外務省・新着情報

冒頭発言

G20トロイカ各国駐日大使による表敬

【上川外務大臣】おはようございます。私(上川大臣)から一点申し上げます。
 私(上川大臣)が重視している取組として、駐日大使の皆様を含めた様々なステークホルダーとのつながりを強化し、そこで生まれた議論を、外交活動と連動させていく、いわゆる「アウトリーチ型の外交」について、昨年も言及をいたしました。外交の要諦は、人と人との繋がりであります。このような考えの下、昨日、私(上川大臣)は、「アウトリーチ型の外交」の一環として、インド、ブラジル、南アフリカのG20トロイカ各国駐日大使による表敬を受けました。
 昨年、日本は、G7議長国として広島サミットの成果をG20サミットにつなげるとの考えの下、G20議長国インドと緊密に連携をいたしました。G7議長国という立場は交代をいたしましたが、本年も引き続き、国際社会を分断や対立ではなく協調に導くべく、G7とG20の連携が極めて重要と考えておりまして、本年のG20ブラジル議長年、この成功に向けても、日本として協力を惜しまないとのメッセージをお伝えいたしました。来年の南アフリカが議長を務めるG20に関しても同様の考えであります。
 このほか、国連改革を含むグローバル・ガバナンス改革や、女性・平和・安全保障(WPS)を含むジェンダー等の分野におけるG20での連携や、また地域情勢についても意見交換をいたしました。引き続き、「アウトリーチ型の外交」も駆使しつつ、G20トロイカと連携を深めていく考えであります。
 私(上川大臣)からは、以上です。

イスラエルの行動に対するICJでの審理

【共同通信 桂田記者】国際司法裁判所(ICJ)は、本日、南アフリカがイスラエル軍によるパレスチナ自治区への攻撃の停止を求めた訴訟で、停止を命じる暫定措置を出すかどうか判断する見通しです。日本政府としては、ICJの判断を尊重する立場でしょうか。また、今回の判断が、今後の情勢に与える影響について、どのように考えていらっしゃるかお聞かせください。

【上川外務大臣】ご指摘の訴訟につきましては、国際司法裁判所(ICJ)は、本1月26日、日本時間午後9時に、暫定措置の発出に関する要請についての決定の読み上げを行う旨発表したと承知しております。先般、私(上川大臣)自身、国連の主要な司法機関でありますICJを訪問し、法の支配の重要性を改めて確認したところであり、我が国として、ICJがどのような決定を行うかを含めまして、今後の状況を注視してまいりたいと考えております。

ロシア軍用機撃墜

【NHK 五十嵐記者】ロシア軍の軍用機の墜落の関連で伺います。ウクライナとの捕虜交換に当たっていたロシア軍の軍用機が墜落したことを受けて、25日、国連安保理の緊急会合が開かれました。ロシアは、「ウクライナ側による撃墜だ」と主張したのに対し、ウクライナは、「ロシアが捕虜の安全に配慮しなかった結果だ」などと反論して、国際的な調査が行われるべきだと主張しました。日本としての受け止めや、今後の対応をお聞きします。

【上川外務大臣】まず、御指摘のロシア国防省の発表につきましては、承知しているところであります。また、本件に関連し、ウクライナのゼレンスキー大統領が、国際的な調査の必要性につきまして、言及した点も承知しているところであります。
 本事案についてでありますが、ロシアによるものを含めまして、現在、情報収集が続けられているものと承知しております。日本政府として、国際的な調査に関するものを含めまして、本件に関する今後の動きを注視してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、昨日開催されました国連安保理会合におきまして、我が国や欧米諸国は、ロシアのウクライナ侵略がなければ、今回の事態が発生することはなかった旨等を指摘しつつ、ロシアによる侵略の停止と、ウクライナからの撤退を改めて求めたところでありまして、引き続き、G7を始めとする国際社会と、緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。

経済団体の中国訪問

【読売新聞 上村記者】日中関係についてお伺いします。昨日、日本の経済界の代表団が、北京で李強(り・きょう)首相と会談して、経済分野の連携を深めることで一致しました。この会談に対する大臣の所感と、日本政府として、対中ビジネスをどう支援していくかについてお聞かせください。

【上川外務大臣】まず、25日の午前、日中経済協会、経団連、日本商工会議所によります合同の訪中団が、李強(り・きょう)中国国務院総理と会談を行い、双方の間で、両国経済関係の深化等につきまして、意見交換がなされたものと承知しております。
 日本にとりまして、中国は最大の貿易相手国であり、中国にとりましても、日本は2番目の貿易相手国と。こうした中にあって、ポスト・コロナにおける日中経済交流を活性化させていくためにも、透明、そして、予測可能かつ公正なビジネス環境の確保、これを通じまして、互いの正当なビジネス活動が保障されることが重要であると考えております。
 その上で、日中双方は、経済や国民交流の具体的分野で、互恵的協力は可能であると一致しておりまして、経済界をはじめとする様々な分野で、対話を積み重ねていくことが重要と考えております。
 今回の経済3団体合同訪中団の訪中は、こういった観点からも、有意義なものでありまして、政府としても歓迎するとともに、日中経済交流の活性化を期待しているところであります。
 政府としての取組ということでありますが、今後とも、中国側に対しまして、透明・予見可能かつ公平なビジネス環境を確保し、日本企業の正当なビジネス活動は保障されることの重要性、これを働きかけていくとともに、在外公館を含めまして、日本企業の活動の支援に万全を期してまいりたいと考えております。

旅券発給拒否処分取消請求等の訴訟

【NHK 五十嵐記者】パスポートの発給関連で伺います。シリアで、武装組織に拘束され解放された、フリー・ジャーナリストの安田純平さんへのパスポートの発給をめぐる裁判で、東京地方裁判所は、昨日、発給を拒否した外務省の処分は違法だとして、処分を取り消す判決を言い渡しました。判決の受け止めや、外務省としての対応をお伺いします。

【上川外務大臣】今般の判決でありますが、国側の主張が部分的に認められなかったものでありまして、今後、判決の内容を十分精査をし、検討するとともに、関係省庁と協議した上で、国としての対応につきまして、決めてまいりたいと考えております。

岸田総理大臣の米国への公式訪問

【朝日新聞 松山記者】本日、日米両政府から発表のあった、首相の国賓待遇での米国への公式訪問についてお伺いします。先ほど林官房長官は、会見で、訪米の意義について、日米両国の緊密な連携を一層深め、強固な日米同盟を世界に示すというふうにおっしゃられましたが、上川大臣として、今回の訪米の意義をどうお考えか、ご自身も前さばきとして、事前に訪米されてましたけれども、その点も併せてお伺いいたします。
 また、報道では、経済安全保障や、宇宙・サイバー分野での連携も強化するという報道もありますが、首脳会談のテーマについても、ご紹介いただけるものがあればお願いします。

【上川外務大臣】国際社会が様々な課題に、今、直面しております。こうした状況である中で、日米の固い絆・結束が極めて重要と考えております。今般の岸田総理の米国への公式訪問は、この日米両国の緊密な連携、これを一層深め、また強固な日米同盟を世界に示す上で、大変有意義なものになると考えております。
 私(上川大臣)は、1月に訪米をいたしたところでありますが、その折に、ブリンケン米国務長官、またレモンド商務長官、そして、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官、こうした方々との会談を通じまして、岸田総理大臣の国賓待遇での米国公式訪問の成功に向けて、踏み込んだ議論を行ってまいりました。その成功に向けまして、引き続き日米で緊密に連携し、また、その成功に向けての準備をしていこうということで一致したところでございます。
 現時点で、首脳会談の議題について、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、政治の状況、そして、安全保障、経済、人的交流等を含みます幅広い議題につきまして、意見を交わすということが想定されるものでございます。

第213回国会への対応

【毎日新聞 村尾記者】今日から、通常国会がスタートしました。現在、内閣支持率が、なかなか低迷している状況で、また、政治と金で、混乱というような状況ですけれども、そういった中で、今国会、どう乗り切るかというのは、岸田内閣、また与党にとって大変重要だと思いますけれども、重要閣僚の1人として、どういうふうに、この国会を乗り切っていく、どう対応していくのか、ご自身の役割や御認識をお願いします。

【上川外務大臣】本日から通常国会が始まったところであります。特に、政治資金をめぐる問題につきまして、まさに、国民の信頼回復の必要性を、大変重く受け止めているところであります。
 外交の分野におきましても、信頼、これをベースにした形の外交こそが、長期に極めて重要な役割を果たすということを、この間、実感してまいりました。
 内政も、外交と分けて考えることはできない状況であります。国民の皆様に理解され、そして支持される外交を展開したいということで、この姿勢につきましては、私(上川大臣)も、就任以来、ことをあるごとに、皆様にお伝えしてまいり、その努力もしてきたところであります。
 そういう意味で、内政も外交も全く同じ姿勢で、信頼ということが、極めて重要な土台にあるということをベースに、取り組んでまいりたいと考えております。
 その際、重要な点の一つとして、我が国は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化をし、「人間の尊厳」が守られる安全・安心な世界を実現すると、こうした外交を推進していくと、このことについて明確にメッセージを出してまいりました。
 そうした方針の下で、国民の皆様のご理解とご支持をいただけるよう、国会での議論につきましても、しっかりと臨んでまいりたいと考えております。

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