環境省・新着情報
「令和4年度化学物質環境実態調査結果(概要)」について
1. 経緯
その後、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下「化管法」という。)の施行、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(以下「POPs条約」という。)の採択等を踏まえ、平成14年度からは調査結果が施策により有効に活用されるよう、環境省内の化学物質管理施策等を所管している部署からの要望物質を中心に調査対象物質を選定する方式に変更し、平成18年度からは調査体系を「初期環境調査」、「詳細環境調査」及び「モニタリング調査」として実施しています。
さらに、平成22年度から、排出に関する情報を考慮した調査地点の選定やモニタリング調査における調査頻度等を見直した調査を実施しています。
2. 調査の進め方
(1) 調査対象物質の選定
(2) 調査内容
ア.初期環境調査
令和4年度は13物質を調査対象としました。なお、一部の物質においては、排出に関する情報を考慮した調査地点を含むものとなっています。
イ. 詳細環境調査
令和4年度は6物質(群)を調査対象としました。なお、一部の物質においては、排出に関する情報を考慮した調査地点を含むものとなっています。
ウ. モニタリング調査
令和4年度は、POPs条約対象物質のうち総PCB等11物質(群)を調査対象としました。
3. 調査結果
ア. 初期環境調査(調査結果は別表1のとおり)
大気については、1調査対象物質を調査し、検出されませんでした。
イ. 詳細環境調査(調査結果は別表2のとおり)
底質については、2調査対象物質(群)を調査し、両物質(群)(N,N-ジメチルアルカン-1-アミン=オキシド類(アルキル基の炭素数が10、12、14、16又は18で、直鎖型のもの)、トリメチル(オクタデシル)アンモニウムの塩類)が検出されました。
ウ. モニタリング調査(調査結果は別表3-1、3-2のとおり)
※ 令和4年度調査では、同時分析の可能性及び過年度調査における検出状況等を考慮して、以下の9物質(群)について調査を実施しました。
・ HCH類
・ ポリブロモジフェニルエーテル類(臭素数が4から10までのもの)
・ ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
・ ペルフルオロオクタン酸(PFOA)
・ ペンタクロロベンゼン
・ 1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン類
・ ヘキサクロロブタ-1,3-ジエン
・ 短鎖塩素化パラフィン類
・ ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)
① 継続的に調査を実施している物質(PCB類、ヘキサクロロベンゼン、HCH類、ポリブロモジフェニルエーテル類(臭素数が4から10までのもの)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペンタクロロベンゼン、1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン類(生物及び大気)並びにヘキサクロロブタ-1,3-ジエン(大気))(統計学的な手法による経年変化の解析結果は、別表3-3~3-5のとおり)
調査を行った媒体(水質、底質、生物及び大気)のいずれにおいても、PCB類、ヘキサクロロベンゼン、HCH類、ポリブロモジフェニルエーテル類(臭素数が4から10までのもの)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)及びペンタクロロベンゼンが検出されました。生物及び大気で継続的に調査を実施している1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン類では、α-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン及びγ-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンが生物及び大気で、β-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンが大気でそれぞれ検出されました。大気で継続的に調査を実施しているヘキサクロロブタ-1,3-ジエンも検出されました。なお、以下の媒体別の比較については、環境濃度の比較であり、環境リスクの比較ではありません。
水質及び底質について平成14年度~令和4年度のデータの経年分析を実施したところ、水質及び底質中のPOPs濃度レベルは総じて横ばい又は漸減傾向にあるという結果でした。水質及び底質中の濃度の地域分布を見ると、例年どおり、港湾、大都市圏沿岸の準閉鎖系海域等、人間活動の影響を受けやすい地域にある地点の多くは、その他の地域の地点と比べて高濃度でした。
生物について平成14年度~令和4年度のデータの経年分析を実施したところ、生物中のPOPs濃度レベルは総じて横ばい又は漸減傾向にあるという結果でした。昨年度に引き続き、総PCB等が人口密集地帯近傍の沿岸域の魚については、その他の地域の魚類及び貝類と比べて高濃度でした。
大気について平成14年度~令和4年度のデータの経年分析を実施したところ、大気中のPOPs濃度レベルは総じて横ばい又は漸減傾向にあるという結果でした。
② その他の物質(1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン類(水質及び底質)、ヘキサクロロブタ-1,3-ジエン(水質、底質及び生物)、短鎖塩素化パラフィン類並びにペルフルオロヘキサスルホン酸(PFHxS))
調査を行った媒体(水質、底質、生物及び大気)において、1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン類のうち、α-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン、β-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン、γ-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン及びδ-1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンが底質で、ヘキサクロロ-1,3-ブタジエンは底質及び生物で、短鎖塩素化パラフィン類及びペルフルオロヘキサスルホン酸(PFHxS)は全ての媒体で検出されました。
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- 03-3581-3351
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