん肺診査医 井口でございます。それでは資料1を御覧ください。今画面上でも共有をさせていただいております。資料1は、前回の第2回の開催で研究班からの御提案の症例11として提示したものでございます。こちらについて、前回、PDFでお配りしたものと実際のDICOM画像で違う時期のものをお示ししており、大変申し訳ございませんでした。改めまして、症例11の実際に掲載を予定しているものについて、資料1という形で提示をさせていただきますので、御検討をお願いいたします。以上です。
○大塚座長 前回、症例11につきまして、オンラインモニター上の画像と構成員の手元に配られたDICOM画像で、撮影時期が異なる写真を提示しておりまして、見え方が若干異なっていたため、再度御確認いただきたいと思います。今回はモニター上とお手元のDICOMで同じ画像を提示しております。症例の概要につきましては、前回説明していただいており、省略いたします。それでは御意見をお願いいたします。
○芦澤委員 よろしいでしょうか、芦澤です。
○大塚座長 はい、お願いいたします。
○芦澤委員 症例11、私のほうでも確認させていただきました。前回、藪内委員から指摘がありましたように、右のほうにはかなり進んだびまん性胸膜肥厚が出現している画像をPDFのほうに提示していましたので、今回差し替えを行っていただいています。こちらが最初の2006年のほぼ初回に近い画像となります。次の画像を見せていただいていいでしょうか。CTも私のほうで差し替えさせていただいたのですが、明石先生、差し替えたものを皆さんに配っていただいたのでしょうか。
○事務局(明石中央じん肺診査医) はい、お配りしております。
○芦澤委員 差し替えられたのですね、症例11。
○事務局(明石中央じん肺診査医) こちらの症例11も、芦澤先生に送っていただいたPDFを載せております。
○芦澤委員 分かりました。そうすると、CTも前回はかなり進んだ、右側に強いびまん性胸膜肥厚のある症例が提示してありましたけれども、今回、CTも胸部X線と同時期の2006年の画像になっています。次のページの画像所見に関して少し変更しておりますけれども、単純エックス線写真では2型相当であり、石灰化胸膜プラークが認められるということと、胸部CTでは、1つ戻っていただきますと、特に上の画像ですが、左肺胸膜直下に、非常に特徴的な胸膜下線状影、ドット(点状影)が認められているということになります。肺下部のほうはかなり進んでいる所見です。
 ということで、前回の症例を差し替えさせていただいています。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。ほかの先生方、いかがでしょうか。今、芦澤先生のほうから2型相当というお話もありましたが、いかがでしょうか。
○岸本委員 岸本です、いいですか。
○大塚座長 はい、お願いいたします。
○岸本委員 私が出した2型のほうが胸膜下曲線状陰影はきれいだと思います。ただ、この方はニチアスでの作業歴があるので、subpleuralだけではなくて小葉中心性のドットがたくさんCTで見えますので、いいと思います。確かに右が2型で左が1型というような感じで2型とおっしゃられているのだろうと思います。石綿肺ということで、不整形陰影ではなくて石綿肺という意味では、びまん性胸膜肥厚もありませんのでいいかなと思います。以上です。
○大塚座長 はい、ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
○菅沼委員 菅沼ですが、よろしいでしょうか。
○大塚座長 どうぞ。
○菅沼委員 標準写真の不整形の2型と比べますと、線状網状影がちょっと少ないのではないかなと。先ほど岸本先生がおっしゃった、左右でちょっと密度が違うということなのかもしれませんが、そうしますと典型的な2型の代表的な症例として出すのが適切なのかどうなのかという気がいたしますが。先生方の御意見も併せて検討していただければと思います。
○大塚座長 今の菅沼先生の御指摘、いかがでしょうか。
○岸本委員 よろしいでしょうか、岸本です。芦澤班のときに、この症例に関しては、もちろん出てきた症例に関してはその範囲で型分類をしているのですが、1/2とした先生と2型とした先生が半分ずつくらいということで、2型としてはやや弱いというコメントを残しています。菅沼委員が言われていたように、2型の典型分布としては少し弱いということは十分認識しております。2型で挙げるというように最終芦澤班のときの結論となっていましたので、2型で挙げさせていただいているところです。
○大塚座長 はい、ありがとうございました。右の下肺野の不整形陰影の数とかを、数といいますか密度を見ますと、2/1程度ということで、2型というように考えたいと私も思いますが、いかがでしょうか。
○岸本委員 私も2/1程度であれば問題ないです。
○菅沼委員 私も2/1ならいいと思います。以上です。
○大塚座長 はい。それでは2/1程度ということで判断したいと思います。よろしいでしょうか。
 続きまして、議事2の追加候補の症例について検討してまいりたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局、井口でございます。資料2を御覧ください。第1回の開催の際に、芦澤先生の研究班からの御提案以外にも少し画像の探索をしてみる価値はあるのではないだろうかという御提案をいただきまして、事務局のほうでも取りまとめをさせていただきまして、症例の数としては1~17まで整理番号として挙げておりますけれども、17症例の御提案をいただいたところでございます。
 こちらは、特段、番号順にそこまでの意味はございませんけれども、御提案者区切りや、曝露物質区切りということで一旦まとめてございます。こちらについて、よろしければ整理番号1から御説明をいただければと思っております。御提案者に沿いまして、1~5については岸本構成員に、6と7については芦澤構成員に、症例の御説明と、それから、今後写真集に加える趣旨、例えば、こういったところを補う趣旨であるというところまで御説明をいただけますと大変幸いでございます。
 なお、8、9、10、11につきましては構成員から御紹介いただきました外部の有識者の先生に、事務局のほうでアプローチをいたしまして、いただいた症例でございまして、8~11については私、事務局のほうから症例の説明をさせていただこうと思っております。その際、※1と打っております8番、9番、11番に関しては、実は撮像された時期が2通りございます。どちらについて掲載するべきか、掲載する場合にはどちらの年齢の際のものを掲載するべきかについても御議論いただければと思います。
 また、※2と打っております12~17番でございますが、こちらは御提案いただいたということで御参考までに掲載しておりますけれども、事務局のほうでまた御提案いただいた構成員ですとか有識者の方々とも協力をいただきまして、画像の探索をしたのですが、DICOM形式での画像が見当たらないというところでございますので、12~17が仮に採用となった場合でも写真集に掲載することはかなり困難ということでございます。
 したがいまして、今回の検討会でのスコープとしては1番から11番までを御議論をいただければと存じます。事務局からは以上でございます。
○大塚座長 ありがとうございます。それでは、芦澤先生の研究班の症例と同様の形で、症例を提供いただきました構成員の先生から画像の説明を行っていただきまして、その後、議論いただく形で進めたいと思います。症例8~11に関しましては外部の有識者の先生からの提供症例ですので、事務局のほうから説明していただければと思います。それでは、資料2の症例1につきまして、岸本先生のほうから説明をお願いいたします。
○岸本委員 症例1から4までは芦澤先生が既に前の回のときに述べていただいていますので、芦澤班に送ったので芦澤先生が説明をしてくれましたので、残っているのは整理番号5の酸化チタン肺ですので、5番からお願いします。
○大塚座長 それでは、5番から検討ということでよろしいですか。
○岸本委員 はい、1から4は既に済んでいます。
○大塚座長 それでは、症例番号5の酸化チタンの症例をお願いします。追加症例5の画像、出ますでしょうか。
○岸本委員 これでしょう。先生方、前に私が申しましたように粉状のアルミニウム及び酸化チタンを梱包する作業というのは、じん肺の1~24の項目の中の10番目に、昭和35年から、じん肺が発生するということが言われておりますし、書いてあるのですが、厚生労働省の労働衛生課に確認をしても、今までそういう事案の報告はないと言われました。
 先生方も御存じのように、酸化チタンは発がん性もないし安全だと日本では言われていますけれども、実際に梱包作業を23年やっている50歳代前半の方に、このような溶接工肺や、い草染土じん肺に極めて類似するようなすりガラス陰影を呈するような症例を医学的に確認いたしました。粉じんがチタンと酸素、酸化チタンになっていることも、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いた金属分析で確認しています。これが胸部レントゲン正面像ですが、確かに全肺野にすりガラス状の陰影がこのように見えるということです。CTをお願いします。
 どんどんいっていただけますか。見てお分かりのように、溶接工肺に極めてよく似ている小葉中心性の陰影が、あのように見える。右下肺には若干線維化があるかなということで、ここをTBLBをしますと、軽い線維化の像がエラスチカ・ワンギーソン染色で確認をされています。昨年の12月号の日本呼吸器学会誌に出ています。今まで報告がないけれども、今後、チタンが化粧品とか、ブレーキもそうですが、いろいろなものに使われている昨今ですから、1枚、こういうものを入れておくと早目に診断ができるのではないかということで提出をしています。以上です。
○大塚座長 岸本先生、これは単純写真のレントゲンのほうの分類は、どのように。
○岸本委員 先生方、CTを見ていただけると、肺尖から肺底部まで小葉中心性のあのような陰影があるのですが、日本の分類でいくと3/3ですけれども、い草染土じん肺を決定した際に、珪肺の3/3と、い草染土じん肺の3/3を同じように扱われると困るということで、平成24年のデジタルデータのフィルムの選択のときに決めましたので、そのときと同じように2/2という形で岡山労働局も認めていますし、い草染土じん肺や溶接工肺の影に類似した小葉中心性のデポジションで線維化が非常に軽いという意味で、2型ということで入れてはどうかと思っています。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。2/2の非常に細かい粒状影ということで、pというふうな感じですね、これね。ほかの先生方、いかがでしょうか。何か御議論をお願いいたします。
○岸本委員 これを見て、異常なというふうには健診機関も言いまして、何度か引っ掛かっているのですけれども、その際に精密検査とは言われていないのです。放置をしろと言われて、5回ぐらい掛かっているのですが、5回目に診た先生は私の同級生で、岸本先生に1回診てもらうべきだということで私の所に紹介がありました。先ほどのようなCTがあって、酸化チタンが小葉中心に積っているのだろうということが分かりました。事務局、CTの縦隔条件を見せていただけますか。肺野条件だけだったのですけれども。これでなくて縦隔条件、これです。ゆっくり、これを見ていただいて、先生、肺門の辺りが白く染まっていますね。珪肺のときの肺門リンパ節の石灰化に比べてCT値が低い。これは正にリンパ節がお化粧している。酸化チタンがリンパ節にこのように溜まると、この程度であります。珪肺のときの石灰化、卵殻状の石灰化に比べると約3分の2ぐらいのCT値です。ずっと下へいって見てください。この辺りです。食道の周囲にもありますし、上腹部にもありますので、もう1つ下げてください。あの辺りで横隔膜の近く、もうちょっと下にも確か、ないですか。
 そんなところで、今後、チタンが日本で使われなくなるなら必要はないと思いますが、そういうことで健診機関は異常だと言っても、精査して「これ、じん肺じゃないよ」と言ってそのまま放置されたというような経緯があるものですから、1つ入れておいてもいいかなと、そういうことです。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。DICOMデータで配っていただいた単純写真のほうを見せていただくと、非常に細かいのであれですけれども、一見、2/2までいかないような感じの写真にも見えるのですが、地方労働局のほうでは2/2の判定だったのですね。
○岸本委員 はい。溶接工肺も全く一緒なのですが、溶接工肺でヒュームがあれだけデポジションしても、レントゲンで本当に2型かというところは議論になると思いますので、正に一緒だと思います。粉じんの沈着であって線維化が極めて弱いと、このようになる。溶接工肺もそうです。い草染土じん肺もそうです。線維化が非常に弱い。粉じんを貪食したマクロファージのデポジションだけで線維化が弱い。い草染土じん肺の今の2型となっている24年のものを、先生方に見ていただいて比べていただければ幸いです。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。これは局のほうで、管理区分と言いますか、レントゲン分類が決まっているということですので動かしようがないのですが、取りあえず、じん肺の中に入れたいということで、よろしいでしょうか。先生方のほうから何かほかに御議論がございますでしょうか。
○菅沼委員 よろしいでしょうか。じん肺の症例として挙げるというのは非常に勉強にもなって、啓発的な意味もあってよろしいと思います。陰影の密度について、プロフュージョンについては、確かに非常に悩むところだと思います。参考までに、ILO分類ですとpタイプ、qタイプ、rタイプの標準写真がございまして、今、手本に並べていないのではっきり分かりませんけれども、2型というのは妥当なところかなという感じはいたします。ただ、その1、2、3のグラデーションをどんなふうにするのか。これはだから、ILO分類でいくと確かにpp2というふうに判定しそうなものかなと、特に中肺野についてはそのように思いましたというコメントです。
○大塚座長 ありがとうございます。取りあえず、2型のpということで進めてよろしいでしょうか。それでは、取りあえず2型ということにしたいと思います。
○矢寺委員 矢寺です。
○大塚座長 どうぞ。
○矢寺委員 岸本先生、論文も拝見させていただいたのですが、リンパ節については、これは石灰化とは取らないという認識でよろしいでしょうか。
○岸本委員 はい。先生、論文にも書いたのですが、珪肺のCT値はリンパ節の石灰化のCT値に比べると3分の2から半分ぐらいなので、石灰化ではなくて、チタンがお化粧のようにリンパ節にあのように溜まっているのではないかと思っています。病理学的に確認していませんので言えませんが、石灰化とは取らないというふうに考えています。
○矢寺委員 ありがとうございます。
○大塚座長 よろしいでしょうか。それでは、整理番号6に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。先ほど岸本先生から症例番号1~4について既に議論済みである旨、いただきました。確かに第2回の開催のときに御議論いただいたものですけれども、実はその際に、事務局からまだDICOM画像をお送りできていなかった先生がいらっしゃいますので、念のため、1~4についても再度御議論いただいて、結論付けをしていただければ幸いです。お手数をおかけして申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
○大塚座長 そしたら、整理番号1を出していただけますか。これは芦澤先生から説明していただいたほうがよろしいですか。
○芦澤委員 分かりました。
○大塚座長 お願いいたします。
○芦澤委員 これが整理番号1だと思います。前回も説明をしておりますけれども、これは型分類としては1/0~1/1と判定しています。エックス線では、両側の下肺野に比較的軽微な不整形陰影が認められることと、右の横隔膜に石灰化胸膜プラークが認められます。
 それでは、CTの肺野条件をお願いします。ずっと下りていっていただくと、右の背側が特徴的だと思いますが、左のほうも一部ありますが、胸膜下の小葉中心性粒状影と、右側では特に曲線状陰影(curvilinear shadow)が認められています。肺底部のほうにいっていただいても、蜂巣肺、蜂窩肺は認められません。
 CT上、これだけの線維化があるのですが、単純エックス線では、標準エックス線写真、デジタル版と比較して、1型はありますが、1/1とするか1/0とするかはちょっと議論が必要かなと思います。現在、1/0~1/1というふうに記載しています。
○大塚座長 ありがとうございます。以前、議論したところではありますけれども、取りあえず1型の不整形陰影ということで、よろしいでしょうか。御意見はございますでしょうか。
○芦澤委員 言い忘れましたが、作業歴も石綿の吹付けを10年なさっています。
○大塚座長 取りあえず、1型ということで進めたいと思いますが、よろしいですか。
それでは、整理番号2について説明をお願いいたします。
○芦澤委員 整理番号2の症例です。この方は断熱・保温作業に31年従事されていた方ですけれども、胸部単純エックス線写真を見ていただきたいと思います。若干左右差がありますけれども、中下肺野に不整形陰影が認められまして、この症例に関しては2型若しくは1/2ということで、整理されています。
 CTを見ていただきまして、この方の場合も胸膜下に小葉中心性の粒状影と曲線状影が認められます。ただ、肺底部のほうにはかなり網状影も認められることと、舌区にもありますけれども、ファイブロティックコンソリデーション、いわゆる無気肺硬化のような所見も認められています。陰影の広がりを判断して、1/2から2型となっています。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。今回、DICOMデータで確認された先生方のほうからも何か御意見はございますでしょうか。2型から1/2ということでしたけれども、標準写真と比べますと2型としてもよさそうな気がしないでもないですが、いかがですか。
○菅沼委員 菅沼ですが、よろしいですか。
○大塚座長 どうぞ。
○菅沼委員 標準写真と比べますと、右側は大体同等かなと思うのですが、左がちょっと少ないのではないかと思います。なので、さっきおっしゃっていた1/2とか2/1、そのぐらいの可能性は十分あるのではないかと思っていまして、2と同じではないような気がします。
○大塚座長 確かに左のほうは不整形陰影が少ないことは少ないですが、2/1ぐらいでいかがでしょうか、これは。
○岸本委員 2/1が妥当だと思いますので、ほかの2型と見比べて、決められたらいいのではないかと思います。
○大塚座長 はい。岸本先生から2/1というお話がありましたが、取りあえず、2/1ということでよろしいでしょうか。
それでは、整理番号3のほうに進めたいと思います。芦澤先生、よろしくお願いいたします。 
○芦澤委員 はい。この整理番号1、2、3、4は、最初に申し上げればよかったのですが、後ろにいくほど病型が上がるというふうに私は並べましたので、3番の症例は2型、2/2と判定されているものです。
 この方も断熱・保温作業に34年従事されている方で、型分類2/2というふうに判定されています。標準写真の2型にほぼ一致するような中下肺野に不整形陰影が認められています。
 CTをお願いします。肺底部の所に少し胸水が貯留していますけれども、肺底部はかなり網状影を主体としたものですが、気管分岐下ぐらいの所を見ていただくと、非常に典型的だと思いますが、両側の背側優位の胸膜直下に小葉中心性の粒状影と曲線状影が見事にCTで描出されています。岸本先生からのコメントもいただいていますけれども、肺底部は蜂巣肺ではなくて、特発性肺線維症で見ないような網状影で、岸本先生も網目が細かいのが特徴的であると記載をされていたと思いますが、それが特徴になります。
 もう1回、上のほうに上がっていっていただくと、小葉中心性粒状影が胸膜直下、いわゆる肺の外層だけでなくかなり内層の肺門側までびっしりと小葉中心性粒状影が認められるのが、この症例の特徴でもあると思います。総合的に判断して、これは2/2、2型と判定されている症例です。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。非常に典型的なサブプルーラルのcurvilinear shadowとドットが見られる症例ということで、2/2という説明がございましたが、いかがでしょうか。
○岸本委員 追加をいたします。最初出たレントゲンで右に良性石綿胸水が出てまいりまして、びまん性胸膜肥厚化をして亡くなるのですが、水が溜まっていないときの写真が2003年頃の古いものしかないのですけれども、いろいろな書籍等で出ています。病理の岡本先生が今のラインを、このスライスと同じように病理学的に剖検肺を作成していただいて、このラインが何であるかを病理学的にも検討された非常にいい例であることは間違いないのですが、右に水が溜まっていますので、右に水がない時期のものを使っていただければ有り難いと思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。取りあえず、この症例は2型ということで、進めたいと思いますが、いかがですか。よろしいでしょうか。
それでは、整理番号4に進みたいと思います。4の説明、芦澤先生、よろしくお願いいたします。
○芦澤委員 整理番号4ですが、これは比較的若い方なのですが、吹付け作業に15年従事されていたということで、胸部単純エックス線写真で、上肺野から下肺野までかなり広い範囲で網状影が主体だと思いますが、不整形陰影が認められるということで、この症例は3型と判定をしています。CTではもちろん小葉中心性粒状影、曲線状影もあるのですが、かなり線維化が進んでいて、胸膜直下には、無気肺硬化型のように少し浸潤影が認められるところもあります。この方の場合には、上肺野から既に肺の内層まで線維化が進んでいて、先ほどの症例以上にびまん性に小葉中心性粒状影が肺の内層までびっしりと認められるという症例です。
ただ、この症例は以前から問題になっているのは、CTをずっと上のほうに上げていただくと、胸膜外脂肪層がこのように右背側で増えていまして、単純エックス線写真を出していただいていいでしょうか。右上肺野外側に透過性の低下域が腫瘤状に見られる原因であることがわかります。石綿肺の3型として非常に貴重な症例だと思っていますが、標準写真として提示するときに、右上肺外側に陰影に関してそういう説明を付ければいいのかどうか、ちょっと私だけでは判断が付きかねますが、若干、標準写真として課題があるのかなと考えています。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。不整形陰影の3型の症例の提示ということですが、いかがでしょうか。
○岸本委員 岸本ですが、芦澤先生のおっしゃるとおりで、右の上肺野が問題になります。3型になると、この症例しかないので、これを出しています。2006年なのですが、もう少し前の2003年頃の写真だと、ちょっと撮影条件がよくなくて、それを出すのはどうなのかということでこれを出しています。この方は約20年診てますので、これを採用されるのであれば、可能な限り経過の分かる画像を出して、この右の上肺野がこのようになっていないところを3型としていいかどうか、検討していただければと思っています。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。右の上肺野の透過性の低下している部分が問題だということですが、3型の不整形陰影ということでよろしいでしょうか。何か御意見はありませんか。これを採用するかどうかは、最終的な段階でまた皆さんに御議論いただくということになるかと思いますが、よろしいですか。とりあえず3型というふうにしたいと思います。
 それでは、整理番号の6のほうに進めていただいてよろしいでしょうか。それでは、溶接工の整理番号6について、芦澤先生から説明をよろしくお願いいたします。
○芦澤委員 整理番号6と7は溶接工肺ですが、大塚先生、私のほうでちょっとキー画像を先にお出しすることは可能でしょうか。
○大塚座長 もし提示できましたら、よろしくお願いいたします。
○井口主任中央じん肺診査医 では、1回共有を停止します。
○芦澤委員 DICOMの画像を見ていただく前に、先に症例の整理番号6と7について、先ほどのチタンの症例で岸本先生から御説明がありましたように、この淡い小葉中心性粒状影に関して、前回の平成24年のデジタル版のときに2型にされたということで、そのことを認識した上で、ここに溶接工肺の整理番号6と7、そして最後にもう1例ここにキー画像を出しますが、CTではかなりグレードが変わるというものを最初に確認いただいて、単純エックス線写真上はいずれも前回同様に2型とするかというところを、また後で御議論いただければと思います。
キー画像ですが、これが整理番号6に一致するものです。これはDICOM画像で見ないと分からないと思いますが、単純エックス線写真上は非常に淡いすりガラス影、微細顆粒状影が見えます。CT画像ですが、このように非常に淡い小葉中心性のすりガラス影が認められています。
 次の症例が、整理番号の7になります。こちらになりますと、このキー画像でも単純エックス線写真上、中肺野主体ですが、先ほどと比べると、少しすりガラス影がより目立ってきているように見えると思います。CTでは明らかな小葉中心性のすりガラス影がびまん性に認められ、便宜的に2型相当ということで記載しています。
今から出す症例は、その前の症例との比較で、1型、2型、3型と並べてみたということなのですが、実は前回、芦澤班で提示させていただいている候補症例の14になります。中下肺野主体に明らかに陰影が認められるのがお分かりだと思いますが、CTは前回、加藤先生からコメントがありましたが、少し線維化を伴うような溶接工肺だということで、これを3型としてはどうかということで、前回、提示させていただきましたが、岸本先生から2型がいいのではないかという御意見をいただいているということですが、溶接工肺もかなり程度に差があるというです。
 では、DICOM画像で見ていただきたいと思いますので、整理番号6の症例をお出ししていただいてよろしいですか。
○井口主任中央じん肺診査医 はい、画面を共有します。
○芦澤委員 整理番号6の溶接工肺です。それから、CTをお願いします。CTでは非常に淡い陰影がびまん性に認められます。肺底部までずっと確認できるということになります。型分類は、御議論いただきたいと思いますが、便宜的には1型としているものです。
 整理番号7も一緒に見ていただいたほうがいいですか。
○大塚座長 そうですね。
○芦澤委員 では、これが整理番号7です。先ほどの症例はもしかしたら正常と読影される可能性もあるぐらいの画像だと思っていますが、こちらは異常があると判断されると思います。
 では、CTをお願いします。かなり典型的な小葉中心性のすりガラス影ですね、過敏性肺炎にも非常によく似た画像だと思います。岸本先生が冒頭で提示されたチタンの症例にも似ていると思います。極めて多数の粒状影がありますが、程度からいったら前回の溶接工肺の症例14に比べると、弱いということで、2型に該当する症例ではないかと考えています。これに関しては、是非、皆さんでディスカッションしていただければと思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございました。整理番号の6と7についてですが、それぞれ6は1型、7は2型としたいという提示がありましたが、いかがでしょうか。
○菅沼委員 菅沼ですが、発言させていただきます。症例の6は、確かにちょうど中肺野辺りには、胸部写真でも粒状影と思われるものを見付けることはできると思いますが、全体としてはやはりかなり0に近い、1/0という人がいるかもしれないですが、0/1なのではないかなと思いました。
 症例7については、確かに下肺のほうが粒状影がはっきり胸部写真では見えると思いまして、1型の標準写真と比べて、大体、同等なのではないかなというふうに私は思いました。この標準写真の中の耐火レンガ製造の7番の粒状影の1型と大体同等なのではないかなと私自身は思っています。以上です。 
○大塚座長 菅沼先生から、6に関しては0/1、整理番号7については1/1程度ではないかという御意見がありましたが、いかがでしょうか。
○岸本委員 岸本です。私が産業医をやっている所で、この間、40名ほどの溶接工肺の胸部レントゲン写真を見たのですが、今の症例6のようなものは全部飛ばされて、無しになっています。CTを撮らせてほしいと言っていたら、CTを撮らせてもらっていません。ですから、この溶接工肺の1型をどれに定めるのかというのが、やはり一番議論になると思うので、CTで見るとあれだけあるけれども、レントゲンであれを見付けるのは大変だろうなと思います。今、溶接作業者は多いですから、どこを1型にするのかはちょっと慎重に議論をされたほうがいいのかなと思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。岸本先生から、今のような御意見がありましたが。
○加藤委員 加藤です。今日ちょっと遅くなってしまい、すみません。確かに菅沼先生が言われるように、これを1型と読めないということになるところもあるかと思いますが、CTを見るとこれだけしっかり粒状影もあるのが1つ。あと、ではもう1個の症例が1型ということで、最初の議論で1型と2型と出したほうがいいのではないかという話もあったと思いますが、でもこれ以上の溶接工肺はほぼいない、現存しないような形になるので、ですから、そこに今までの1、2というのをそれと比べて当てはめてしまうと、ちょっと症例がなくなるというか、先ほど岸本先生が言われていたように、本当に影がある人もはじいてしまうということにもなるので、ちょっとそのまま0型、1型というふうに今までの尺度で当てはめるのは難しいのではないかなと個人的には思います。難しいですよね。でも、その1型の基準はCTで決めるというわけに今はちょっといかない面もあるので、結局、答えが余りはっきりと言えないのですが、でも、この2型用として出されている人ぐらいがマックスぐらいであることは間違いないと思うので、何かこれ以上の影はない中で、これを1型にしてしまって、もう1個を0型にしてしまうと、それはそれで困るのかなとちょっと思います。
○大塚座長 ありがとうございます。ただ、石綿肺も、かなりCTで影があるのに、単純写真で1型にしないというようなところもありますよね。この標準写真においては、原因となる曝露物質によらないで構成するというようなところもありますので、菅沼先生がおっしゃるように、あとは、先ほど岸本先生が、実際の現場ではほぼほぼこの程度の症例6のようなものがはじかれているようなことを考えますと、やはり症例6については0/1でいくしかないのではないかなと、これはきちっとあるというふうに見るというのは、単純写真だけではかなり難しいような気がするのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○加藤委員 確かに難しいですが。
○岸本委員 いいですか、岸本です。国は溶接の規制を厳しくしており、溶接工肺も基準を考えていかないと、例えばこの溶接作業者に肺がんが出たときに、CTで見て十分影があるのに何でじん肺肺がんにしないのかといって、問題になる可能性があります。ヒュームも2017年のIARCでグループ1になっていますから、見落としていたでは済まないような時代が私は来るように思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。
○菅沼委員 よろしいでしょうか。御議論は非常に私も賛成する部分が多いのですが、胸部写真のスケールを動かさないほうがいいと私は思っています。その上で、ILO分類の改定の作業のときも様々な議論があったのですが、今後はCTの分類を補足と言いますか、補足するものとして作ったほうがいいのではないかという議論がありまして、御存じかもしれませんが、私たち2005年ぐらいからCT分類を提案していまして、そうしたものをILO分類に組み入れようかという議論もされています。ですので、例えば今のお話で溶接ヒュームが発がん物質であるという路線からいきますと、胸部写真で見付けることができない、胸部写真で0/1程度のものがHRCTでは指摘可能というふうに、様々な論文でも述べられていますとおり、そのようなスクリーニングをそうした対象に対しては行うべきなのではないかと、このように思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。私も0/1として、CTでは実際にはこのくらいありますよということで、この標準写真集に掲載するということで、啓蒙するという形で、これを1型として、症例6を検出させるというのは、やはり難しいかなとも思いますが、芦澤先生、いかがでしょうか。
○芦澤委員 はい、そのとおりで、画像上は、当然これは1型とは言えないと思いますが、岸本先生が冒頭で言われましたように、デジタルの標準エックス線の検討の際に、そのときは私も構成員の一人でしたが、「その他の陰影」のところで、整理番号の7のような症例を2型として提示しています。それとの整合性を考えると、今まで本省のほうに標準写真に溶接工の症例がないという御意見をいただいていますので、溶接工肺としては整理番号の7を2型とする。私も画像診断専門家としては、加藤先生の言われている意見に賛成したいところなのですが、標準エックス線写真の現状の2型、「その他の陰影」のところを2型としている陰影と比較すると、整理番号の7を溶接工肺で2型とせざるを得ないのかなと思っています。
○大塚座長 はい。ありがとうございます。整理しますと、とりあえず現段階のところでは、整理番号6のほうは0/1程度で考えたいと思いますが。
○加藤委員 1ついいですか。今回、じん肺ハンドブックを並行してやっていると思いますが、そちらのほうで、単純写真で総合的に判断して、じん肺1型を疑うものについては、CTを撮ることを考慮して差し支えないというふうに思っているのですが、そのような形で、例えば先ほどの0/1、この人を溶接歴がそこそこあるということで、ですので、もしかしたら1/0と見る人がいるかもしれないと先ほど菅沼先生が言われましたが、何かちょっとというときに、ではCTを撮りましょうとなって、CTを撮るとこれだけびっしり影があるということで、このCTの影だけ見てしまうと、PRを決めるのは結局密度なので、影自体は、粒状影自体は小さいけれども、密度としては結構びっしりあると。
そういう意味でいくと、先ほど菅沼先生がCT分類という話をされていましたが、もう1型は超えて十分あるというような形になったときに、でも、この人はやはり0/1だとなると、じん肺法の中でやはりじん肺とならないという中で、合併症も認められないですし、何か0/1としてしまうと、何かその辺りで。CTの分類が導入できれば当然いいのですが、そうするとずっと言われているように法律を変えなくてはいけないということになってきて、そこまで日本のじん肺診断の精度が一気に進化するのであれば、このまま0/1のままで、溶接の人はCTで溶接工肺を診断するCTを撮りますと決めてしまえばいいのですが、そこが難しいのであれば、これを0/1にしてしまうと、先ほどあったような肺がんが出たり、いろいろな中で、これだけ影があるのに0/1ということ、でもこれを0/1標準フィルムとしてしまうと、それ以上は救いようがないというか、そっちをじん肺側に入れようがない、結局、CT導入されないという前提で話をしたほうがいいのかなと。何か結構難しい取扱いになってくるのではないかなとも思いますが、その辺はいかがでしょう。
○大塚座長 そうですね、周りの、今後に伴ういろいろな合併症なり何なりのことまで含めて、非常に難しい取扱いになりますね。
○岸本委員 いいですか。皆さんが言うように、これで溶接工肺は疑えますが、なかなか診断が付かないので、もう少しこれより影がある症例を可及的速やかにいろいろ調べたらどうですか。微妙過ぎるので、皆さん方が0/1というのは分かるのですが、もう少し影がある症例は私も見ているので、そうすれば今の加藤先生が言われるようなことが払拭できるというふうに思うのですが、いかがでしょう。
○大塚座長 皆さんが1型と認めるような症例ですね。
○加藤委員 もうちょっと影が、はっきりした粒状影とまではいかないけれども、何かうっすら影があるなみたいな人が確かに。
○大塚座長 そうでないと、皆さんなかなかこれをすぐ、ほぼほぼ正常ですり抜けてしまう危険性が高い症例かなというふうに思いますので、まずはこの場においては0/1ということにさせていただいて、1型に相当するような症例を提示していただくというふうにしたいと思いますが。
○岸本委員 それが一番正しいと思います。
○加藤委員 これを0/1で出してしまうと、やはりこれだけ影があっても0/1なのだということになってしまうので、やはり1/0のものを出しておけば、確かにそっちのほうがいいのかなと。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。まず、こちらは芦澤先生の症例の際にありましたが、0と1の周りの部分については、型や区分についてドクター間で判断が一意に決まるかどうかというものの念のための整理をこちらでもさせていただこうと思います。その上で、6番と7番については、御提案いただいたということもありますので、掲載の方向としつつ、一方で、例えば先ほど来議論になっています6の所については、掲載するのかどうか、掲載するとしたら、判断の一意性ということも考えて、どういった区分にするのかということを少しこちらで整理をさせていただこうかなと思っています。
 更なる追加の症例というのは、少々厳しいかなというふうに思っています。昨年の後半ぐらいから、もう既に追加の症例というのはお願いをしていたところですので、ある程度リーズナブルな期間で検討会を取りまとめていただくという観点からも、ちょっと追加の症例というのは現時点では予定していません。
○大塚座長 ありがとうございます。
○芦澤委員 ちょっとよろしいですか。今、整理番号6の症例で議論があったと思いますが、7に関しては、今、2型若しくは1/2というふうに提示しているのは、労働局のほうで1/2で、1型で認められていると聞いており、ただ、前回のエックス線フィルムのデジタル版でいくと、これは2型とせざるを得ないということで、2型と1/2の両方を記載しているのですが、先ほどの0/1の議論もですが、この症例がもし使用できるとして、岸本先生、これはやはり2型でしょうか。胸部単純写真上は先ほど1型という意見も出ていると思いますが。
○岸本委員 微妙だなと思って、チタン肺のほうが陰影がはっきりしていると思うので、この陰影を1/2とするか2/1とするかは、非常に微妙だなと思って見てました。
○芦澤委員 ありがとうございます。あとは加藤先生が言ってくださったのですが、少数、多数、極めて多数という定義からは、どうしても3型と判断せざるを得ないので、今までの標準エックス線写真と比較するということではなくて、この溶接工肺の陰影として判断するということになると、本来はやはりこの症例は3型とすべきと思います。ただ何度も申し上げますが、デジタル版との整合性をということが一番重要というのは、最初に私はお聞きしていましたので、全て2型にまとめるという意見もあったかと思います。
○大塚座長 そうすると、症例6のほうは局のほうで1/2か何かで決まっているというお話ですか。
○芦澤委員 症例7のほうです。7のほうが労働局では1型、1/2と聞いています。今回、私はデジタル版に合わせて、2型としているのですが、括弧して(1/2)というのは、局のほうで1型の扱いになっているようだということです。
○大塚座長 そうしますと、これに関しては既に局のほうで決まっている管理区分があるのであれば考慮しなくてはならないということもありますので、これは預かりという形になりますか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。局で実際にこの症例がどういった分類だったのかということについて、我々のほうでも再度、確認をさせていただいた上で、整合性というものも含めて、特に局のほうでどういった判定だったのか、それについて先生方でどのように御覧になるのか、そこが解離するようですと、そもそも典型的な症例ではないのではないかという疑問も出てきますので、そこも踏まえて、ちょっと御相談をさせていただければと思います。
○大塚座長 分かりました。ということですので、症例6、7に関して、特に7に関しては事務局で調べていただいて、その整合性を判断していただきたいと思います。
 それでは、整理番号の8に進めさせていただいいてよろしいでしょうか。これは事務局から説明をお願いできますか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局から、まずは画像を共有させていただきます。症例8です。こちらの画像は、外部の有識者から御提供いただいたものです。石綿曝露による不整形陰影の症例で、断熱・保温工事を20年以上されていた方です。エックス線写真、CTともに、75歳時と78歳時に撮られたものがあります。外部有識者からは、PR2/2相当ではないかというコメントをいただいております。以上です。
○大塚座長 これについて、いかがでしょうか。2/2ということなのですが。
○岸本委員 岸本です。これも左右差があって、左が本当に2型かといわれると問題がありますし、胸膜が厚いので、なかなか問題があるかと思います。以上です。
○大塚座長 ほかの先生方、いかがでしょうか。
○菅沼委員 菅沼ですが、左が弱いというのは、私もそのように思います。
○大塚座長 2/2ということですが、菅沼先生、これはいかがですか。
○菅沼委員 2/2の標準写真と比べるとちょっと少ないと思いますので、2/1になると思います。
○大塚座長 2/1ぐらいでしょうか。
○菅沼委員 はい、そのように思います。
○大塚座長 はい。あとは、年齢が違う2020年の単純写真もありますが、これはもともとの判定はどのような判定だったでしょうか。事務局で何か把握していらっしゃいますか。先ほどの症例が2/2ということでしたが。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。先ほど2/2と申し上げたのは、御提供いただいた外部有識者の方から、2/2程度ではないかということです。労働局で決定された型、区分というのは、大変申し訳ありませんが、実は、先ほど来何度かお話が出ておりまして、ただ、事務局のほうではこうでしたということを申し上げておりません。各症例の実際の処分について申し上げることがなかなか難しい側面がありますので、御容赦いただければと存じます。
○大塚座長 これは、先ほどよりもかなり不整形陰影の数が多いように思うのですが、plcもあって、胸膜肥厚も結構進んでいるような画像ですが。
○菅沼委員 菅沼ですが、よろしいですか。
○大塚座長 はい。
○菅沼委員 これは、3型に入ると思います。
○大塚座長 今までも追加症例で3型の症例のページもありましたが、これはどちらの時期がより適しているかというようなお話もありますが、まず2016年のCTを見せていただいてよろしいでしょうか。少し上のほうに上がっていただけますか。はい。このような症例ですが、採用するかどうかということなのですが、加藤先生、何か御意見はありますか。
○加藤委員 加藤です。やはり言われているように、左がちょっと弱くて、2/1ぐらいなのかと思って見ていたのですが。粒状影とかはある程度あって、胸膜下も並んでいるので、CTとしても石綿肺でいいのかと思うのですが、程度としてはそれぐらいかと思いました。
○大塚座長 ただ、これもほかの追加症例等を判断して、どれを採用するか、全部というわけにはいかないでしょうから、取りあえず石綿肺として2型と。あとは、2020年になりますと3型の中に入ってくるかと思いますので、それの数の具合によって採用するというような話でよろしいでしょうか。整理番号8番です。
○矢寺委員 矢寺です。よろしいでしょうか。
○大塚座長 はい。
○矢寺委員 2020年のCTは供覧できますか。
○大塚座長 では、2020年のCTも掲示をお願いいたします。肺野条件でお願いできればと思います。これは水が溜まってきてしまっていますか。
○矢寺委員 レントゲンは恐らく水の影響と、立位ではないのではないかと思うのですが。
○大塚座長 単純写真のほうですか。
○矢寺委員 そうですね。
○大塚座長 あ、そうですね。肩甲骨外れて、横臥位の写真になってくるかなというような所ですね。これはそれを加味する必要があるということですね。貴重な意見、ありがとうございます。普通の条件で肩甲骨を外したものとは少し違う、単純写真の条件だということです。そうしたら、これは普通の条件とはちょっと異なりますので、標準写真からは外す必要があるかとは思います。それを加味して、採用するかどうかを判断していただきたいと思います。
 次は、整理番号9の説明をお願いいたします。
○井口主任中央じん肺診査医 整理番号9を供覧いたします。こちらの画像についても、外部の有識者から御提供いただいたものです。石綿曝露による。
○事務局(明石中央じん肺診査医) 音声が不調ですので、代わりに御説明いたします。こちらの画像も、外部有識者より提供いただいたものです。石綿曝露による不整形陰影の症例であり、石綿吹付けを10年以上されています。エックス線写真、CTともに、63歳時と65歳時に撮られたものがあります。外部有識者からは、PR1、1/0相当と伺っております。以上です。
○大塚座長 そうしましたら、2010年時のCTも供覧していただけますか。ありがとうございます。2012年の単純写真も見せていただけますか。それでは、2012年時のCTのthin sliceで肺野条件をお願いいたします。芦澤先生からコメントをいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。
○芦澤委員 胸膜下に小葉間隔壁の肥厚などはあるのですが、余り典型的なドット状や曲線状陰影が見られないように思います。単純写真上はぎりぎり1型あるかなというぐらいに見ていましたが、CTのほうはこれまでお出ししてきた症例のような典型像は確認できないような印象です。
○大塚座長 余り教育的な症例ではないということでよろしいでしょうか。
○芦澤委員 そのように思いますが。
○大塚座長 両方とも1型相当ということでしたが、採用ということに関してはいかがでしょうか。先生方の意見をよろしくお願いいたします。
○菅沼委員 よろしいでしょうか。
○大塚座長 はい。
○菅沼委員 胸部写真については、2010年のものについては0/1だと思います。2012年のものについては、コストフレニックアングルの所が、線状影が見えますので、1/0かと思いました。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。0/1、1/0というお話でしたが、いずれにしても、今まで芦澤先生のほうで説明してくださった石綿肺に比べると、少し教育的な観点からは、細気管支病変に関しては、若干少ないような印象です。これについては、どうしても足りないというときには採用という形で、少し採用に関しては難しい症例かと思いますが、いかがでしょうか。
○岸本委員 岸本です。よろしいですか。
○大塚座長 はい。
○岸本委員 今の0/1の標準フィルムは評判がよくなくて、左にびまん性胸膜肥厚があるということなので、今の標準フィルムの0/1とこれをよく確認して、不整形陰影ですが、あれでしたら2010年のものを0/1として出してみてはどうかと思って見ていました。以上です。
○大塚座長 2010年のものを0/1として採用するのはいかがかということですね。
○加藤委員 加藤ですが。
○大塚座長 はい、どうぞ。
○加藤委員 私も、1型は結構ぎりぎりかと思っています。やはり芦澤先生が言われていたように、CTで見たときの線維化の程度も今までの1型と比べるとかなり弱いので、単純写真でぎりぎり1型としたとしても、流れの中で余りよくないと思っていたのですが。言われるように、0/1の例として、確かに上のほうは粒状影がちょっと弱いのですが、胸膜、CTで見たときに、ないわけではないので。
○大塚座長 今提示してある2010年の写真で見て。
○加藤委員 2010年は0/1でいいのではないかと思いますし、そちらのCTを並べて出したとしても、やはりこの程度の線維化ですと0/1というので、今までの流れの中ではいいのかと思うので、0/1候補として検討するほうが。
○大塚座長 2010年のほうですね。
○加藤委員 そうですね、2010年のほうです。そう思います。
○大塚座長 ありがとうございます。そのような御意見がありました。0/1候補として採用するのはどうかということです。ほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○芦澤委員 私も岸本先生、加藤先生の御意見に賛成です。もちろん、その場合は、原則、差し替えはないということでしたので、追加をするということと認識をしていますが。0/1として追加をするということでよかったでしょうか。
○大塚座長 分かりました。一応そういうことで伺いました。0/1として候補としてはいかがかということです。
 そうしましたら、整理番号10に進んでよろしいでしょうか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。整理番号10を共有いたします。こちらも外部の有識者から御提供いただいたものです。ベリリウム曝露によるベリリウム肺の症例であり、ベリリウム磁器製造2か月の作業歴があります。特に御提案いただいた方からの型や区分についての御提案はありません。以上です。
○大塚座長 そうしましたら、CTを見せていただけますか。肺野条件でお願いいたします。一部肉芽腫というか、粒状影が残るような状況で、肉芽腫から線維化が進んでいるような症例であろうと思いますが。これは特定化学物質の分類に入ることで、じん肺に入れてもよろしいのでしょうか。
○井口主任中央じん肺診査医 特段問題はありません。じん肺作業になるものですので。
○大塚座長 じん肺作業に相当するということで、よろしいですね。
○井口主任中央じん肺診査医 おっしゃるとおりです。
○大塚座長 これについては、いかがでしょうか。採用及び型分類について。もう一度単純写真を見せていただけますか。時期的に、より線維化の進んだ時期の画像もありますが。これが2010年のものです。あと、2018年のものがあったのでしょうか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。症例10については、この時期のものだけです。
○大塚座長 失礼しました。これは分類的にはどうなりますか。不整形陰影という形になりますか。それとも、粒状影で2型程度という形になりますか。
○菅沼委員 よろしいですか。
○大塚座長 はい。
○菅沼委員 CTが見えてしまうと、なかなか判定しにくいのですが、例えばILO分類でこれを判定するとしたら2型の粒状影で、不整形も混じっているというような判定にすると思いますので、2型程度というのは妥当なのではないかと思います。
○大塚座長 陰影の2型程度ということですか。
○菅沼委員 ILO分類でもしこれを分類するとしますと、粒状影+不整形で、粒状影主体で2型という形になると思います。
○大塚座長 粒状影主体で2型と。ありがとうございます。ほかの先生方、いかがでしょうか。最初の趣旨で、いろいろな曝露物質によるものも今回の標準写真に取り入れましょうということで集めていただきましたが、ベリリウム肺も現在もベリリウムを使われている状況ですが、取りあえず2型のベリリウム肺ということで、採用ということでよろしいでしょうか。
 御意見がないようですので、次は整理番号11番の説明をお願いいたします。
○井口主任中央じん肺診査医 整理番号11番を共有させていただきます。こちらの画像も、外部の有識者から提供いただいたものです。ベリリウム曝露によるベリリウム肺症例で、ベリリウム合金のバリ取り・研磨作業を年に1回程度、2年間されていたということです。エックス線写真、CT共に、69歳と77歳のときに撮られたものがあります。以上です。
○大塚座長 まず、2010年のCTを見せていただけますか。先ほどの症例よりだいぶ線維化が少ないような画像かと思いますが、これに関して加藤先生から何かコメントをいただけましたら幸いです。お願いできますか。
○加藤委員 加藤です。確かに線維化が少ないので、しかしこれは粒状影はそんなになさそうな感じで、不整形影の1型ということになるのかと思うのですが。ずっと不整形影、石綿ですと下肺優位なのですが、ベリリウムは上肺優位のような感じで、上のほうはかなりきつくてというので、先ほどのものも不整形影と粒状影のどちらでという話もあったのですが、結構難しいですね。これは不整形影かなと思うのですが。1型で。
○大塚座長 ほぼ粒状影ではないということですね。
○加藤委員 そうですね。範囲という意味でいくと、もう結構、全部範囲に。全範囲にきていても、先ほどの溶接工肺ではないですが、もはや何をもって1にして何をもって2にして、何をもって3にするのかというのが、すみません、私はILOとかも余り詳しくないのですが、難しいですね。範囲という意味でいくと全範囲肺にきていますし、程度としては先生が言われたように先ほどよりは軽いと。しかし、肺尖部の所はそこそこ強いということで。
○大塚座長 そうしたら、2018年の単純写真とCTも、加藤先生、見ていただいてコメントをいただけますか。
○加藤委員 2018年は、これがまた増強してきているのですよね。これが1なのでしたら、2018年は2かなというような感じですが。手元で自分でも見て言っているのですが。
○大塚座長 はい。
○加藤委員 今はこれを2つ並べれないかと思うのですが、並べてしまうと、やはりこれは同じ型ではないですかと。
○大塚座長 大分強くなっていますよね。
○加藤委員 ええ、明らかに進んでいるので、そういう意味での整合性も含めて考えないといけないのか、先ほどのものも含めてなのですが。
○大塚座長 CTのほうも提示していただけますか。
○加藤委員 先ほどは結構フワフワした影だったのが、結構しっかりした線維化になってきている感じの所見なのですが。岸本先生や芦澤先生や菅沼先生などにもお聞きしたいのですが、ここでいう1型、石綿肺のときは、網状影の範囲などは、大きく上肺野に達するとか、中肺野までというようなことを結構考えていたと思うのですが、この人などはもう最初から最後まで、ある意味全肺あるので、そういうものは1型、2型、3型というのはどうやって、局所の影の程度ということになるのでしょうか。上肺野はかなり進んでいるけれどとかいうので、決めにくいと思うのですが、皆さん、御意見いかがでしょうか。
○菅沼委員 よろしいですか。
○大塚座長 はい、どうぞ。
○菅沼委員 上肺野の密度は高いと思ったので、1型ではなくて2型ではないかと思いました。
○加藤委員 最初から。
○菅沼委員 ええ。広がりは、最初からというのは、1つ目のものと比べてということですね。
○加藤委員 1つ目のものも、もう2型ということですか。
○菅沼委員 1つ目の。2つ目のものは2型だと思います。
○加藤委員 2型。
○菅沼委員 1つ目のものは、2型にはあと1歩。
○加藤委員 では、1つ目のものは1型で、2つ目のものは2型と。
○菅沼委員 はい。
○加藤委員 1つ目と2つ目は、もう明らかに同じ型には入るという感じなので。
○菅沼委員 はい。それで、プロフュージョンが密度だと思いますので、密度と広がりは違いますから、密集している所が多ければ、それで高いPR分類になるという判断でいいのではないかとは思いました。
○加藤委員 しかし、密集というと、線維化の度合いを無視して、線維化がある領域の密度というような考え方でいってしまうと、ある意味、全肺あるので、それはそれでそこそこな密度かなとは思ってしまう。粒状影でしたら密度でいいと思うのですが。
○菅沼委員 なるほど。
○加藤委員 不整形影は密度というのは難しくないですか。
○菅沼委員 基本、胸部写真の判定は密度で考えていると考えていましたが。
○岸本委員 よろしいですか。菅沼先生が言われるように、ILOは密度を非常に重視して、密度が濃ければそれをプロフュージョンにするということが約束なのですが、日本の分類はそうではないと、ずっと千代谷先生から言われていて、密度も重要だけれども広がりも考慮して1~3を入れろということなのですが。このベリリウム肺というのは、粉じん量と量反応関係がないから、だから無理矢理それをやるとほかのじん肺とは相容れないところがあるので、私はこれを何型というのは入れないほうがいいと思うので、ベリリウム肺というのがありますよということで入れておいたほうがいいと思います。以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。確かに、ドーズリスポンスのカーブにのっとらないということで、あくまでも参考画像ということで、採用ということですね。そのような岸本先生の御意見がありましたが、ほかの先生方、いかがでしょうか。
○加藤委員 では先生、不整形影と粒状影というのも、もう述べないという。両方混在してくるので、決めづらいと思うのですが。いかがでしょうか。
○大塚座長 ただ、これは不整形陰影として判断するしかないのではないでしょうか。これだけ線維化。
○加藤委員 いや、先ほどのものは粒状影にしたのですよね。
○大塚座長 はい。
○加藤委員 先ほどは粒状影と言って、これは粒状影ベリリウム肺ということで。
○大塚座長 粒状影ベリリウム。まあ、2型の。
○菅沼委員 よろしいですか。
○大塚座長 はい。
○菅沼委員 先ほど、粒状影と不整形影が混じっていて、粒状影の側でと申し上げましたが、もう混在していてどちらにするというのは判定が難しいような粒状影だと思いましたので、そのように申し上げました。必ず粒状影でないといけないというような写真ではないということです。
○大塚座長 あくまでも、病変の密度がということですね。確かに、標準写真に載せる場合には、判定、レントゲン分類は入れないほうがいいのかもしれません。こういうときにはこういうベリリウム肺を疑いましょうでよろしいのかと思いますが。
○菅沼委員 そのような進め方で賛成です。
○岸本委員 大塚先生、私はそのつもりで言いました。こういう病変があるということを言っておかないと、皆さん知りませんので、そういう意味で紹介という意味で、参考という形で入れたほうがいいのではないかと思っています。
○大塚座長 ありがとうございます。ただ、実際、じん肺分類に、じん肺の中に入れるとなると、実際にこれを各地方の労働局で判定、分類しなくてはならないという話になってきますよね。それは、局に任せるということになりますか。
○岸本委員 じん肺分類をせずに、溶接工肺ではなくてベリリウム肺だということが分かって、それでベリリウム肺として対応する、でいいと思うのです。
○大塚座長 はい。
○岸本委員 というような、今はベリリウム肺なのにサルコイドーシスとされているのも結構あったりするので、そういうことです。
○大塚座長 ありがとうございます。本日予定されているものは、一応、整理番号11までとなるかと思います。
○矢寺委員 よろしいですか。
○大塚座長 はい、どうぞ。
○矢寺委員 ちょうどこの症例があったので、前回の議事録を確認しているときに思ったのですが、井口先生からも、最初のフィルムのときには曝露で分類していたものが、デジタル版のときには陰影の種類で今は分類をしているわけで、それを混在したようにするのかどうかという議論があったと思うのですが。今の症例が、正に粒状影と不整形陰影が混在している症例なので、この症例を今のデジタル版で入れるとすると、その他の陰影の所になるのでしょうか。あるいは、番号を付けなくて参考症例とするのか、その辺のところを今確認しておきたいと思います。岸本先生のおっしゃった参考症例というのは、もう番号を付けないということなのかと思って聞いておりました。
○大塚座長 事務局、いかがでしょうか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。仮に掲載するとなった場合には、必ずどちらかに分けなければいけないというものではありませんので、その他の陰影、若しくは混合という形で載せるような整理もあり得るかと思っております。
 一方で、そもそもの標準写真集の目的からしますと、あくまで型の分類の標準として扱うものということですので、果たして教科書的な紹介がどこまでカバーするべきなのかは、少し検討させていただければと思います。
○大塚座長 ありがとうございます。それでは、ここまでの結果を確認したいと思います。
○井口主任中央じん肺診査医 それでは、私から御確認をさせていただきます。整理番号の1、2、3、4、5については、それぞれ掲載の方向でという結論であったかと存じます。
6、7については、症例の補充という意味で掲載が望ましい一方で、特に0と1、1と2を挟む領域で、少し型分類の所に御議論があると承知をしております。我々のほうでも、局での決定がどうなったのかというところを合わせながら、一意に決まるものなのかどうか、典型的な症例と言えるのかどうかを、再度確認をさせていただこうと存じます。
 8番については、やや典型的な症例とは言い難いのではないかという御議論だったかと存じます。9番については、2010年のものを0/1として掲載するのはどうだろうかという御議論をいただいていたと思います。その場合に、追加の掲載ということになりますが、こちらについても0と1を挟む部分ですので、一意に固まるものなのかどうかを再度確認させていただければと存じます。
 それから、10番、11番については、それぞれベリリウムの症例ですが、こちらについては必ずしも粒状影、若しくは不整形陰影という形でビシッと分けられるものではないという御議論と、型を分類していくときになかなか現在の型分類ではこちらもクリアカットに決まらないのではないかという御議論をいただいたかと存じます。掲載に当たっては、1つはもう型分類を示さない形で掲載するというものと、対案としては、もともと標準エックス線写真集というものが、各局での判定の際に、型分類の意識合わせ、相場観合わせという目的があることを考えますと、型分類を載せないままに啓発の目的で載せるというところがどうなのかということが論点になるのかと思いますので、我々でも整理をさせていただこうと思っております。本日御議論をいただきました1~11番について、我々の認識は以上です。
○大塚座長 ありがとうございます。
○菅沼委員 参考までによろしいですか。
○大塚座長 はい。お願いいたします。
○菅沼委員 先ほどの症例10のベリリウム肺なのですが、説明がなかなか分かりにくかったと思うのですが、ILO分類の中では、不整形影の上肺野に出てくるものが型としてuタイプというものがあります。そのような形で判定すると、ILO分類では分類可能かと思いました。御参考までです。
○大塚座長 もう一度確認ですが、ILO分類でいきますと、ベリリウムはどういう分類になりますか。
○菅沼委員 不整形影でuタイプというのがあるのですが、uというのがs、t、uの一番大きいもので、rタイプと同じぐらいの感じで不整形影というものがあります。
○大塚座長 s、t、uのuタイプ、不整形影で一番大きいタイプですね。
○菅沼委員 大きいものです。それの2型だろうと。
○大塚座長 それの2型に相当するのではないかというお話ですね。
○菅沼委員 はい。
○大塚座長 ありがとうございます。そのほか、何か追加の御意見はありますか。よろしいでしょうか。まだいろいろな議論はあると思いますが、症例の検討も一応今回で全て終わって、おおむねまとまったかと思います。事務局から、今後の流れについて説明いただけますか。
○井口主任中央じん肺診査医 事務局です。長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。今後についてですが、現在事務局で、ただいまドラフトは完全に未定稿ですが、ドラフトを共有させていただいていますとおり、これまでの御議論、御検討を取りまとめた報告書案の作業を行っております。今後、本日の御議論も踏まえて案を仕上げていく予定です。
 基本的には、個々の症例に関する御結論をファクトとして報告していく内容になること、また年度末で先生方も特にお忙しいシーズンに入りますので、本検討会としては、今回を実際のオンライン、又はハイブリッド、対面の開催としては最後の開催とさせていただき、報告書の確定については、事務局から追って本日の議論も反映させていただいた案文を構成員の先生方にお送りして、御相談する形で進めさせていただければと存じます。
 こういった進め方でよろしければ、手続としては検討会の報告書について、座長である大塚先生に御一任という形を取らせていただきたいので、それについて御相談させていただければ幸いです。
○大塚座長 これまで議論していただいたことをまとめた段階で、メール等で御相談していくという前提で、最終的には座長の私に御一任いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。何か御意見はありますでしょうか。特になければ、それでは事務局に進行をお返しいたします。
○井口主任中央じん肺診査医 改めまして、構成員の皆様、長時間にわたる御議論をありがとうございました。先ほど申し上げましたとおり、本検討会は今回で一旦最後の開催とさせていただき、報告書案をまとめて、メール等で御相談をさせていただきたいと存じます。
 これをもちまして、第3回「じん肺標準エックス線写真集の改定等に関する検討会」を終了いたします。ありがとうございました。

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