総務省・新着情報

会見発言記事
松本総務大臣閣議後記者会見の概要
令和5年12月26日

冒頭発言

  私から2件、ご報告を申し上げたいと思います。
 
労働力調査結果
 
  本日の閣議において、労働力調査結果について報告いたしました。
  11月の完全失業率は、季節調整値で2.5%、前月と同率となっております。
  就業者数は6,780万人と、1年前に比べて56万人増加して、16か月連続の増加となっています。
  この中で、女性の就業者数は3,083万人と、比較可能な昭和28年以降で過去最多となりました。
  詳細は、統計局にお問い合わせください。
 
【第33次地方制度調査会の答申】
 
  2件目は、令和5年12月21日、第33次地方制度調査会の市川会長から岸田総理に対しまして、ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申が提出されました。
  今回の答申は、これまで進めてきた地方分権の成果を尊重した上で、国と地方が連携してデジタル化に対応し、また、国民の命を守っていくために、どのような地方制度が求められるのかという重要なテーマに答えを示していただいたものと受け止めております。
  本日の閣議において、私から、答申の趣旨を最大限尊重し、今後、実効ある方策を講じてまいる旨、また、御理解と御協力をお願いしたい旨を申し上げました。
  総務省としても、答申の趣旨の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

  私からご報告は以上です。

質疑応答

今年1年を振り返って

問:
  今年最後の記者会見ということで1年の振り返りを伺いたいのですが、大臣、この1年、総務省に中と外から関わってこられて、年末に再び大臣として予算案の取りまとめなどにあたってこられたと思います。それを踏まえつつ、1年の総務行政を振り返ってのご所感をお願いいたします。
答:
  そうですね。おっしゃったとおり、中と外からと言われれば、外からというか、党からというのも様々新しいテーマに取り組んで、政府に新たなテーマへの取組を求めたりするという意味で、党の政策論議も私は大変意味があると思っているのですが、政府における立場という意味では、実際に政策をきちっと企画・立案して実行し、現場に届けるという意味で大変やりがいのある仕事を命ぜられたと思って、これまでも取り組んでまいりました。
  総務行政が大変幅広く、また、国の根幹を支えるものであり、国民生活の基盤となるものであることは、かねて申し上げてきているとおりでありますが、私としましても、総務行政を責任ある立場で進めるにあたっては、やはり常々そう考えてきていますが、目の前の課題にしっかりと問題に対応・対策をとっていくことと、しっかりと将来を見て、先を見た問題・課題・テーマに取り組んでいくこと、こういったことが大事ではないかと思います。
  今年の初めの段階では、まだコロナ禍であるということ、そして、物価が上がってくるなど経済社会情勢も大変厳しい状況でありましたし、構造的課題という意味では、地方はコロナなどでも大変疲弊しておりましたが、そもそも人口減少問題など、構造的な問題がありますし、情報通信という意味ではデジタル技術の飛躍的な推進で環境が大きく変わるなど、そういった視点から問題に取り組んでいかなければいけないと思っておりました。大きく、やはり国民生活の環境が変わる中で政策も変わっていかなければいけないとすれば、その実態を把握する統計や、どのように政策を作っていくのかといった行政評価なども大事な仕事だと思って、ここまで取り組んできたところでございます。
  そういった意味では、地方を元気にするという意味では、今もちょうど言及いただきましたが、昨年も年末、地方財政の基盤を支える予算の確保に努めさせていただき、今年もまた最終版でありましたが、予算編成の最終版で何とか地方の皆さんに来年度頑張っていただける財源を確保できたのではないかと考えて、また、地方の皆さんにお願いしていきたいと思いますし、先ほど申し上げましたように、中長期的にも地方が元気になるような活性化策にいろいろ取り組んでいきたいと思っております。
  情報通信の分野は本当に動きが激しいので、いろいろな課題がありますし、目前の課題もあると同時に、しっかりと時代を見据えて、先を見据えて、制度も含めて構造的にどうしていくかということをやっていくことが大事かと考えてまいりました。
  そういった意味で、情報通信、デジタルということで、4月、G7デジタル・技術大臣会合、群馬・高崎で行われた中では、閣僚宣言が採択されて広島AIプロセスにつなげることができました。鈴木大臣があとをお受けいただいて、12月1日には初の国際的な包括的な政策枠組みの合意に達したということは、大変着実な前進ができたのではないかと思っていますが、更にこれも、これから先がまた大事でありますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
  デジタルトランスフォーメーションの課題、マイナンバー制度、マイナンバーカードにも、目前の課題も様々ありますし、また、先々を見据えた、本当に国民生活が豊かになる利活用の推進などもしっかりと進めていきたいと思っているところでございます。
  本当にまだまだ課題があるところでございますが、今申しましたように、世界にとっても日本にとっても激動の1年であったかと思いますし、私ごとになりますが、個人的にも激動の1年でありましたが、しっかりと緊張感をもって取り組んでいきたいと思いますし、職員の皆さんもよく頑張っていただいているので、一丸となってやっていきたいと思います。
  年末最後の記者会ということですので、改めて、日頃から、ある意味で一緒に仕事をさせていただいている記者クラブの皆さんにとりましても、来年がよい年になるように、そして、日本の国と国民の皆さんにとってよい年になるように、我々もしっかり頑張っていきたいと思います。

NTT法の見直しを巡る議論

問:
  NTT法の見直しについてお伺いします。先日、通信政策特別委員会で、NTT法の見直しについて第1次報告書案を取りまとめました。これについて、まず大臣の受け止めと総務省の対応をお願いしたいのですが、また、NTT法自体を廃止するかなど、まだ残された課題があるのですが、今後の議論の見通しについてもお願いしたいと思います。
答:
  通信政策特別委員会は、ちょうど立ち上げるときは私も総務大臣として携わらせていただきましたが、ちょうどそのときにやはり、先ほども申しましたように、デジタル技術の飛躍的な前進や通信を取り巻く環境の大きな変化という中で、通信政策そのものを時代に合わせる形で議論する必要があるのではないかと考えてスタートしていただいたかと思います。
  ちょうどそのときに、私自身も視点として、国内では誰にでも通信が届くようなユニバーサルサービスの視点と、適正な価格で適正な質のサービスが提供される公正競争の確保という国内の視点2つと、そして、国際的には我が国の通信産業の国際競争力と、通信の持つ重要性を考えると経済安全保障の側面の、国内で2つ、国際的に2つという4つの視点が必要かと思って私自身も考えていたのですが、ちょうど第1回のプレゼンテーションをしていただいた先生も、まさにその4つの視点ということで、通信行政の将来を考えるとこの4つの視点というのは共通の認識なのかと、そのときに感じさせていただいたところでございまして、先ほども申しましたが、通信政策は非常に環境変化が激しいことを考えると、できる限り速やかに必要な改革はしていかなければいけないと考えております。
  そういった中で、先ほど申しました視点の中で、国際競争力を強化するという観点、これも急がなければいけないということで、今回、第一次報告書では、研究成果の普及責務の撤廃や外国人役員規制の緩和など、早期に結論が得られた事項として取りまとめていただいたと認識しております。
  申し上げてまいりましたように、しっかりと時代にキャッチアップし、また、時代の中で我が国の通信産業が活躍できるためには、必要な改革ではないかと受け止めております。
  これに関しましては、総務省として、審議会において答申が取りまとめられれば、自民党の提言も踏まえつつ、次期通常国会への法案の提出も視野に必要な対応を迅速に進めてまいりたいと思っております。
  第一次報告書において、今後更に検討を進めていくべき事項というのがかなりたくさん挙がっているのは、すでにご覧をいただいたのではないかと思いますが、先ほども視点を4つに整理をさせていただきましたが、国際競争力という意味でもまだ課題があろうかと思いますし、また、経済安全保障、ユニバーサルサービス、公正な競争確保といったような視点でどのような形で行くのか。
  今、NTT法の廃止ということでありますが、政策を固めた上で、法制度もそれに合わせて必要なことをしっかりやっていくという形になるのではないかと思いますが、議論のこれからのあり方については、与党からは提言いただいておりますが、引き続き議論が行われるようでございますし、また、有識者の皆様方からも様々なご意見をいただく場をいただいていますので、できる限りそういった議論をしっかりと我々も承りながら、必要な政策を速やかに実現していきたいと考えております。

モバイル市場の公正な競争環境の確保

問:
  いわゆる1円スマホについてお伺いします。総務省の規制で、いわゆる1円スマホが明日から消滅しますが、この狙いと期待する効果を教えてください。また、業界では値下げをめぐるイタチごっこが続いてきましたが、今後も新たな抜け道などで、スマホの安値販売が続くことはないのでしょうか。あわせてお伺いします。

答:
  過度な端末割引きを私どもも規制させていただいておりますが、いわゆる1円端末の問題が発生しているということですが、この問題について、ここにおいでの皆様はすでにご理解をいただいているところかと思います。
  やはり1円端末ということであれば、その売買だけで言えば、当然売り手の側から見たら著しく割の合わない取引になるわけでありまして、その分はどこで埋め合わせがされるのか、そのしわ寄せがどこへ行くのかということを考えたときに、1円端末というか、端末価格については規制ということになりますが、むしろ公正な競争を確保するということが目的でありまして、それによって端末の競争と通信の料金と質の競争という意味で適正な競争が行われるようにするために、やはり端末の過度な割引きは問題として生じていることを踏まえれば規制が必要ではないかということで、これまで規制をさせていただいてまいりましたが、規律の対象外というものに対して問題が発生したところでありまして、これによって通信料金、サービス本意の競争が阻害される事態ではないかと私どもは認識をしたところであります。
  そこで、この対象外となって過度な割引きが行われているところを規律の対象にして、割引額の上限を見直すことなどでこれらの問題を解消して、公正な競争を確保したいということで、総務省令の見直しをすることとしたところであります。
  そもそも令和元年から電気通信事業法を改正して、携帯電話の通話料金と端末代金の分離を内容とする規律を導入しているわけですが、このような公正な競争確保にこれからも努めていきたいと思っております。
  明日施行される省令改正によりまして、過度な端末割引が抑制されることを期待しております。総務省としては、引き続き、覆面調査などにより、モバイル市場の公正な競争環境を確保すべく、注視していきたいと考えております。

問:
  終わります。ありがとうございました。
答:
  はい。では、改めまして、皆様どうぞよいお年を。

大臣の動画はこちら(YouTube)

発信元サイトへ